翼 cry for the moon (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
3.65
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本棚登録 : 1969
感想 : 189
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  • Amazon.co.jp ・本 (560ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087474534

感想・レビュー・書評

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  • 素晴らしい!話の展開がとても大胆かつスムーズで、のめり込んで読んでしまった。
    村山由佳さんの書くお話は、辛い境遇で育った人がよく出てきますが、このお話もそう。で、過去の自分とどう折り合いをつけて未来に向かって進んでいくのか。そういうところを丁寧に丁寧に流れるように描写してあるから、感情移入しやすいのかな。
    これ、ハリウッドの映画になってもおかしくない。

  • 一番犬の死が印象に残ってしまった。

    • **沙耶**さん
      初めまして。
      昨夜、村山由佳さんのつばさを読み終えました。
      私もパンチの死が一番ショックで、まだ何となく立ち直れません。
      (^^;)
      初めまして。
      昨夜、村山由佳さんのつばさを読み終えました。
      私もパンチの死が一番ショックで、まだ何となく立ち直れません。
      (^^;)
      2013/04/13
  • 作中のナヴァホのメディスンマンの言葉の数々は、端的で簡潔に人生を説いていて力強い。民族色や宗教色が強いが実は普遍的な言葉だと思う。

    アメリカの大きな舞台に人種差別、児童虐待、いじめ、自殺等、複雑すぎる背景、日常的に起こりにくい出来事により物語が展開されていくので、共感からなんか遠い。舞台とテーマのスケールの大きさに相反し、全体的に言葉数が多くお喋りで、作品の風格は乙女チックで幼い印象。(私が女性作家に慣れてないからか?)

    あんまり説得力ないような気もするけど、他人の絶賛レビューを読んで私もこの本を選んだし、一般的には普通にイイ本なんだろう・・・
    まぁ、私は、あとがき書いてる人のあとがきをああいう風に書く気持ちに同感!(笑)

  • ストーリー展開そのものにも惹かれるけれども、何よりもキャラクターの心理描写に惹かれる。


    人の心の不思議さ、移り変わりがよく表現されている。


    なんでここまで心理描写が巧みなのだろう。

    理屈ではない人の心、感情。


    ネイティブアメリカンの思想が心にずーんと響く。


    人生のどの時期に読んだかによって評価がわかれそうな本。

  • 書評で借りたら、533ページもある長編で、
    萎えるかと思ったら、面白かった。

    2002年作品だけど、
    内容は宗教にはまる毒母と、父の自殺。
    20年前の作品なのに、
    題材はまさに『今』。

  • 親の虐待や学校でのいじめを経験し心に闇を抱えて育った真冬がアメリカの大学で自分を理解してくれる恋人と出会う。彼は結婚式直後に事件に遭い死んでしまう。先妻の子ティムをつれて彼の両親の元に行く。彼の家族もまた複雑であった。父親がインディアンの女性とのあいだに作ってしまったブルースだけが真冬とティムが心許せる人物であった。彼もまたいろいろないじめに耐えて生きてきた。多くの人がいろいろな苦しみを抱えながら自分の生き方を探す。諦めずに自分の居場所を探していくことが大切なのだろう。

  • よかったと思います。
    素直に、なんか優しい小説でした。
    人からまとめてもらって、村山さん連続読みする機会に恵まれているのだけど、これは他のと少し趣きが違ったな。
    なんていうか、酷すぎ辛すぎという流れはありつつも、最後はこれは穏やかに終わってたし(笑)。
    あと、なんていうのだろう、舞台が完全に外国で、外国人小説家の話を読んでいるような感覚にもなったし。主人公の女性がひたすら内面と向き合って静かに自分を分析し続けてたからかな、全体的に、起こっていることは酷いけど、穏やかでした。
    また、ミステリとかではないのに、最後どっちに向かうのか、必ずしも途中では予想のできない展開だったし。

    ということで、☆4.5くらいが適切かも?と思う感じの☆4登録です。

    子どもには優しくしたいな、と思いました。。

  • 解放と邂逅の物語。自分で子どもを産んでから、前半が辛くて仕方なかった…でも、こんな親にならないためにするには、こういう人間にならないためにどうしたらいいか、最初に読んだ時よりもずっと、考えられるようになった。

  • ここまで不幸続きなのは無理がある気がして、少し冷めた気持ちで読んでたかもしないです。でも考えさせられることも文章も結構あって興味深かった。

  • 主人公悲惨過ぎだろ。かつ、狙いすましたかのように義弟がネイティヴアメリカンって設定もあざといよな。癒すために敢えて傷付けるような物語立てなような気がして。と言いながら後半はスピード感あって結構楽しめた。フラッグスタッフとか自分の訪れた事のある地名が頻出するのもなかなか楽しかった。

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著者プロフィール

村山由佳
1964年、東京都生まれ。立教大学卒。93年『天使の卵――エンジェルス・エッグ』で小説すばる新人賞を受賞しデビュー。2003年『星々の舟』で直木賞を受賞。09年『ダブル・ファンタジー』で中央公論文芸賞、島清恋愛文学賞、柴田錬三郎賞をトリプル受賞。『風よ あらしよ』で吉川英治文学賞受賞。著書多数。近著に『雪のなまえ』『星屑』がある。Twitter公式アカウント @yukamurayama710

「2022年 『ロマンチック・ポルノグラフィー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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