碧空 (集英社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (202ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087474770

感想・レビュー・書評

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  • 四部作のふたつめ。

    凛一の危うさは相変わらずなんだけど、
    有沢さんはまた違う方向に危うい。
    軽くつつくだけでバラバラになってしまいそう。
    なのに、それに反発するような強気な言動や行動。
    氷川さんという存在がありながら、有沢さんに惹かれていく凛一。

    内面はなく目に見える表面のみに拘る有沢さんの本当の気持ちは最後まで分からなかった。

    電話の場面では泣きそうになった。

    有沢さんの登場で、氷川さんがより一層普通の人に思える。
    じっさい普通の人なんだけど・・・。

  • 有沢さんかっこいい・・・
    千尋さんも相変わらずかっこよくて嬉しいです。
    しかし、凛一の態度がどっちつかず過ぎる・・・・
    氷川さんが好きなら揺れるなよ!と思わず突っ込みたくなってしまいました。
    意外と、純粋じゃないんですね・・・

  •  凛一シリーズ2作目。
     今回は3人の男の間でもどかしい凛一に切なくなる。
     1978年の頃の話。ちょうど自分の生まれ年に親近感もあるけれど、記憶のかけらもない時代。
     スマホもなければ、もちろんLINEもメールもない。人と人が連絡を取り、つながり合う手段は直接話すか、家の電話もしくは手紙の時代。明確な意志を伴う手段だ。
     そんなやりとりがなんとももどかしく、凛一と氷川の関係を複雑にしているけれど、お互い離れられない存在になっていることを際立たせる。
     氷川だけじゃなく、有沢や千尋とも離れているようで、精神的には寄り添っているため、物理的に距離が近づくとともに急速に身体も心も寄り添ってしまう、凛一の繊細な心の変動が、思春期の危うさを感じた。連絡の取り方や花、虫の描写がところどころ美しい言葉で物語に彩りを添えてくれる、綺麗な景色が思い描ける作品。(野茉莉、斑猫、猩々緋色のグラジオラス、翅黒、、、)
     
     氷川も有沢も千尋もタイプの違う男。3人の間でどこに行くこともできない凛一がどっちつかずでふらふらした印象から、最後、家元にしっかり意思を表そうとしたところに青年期へ向かう成長を感じた。

  • 一作目を読んで「つまんない…」と思ったときに、やっぱりやめておけば良かった。
    ただね、何となくね、作品に漂う雰囲気は良かったからね、二作目があると聞いてついつい手を出しちゃったんだけど。
    だめだ、やっぱり私には向かないです。
    2019/02

  • やっぱり長野さんはいいねぇ。
    でも、いつかどこかで出会った少年たちなんだけど、どういう子たちだったか朧気で、シリーズの初めからもう一度読みたい。
    だけど、男子たちが全員お互いをいろんな意味で想いあってて、全員そういう感情に理解があるというのは、ちょっと不自然?

  • 他も少しずつ前進している気がするけれども、やはり今回は有沢改がメインですね。
    彼の言っている、結局見えるのは表面だけ、というのはわかるようなわからないような。表面に隠された特別な感情や事情はわからないわけで、しかしそれをわかった上で表面を見ていよう、ということなのかなと。若干の諦めを含みながら、それを写真という形で表現している有沢君が好きです。表面に見えるものがすべて。内面にあるものなんて信じない。

  • 白昼堂々シリーズ二作目

  • 【2】前巻で分かってたつもりだったけど、改めて凛一君って草食の振りした肉食系男子だったのねー。遠距離をいいことに中華もいいけどフレンチもイタリアンも好き♪って、縛りが無くていっそ清々しいわ。それに右を見ても左を見ても、凛一君の一族って水面下ですごいね~。どんどん自由にやっちゃってー!面白いからww。

  • 『白昼堂々』の続編。
    凛一は高校2年生になり、氷川は京都の大学へ進学して遠距離恋愛(?)状態に。
    女の子とも付き合っているらしい氷川との距離に悶々としている凛一の前に、上級生の有沢が現れる。
    有沢は今で言えばヤンデレキャラである。
    病んでる有沢に振り回される押しに弱い凛一のひと夏。

    シリーズ物であるから次の展開への繋ぎ的な位置にあたる一冊。
    ラストで凛一がようやく主体性を持ち動こうとしている。

    http://www.horizon-t.net/?p=941

  • 中学生ぐらいの時に読んでから私の心象風景になっている一冊。改。好き過ぎて私も写真部に入りました!大切な一冊。

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著者プロフィール

長野まゆみ(ながの・まゆみ)東京都生まれ。一九八八年「少年アリス」で第25回文藝賞を受賞しデビュー。二〇一五年『冥途あり』で第四三回泉鏡花文学賞、第六八回野間文芸賞を受賞。『野ばら』『天体議会』『新世界』『テレヴィジョン・シティ』『超少年』『野川』『デカルコマニア』『チマチマ記』『45°ここだけの話』『兄と弟、あるいは書物と燃える石』『フランダースの帽子』『銀河の通信所』『カムパネルラ版 銀河鉄道の夜』「左近の桜」シリーズなど著書多数。


「2022年 『ゴッホの犬と耳とひまわり』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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