走るジイサン (集英社文庫)

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著者 : 池永陽
  • 集英社 (2003年1月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (185ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087475319

走るジイサン (集英社文庫)の感想・レビュー・書評

  • 頭の上に「猿」が乗っていることにある日気がついた作次69歳の愛と友と老と死に纏わる日常物語。ジイサンが主人公の為なのかナカナカ入り込めず読むのに何日もかかってしまうという苦戦本でしたが、ラストにそこで?!それで?!感があるので、最後まで読んで良かったです。いつか自分も、猿が見えるのかしら。。。怖いけど、将棋盤と毛沢東より全然猿の方がいいな(笑)。第11回小説すばる新人賞受賞作。

  • 【本の内容】
    頭の上に猿がいる。

    話しかければクーと鳴き、からかえば一人前に怒りもする。

    お前はいったい何者だ―。

    近所の仲間と茶飲み話をするだけの平凡な老後をおくっていた作次。

    だが、突然あらわれた猿との奇妙な「共同生活」がはじまる。

    きっかけは、同居する嫁にほのかな恋情を抱いたことだった…。

    老いのやるせなさ、そして生の哀しみと可笑しさを描く、第11回小説すばる新人賞受賞作品。

    [ 目次 ]


    [ POP ]
    年をとったらこんなジイサンになりたいと思う(私はなれないが・・・)。

    きっとバアサンではこうはいかないだろう。

    妻に先立たれ、同居する息子の嫁にほのかな恋心を抱く69歳の主人公。

    老境にさしかかり、不安や孤独、怒りなど様々なストレスを感じつつ、ボヤきつつの毎日を送っている。

    ジイサンはじめ登場する人々、みんな哀しく切なく滑稽で愛おしい。

    そんな中、ジイサンが恋に悩む近所の明ちゃんにかける言葉、「誰だっていやらしいんだ。・・・人間なんてみんな似たようなもんなんだ。やっかいなもんなんだ。」は単なる慰めというより、諦めも含んだ人間肯定の優しさなのだ。

    主人公の頭の上に、ある日突然現れた幻想の猿は一体何者なのだろう?

    人生の喜怒哀楽をくぐり抜けた後で生まれた自分の分身か、飄々としてすべてを見通す高次の存在か、それとも守護霊?

    平凡だけど味のある、やっぱりこんなジイサンになりたいなあ。

    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 年寄りの世間からの疎外感が切なく伝わってくる話。

    ジイサンはまだまだ現役のつもりなのに、周りはすっかり年寄り邪魔者扱い。お友達の老夫婦の自殺の話も辛い。母から年齢に対する世間の接し方の話などを聞いているから、自分の将来に照らし合わせて考えると怖いとさえも思える。

    最後は自分が猿の頭にのるようになって終わるのだけど、このラストはどうとらえていいのか・・・。全体としては暗くなくほのぼのストーリなのだけど。

  • 率直にいえば、少し物足りない終わり方でした。特に明ちゃんが恋人とどうなって絵がまるっきり変わったのかということを知りたかった。あとはラストシーンの実際に走っているところは作次の夢なのかそれとも死んでしまうところだったのかというのも不明瞭…。なので不完全燃焼感が残りますね!ただ、主人公とその周りがしっかりキャラ立ちしていて面白かった。お年寄りの意外な考えがわかって新鮮だった。

  • 歳をとってもこんなものか、という失望と希望の狭間の人間臭さ。

    波長の合う普通のお爺ちゃんほど純粋に会いたくなる人はいません、俺はね。

  • せつない話。
    でも、大好き。

  • 【あらすじ】
    頭の上に猿がいる。話しかければクーと鳴き、からかえば一人前に怒りもする。お前はいったい何者だ―。近所の仲間と茶飲み話をするだけの平凡な老後をおくっていた作次。だが、突然あらわれた猿との奇妙な「共同生活」がはじまる。きっかけは、同居する嫁にほのかな恋情を抱いたことだった…。老いのやるせなさ、そして生の哀しみと可笑しさを描く、第11回小説すばる新人賞受賞作品。

    【感想】

  • まぁまぁかなぁ

  • 人間生きていれば必ず老いる!体臭もあるし排泄物もある!しかし自分が老いたときの心境なんて全く想像つかない。祖父は物心つく前に亡くなり、祖母も一緒の暮らしたことがく、今まで身近に老人がいたことがないうちは、等身大の老人を知らない。いくら老いても男なわけで、息子のヨメを女と見てしまい、ゴムを買ってはみたがもう自分の一物は勃つことはなく伸びきったまま。頭の上に猿が見えるのも、痴呆の始まりなのかと不安になる。気をつけていることは尿意を感じたらすぐトイレ。失禁をしないこと・・。一緒に住む女の匂いに敏感になっている様子や、自分の臭いを気にする様子など、まさに生きている老人の姿が書かれている。作次さんは、明ちゃんが描く絵の赤色の違いで悩み事があるのかと気づいたり、京子さんの悩み事にも優しい気遣いをする。自分が建てた家なのに息子に二階に上がるなと言われれば素直に従ってしまったり、台所にあるものも気を遣って好きに使えない。そんな作次さんが哀しくて滑稽で愛おしい。

  • 頭の上に猿がのってる爺さん。自分にしか見えない猿。息子夫婦と同居の爺さん。なるほど、なるほど。

  • 【解説】 吉田伸子

  • このジイサン、ふつうのいいジイサン(涙)。哀愁感すら感じます。

  • 友達にこの本を見せたら、「シュールなの読んでるねカフカとか好きなの?」と言われた。そこまでシュールではないものの、老いをテーマにしたシュールさとユーモアの同居する作品でした。歳をかさねるということも、たぶんそんなに悪いことではないのではないか。老いに関してはなかなか笑えない状況が描かれているというのに、何故かそう感じた。

  • 池永陽のデビュー作。
    頭の上にサルがいるというユニークな設定が面白い。人生の終盤を迎えた老人の様々な悩みと葛藤を、切なくも可笑しく描いた作品。

    小説すばる新人賞受賞作。

  • 池永陽のデビュー作。
    頭の上に猿。

  • シュールで面白かったです。

  • 妻に先立たれたジイサンが主人公で、新婚のヒトリムスコ(こいつは優しくない)とそのヨメ(こっちはなかなか骨のあるヨメサン)との3人暮らしをしています。家族とジイサン仲間とのつきあいというこじんまりとした日々のお話、なのですが、ジイサンはある日自分の頭の上におサルがちょこんと座っているのに気づきます。そもそも自分の頭の上が見えるわけも無いし、ましてやおサルなんかが乗るわけがない、頭がおかしくなったのではないか、と不安になりながらも、居るものは居るんだしなぁと、割とすんなりおサルの存在を受け入れてしまい、ときには「サルよ、お前どこから来た。やっぱりサルの国か。」などと話しかけたりしてヨメに「このところ独り言が多いですよ」と言われたりします。少し哀しいような寂しいような、独特の雰囲気のある話でした。

  • 第11回小説すばる新人賞受賞作品で、吉田伸子女史の解説が邪魔な池永陽さんのデビュー作。SFやミステリやライトノベルなど複雑怪奇な物語を浴びるように育ってきた人には、いささかの味気なさを感じないでもないと思うのだけれど、さすがに賞を取ったという感じできれいな構成で読みやすいし、ちゃんと読むとほろっと泣ける。<BR>
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    それにしても、頭の上にニホンザルが乗っているというトリッキィな設定のはずなのに、あまりそれが前面にでてこないで忘れたころにすっと配置されているのには感心。サルがでてこなかったらそれ、山椒のかかっていない美味しい鰻重みたいな感じになっていたのでは。語り手の作次がなんかどんどん若返っていってるのと、村上春樹<A href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4061848925/yumemine-22" target="_blank">『ノルウェイの森』</A>のラストみたいな疾走感(失踪感か)が少し気になるとか、いらないケチを付けながらおすすめしときます。爺さんものでは本多孝好<A href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4575508039/yumemine-22" target="_blank">『MISSING』</A>の「蝉の証」という短編が秀逸なのでこちらもおすすめしたい。

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