薔薇の木 枇杷の木 檸檬の木 (集英社文庫)

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著者 : 江國香織
  • 集英社 (2003年6月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (383ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087475852

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薔薇の木 枇杷の木 檸檬の木 (集英社文庫)の感想・レビュー・書評

  • 江國香織の本はなんというか凄く清潔感がある。
    うまく言えないけれど、汚れた物やだらしない物迄、秩序の中にある感じだ。
    それは、文章の力だろうか?
    寄って、お洒落な読み物の様に見えるけれど
    そうではなく、感情を揺さぶるのに不快ではないのである。その力に私は読み進めていき、起承転結のないドラマに不満も無く、気持ちよく読み終えました。

  • 女、女、女、女、女、たまに男。
    いろんな人が交錯してそれぞれの日常がつづられる。
    どの登場人物も理解できないようでいて、ふとこういう気持ちかもと思いつくような。
    この本を読んでいると人ってみんな、ちょっと不幸で、それは自分としてはどうしようもない不幸と考えていて、ちょっと幸福、でも幸福にはあまり気づいていないんだな。
    身勝手にもいろんな形があるもんだ。

    解説を読んで初めてこれは恋愛小説だったのか!と驚く。あ、後ろにも書いてあった。「恋愛運動小説」?
    確かにいろんな形の恋愛?が出てきたけれど。
    江國香織さんの変わらないものと変わっていくものの描き方がとても好き。
    あと丁寧に家事をする描写には憧れさえある。
    陶子や綾やれいこのように家事を楽しめる女性に憧れる。
    でも実際は綾のイライラ部分に共感し、エリ子のような生き方をしてしまいそう。
    「きちんとした妻でいることが、自分にとって大事であるために。たとえば夫や息子のためにしているのであれば、きっとこんなに孤独ではないのに」
    結局、自分の思うように行動が出来るのは収入があるから?

    途中まではチクチクと棘が散りばめられていて、登場人物たちがもどかしく読み進めるのが辛かった。
    それがポロポロと皮が剥がれるように変わっていく人々が出てくる。
    たとえば陶子の本音、衿やれいこの不安、近藤の情熱。エリ子の孤独。
    その辺りからホッとして読むことができた。

    「誰かを好きになったからといって、夫をきらいになれるわけじゃないもの」
    「でも、もう二度と、夫に男性的な魅力は感じられないと思うわ」
    女性が強いお話でしたが、世の中「オタガイサマ」なことも忘れずにいたいもの。

  • 恋愛が日常茶飯事的に、誰かの心に入り込んで、誰もが主役で、そして誰もが自分勝手で。
    柔らかい言葉で描かれていて、潤いがある。

    終りのない物語。また読み返したくなる。

  • 登場人物が多くて混乱しつつも読み終わった。

    江國香織の小説はいつも、本当にこんな生活あるのかなあと思わせる。
    みんなどこか現実っぽくなくて、地に足がついていない感じでふわふわ生きている。生活感がぜんぜんないんだよな。

  • 薔薇も枇杷も檸檬も、それぞれの求める土壌や気候があって、それぞれがきれいな花を結び、実をつける。自分を生きるのに必死だけれど、周りの美しさに目を奪われては羨んでしまう。その環境では自分は生きられないことを知っているからこそ、その気持は増幅していく。
    もちろん美しい物語なんだけど、読み終わったときは悲しくなりました。

  • 表現方法がいつもお洒落な江國作品。
    ドラマ化するならトレンディードラマのイメージが強いので石田純一とか浅野ゆう子あたりが似合いそうだなって思いました。

  • 何度も読んでいます。

    読む度に視点が変わる不思議な感触。たぶんその時の自分が置かれている状況や憧れる対象が変わっているからなんだと思う。

    読んで「今の自分」を知る感じ。

    衿のように強くなりたいと思えば、陶子のようにぬるま湯にひたりたくなり、桜子のように不器用でも人を好きになってみたくなったり、草子みたいになりたいとも思う。

    さて、次に読んだときには私は誰に共感するのだろう。

  • 江國さんの本は、本当に緩やかな時間をくれる。 桜子は痛々しくてよく解らなかったけど、あとのメイン人物の気持ちは解るような気がする。でも、衿が一番好きかなぁ。

  • あぁ・・・
    色々胸が詰まる。

    幸福感にも、哀しみにも。

    江國さんは、感情の動き(始まりや終わり)や、表情を何てうまく表現する方なんだろうと、つくづく思う。


    中でも、近藤慎一の言葉が好きだった。
    “感受性の近さには幸福になる”
    “彼女と話しているときの自分が本当の自分だということ。彼女に会う「正しい時間」があれば、ほかの時間もちゃんとこなすことができる、そんなふうに思う。”

  • 何回も読み返しては楽しんでいます。この本を読むと、日常の
    細やかなところに目が向きます。窓や靴が汚れているのが
    気になったり、たばこの煙を目で追ったり・・・。そういう、
    些細なことに意識が向いていく感じがすごい好きです。
    この本には、たくさんの人物が登場します。1回読んだだけでは
    登場人物の個性や人物関係が把握しにくいかもしれませんが、
    読めば読むほどに登場人物に味が出てきます。
    個人的には江國さんの小説のなかでは最高傑作だと思います。

  • 江國さんの小説の中でも、すごく好き。
    恋愛あるいはそれに堕ちた人の愚かさ、素晴らしさを改めて感じた

  • 毎日少しずつ読むのにうってつけでした。登場人物それぞれがどのような着地点を見つけるのか、追える喜びがありました。噛み合わない歯車をそれでも回し続けるような結婚生活を、始めるのも続けるのも終わらせるのも心なのだとしんみりします。衿が大好きでした。

  • 登場人物がやたら多い物語 表と裏ってこんなに違うと思った けど最後はスカッとしました

  • たくさんの登場人物とたくさんの恋。
    結婚が何の儀式なのか、何のためにすることなのかよくわからなくなる。
    一緒に生活する人がいるって幸せなことだと思うんだけどな。

  • 登場人物が多くて最初は混乱してたけど、読み進めていくうちにその点はわりとすんなり解消した。
    一人一人が色んな恋をしていて、自由奔放で気まぐれだったり女ぐせが悪かったり、かと思いきや超一途だったりひとつの恋に執着して失敗したり、世の中にある恋の形がこの作品には凝縮されてるような気がする。最後の解説にある江國さんの「恋は一点突破」ってセリフを見て、あーその捉え方が顕著に現れてるなーと妙に納得した
    個人的には桜子にイラっとするところがあったけど、それはちょっとした同族嫌悪かもなぁ...頑固なところとか後先考えずに行動するところとか笑
    どのキャラにも少しずつだけど共感できるところが見い出せて、なんだか心に残る作品になりそう

  • 感情的で自己中心的な女性心理と身勝手で勝手気ままな男性心理を様々なタイプの結婚の男女のかたちで書かれている。それぞれの木がそれぞれの女性のタイプ別に描かれている事が最後にわかった。

  • 2回読みました。
    1回目は桜子が本当に嫌いだった記憶があるけど今回は土屋が1番嫌だった。
    登場人物が多い分、その時の気持ちで1番好きな人と嫌いな人が決まるのは楽しい。
    でもやっぱりエミ子が好き。

  • 登場人物がとても多い作品なのに、ひとりひとりの強さと弱さが丁寧に描かれていて、すき。


    生きる中で人が、これがだいじ、と思うことの
    違いが見えて面白かった。

  • 現実世界ではサトラレでもない限り、周りの人の本当の感情は分からない。自分で想像するしかない。けれどこの小説は身の回りにいそうな、いなさそうな、そんな人々の本音を覗き見ることができる。そんなところが好き。
    江國香織さんの本は冷静と情熱のあいだ、以外読んだことがなくて、ほぼ初めてだったけど、
    女性のリアルな葛藤や本音が、引き出されていて
    分かるわぁーって頷きながら読んだ。笑
    他の作品も読んでみたい!

  • 登場人物が多く、視点もすぐに変わる。視点が変わるときのほとんどは段落替えになっているけれど、ちょうどページの切れ目で段落替えされることが多い。そのため、段落替えに気づかず視点が飛ぶといった形になり読みにくい。また読点とダッシュが多く、一文が長い。「そうでなければ先週も歯医者のあの狭い待合室で近藤に会っていただろうし、この前の日曜日にたまたまいきなり草子が訪ねてきて、道子に訪ねた帰りだというのにもおどろいたが、それ以上に草子がめずらしく昔みたいにーー昔、というのは陶子が水沼と結婚する前、姉妹が四六時中一緒に遊んでいた頃という意味だったがーー、陶子に対して自分のことを喋ったのにおどろき、ついいそいそと早めに夕食の準備をし、休日出勤していた水沼を待たずに草子と二人でそれを食べたりして、結局クロの散歩は夜になってから、帰っていく草子を送りがてらということになったのだが、それでもこれほどーーたかが犬の散歩にいくのにーー気おくれはしなかっただろうと思うのだ。」これで一文。これを自然に読める読者が凄いと思う。
    子供特有の支離滅裂な話はとても上手い。

  • 9人の女たちの話。登場人物が多く最初は「相関図がほしい…!」と思いましたが、読み進めていくうちにそれぞれの女性とその関係者が少しずつつながっていく感じがなんともおもしろい。
    浮気する者、される者、家庭を持つ者、持たない者、さまざまな日常が描かれる。
    土屋さんのたらしっぷりはとてもツボ。

  • 久々の江國作品も、相変わらず言葉がほんとうにうつくしくて、うつくしくて。
    解説が唯川さんだったのも嬉しかったなあ。

    登場人物達に、自分自身の考えや経験を重ねたり、重ねなかったり。
    衿のこのあとだけが気になるなあ。

    文章自体はやや長く感じるかなあ。テンポよくするすると読めるお話ではない。
    2015.12.22

  • なんとなくタイトルに惹かれて、どんなテーマの本なのかもよくわからず読み始めました。結局テーマは恋愛なんですかね。登場人物が多く半分くらいまでは誰が何でどんな関係になっているのかよくわららず、段々掴めて来たからおもそりく、先が楽しみになってきました。短いシーンが多数集まってできたような本なので合間の時間にちょろちょろ読むと楽しい。でもそれだけか。暇つぶしには良い本だと思います。

  • どの女にも、女ならうなずける何かがある。
    わかっていてもやってしまうこと。
    わかっていてもできないことたち。

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薔薇の木 枇杷の木 檸檬の木 (集英社文庫)の作品紹介

情熱。ため息。絶望…でも、やっぱりまた誰かを好きになってしまう!恋愛は世界を循環するエネルギー。日常というフィールドを舞台に、かろやかに、大胆に、きょうも恋をする女たち。主婦。フラワーショップのオーナー、モデル、OL、編集者…etc.9人の女性たちの恋と、愛と、情事とを、ソフィスティケイトされたタッチで描く「恋愛運動小説」。

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