- Amazon.co.jp ・本 (760ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087476880
作品紹介・あらすじ
「フォギー」ことジャズ・ピアニストの池永希梨子は演奏中に不思議な感覚にとらわれた。柱の陰に誰かいる…。それが、時空を超える大冒険旅行の始まりだった。謎の音階が引き起こす超常現象に導かれ、フォギーはナチス支配下、1944年のドイツへとタイムスリップしてしまう-。めくるめく物語とジャズの魅力に満ちた、ファンタジー巨編。山下洋輔作曲のオリジナルテーマ曲楽譜も特別収録。
感想・レビュー・書評
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途中のフィボナッチ数列だとか、カラヤンだとか、宇宙オルガンだとか何とかがどうでも良くなるくらい、最後の演奏シーンに感激しました(少し、涙が出るくらい)。
この小説はジャズだ。間違いなく。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
すっごくおもしろかった、読んでて幸せ、読み終わっても幸せな感じ。これぞ、小説という感じ。ミステリ、歴史、ファンタジー、冒険、SF、ロマンス、哲学、宗教などすべてがつまっているし、場面ごとの雰囲気もすごく動きがあったり、静謐だったり、ほのぼのだったり。そしてとにかく主人公の36歳ジャズピアニスト、フォギーがものすごーく魅力的でファンになった!自分ツッコミが多いし、一見、浮ついているみたいだけど実は繊細で、柔軟性があって前向きで、いい人で、考えが深くて。ジャズの即興演奏は他人を受け入れることだ、とか、他人のために祈ること、とか、深く感じ入って共感するところがたっくさんあった。相棒の佐知子ちゃんもすごくキュートで魅力的。こんな友達とか後輩がいたらいいなあと。このコンビと霧子の隠れ家生活のあたりなんていつまでも読んでいたいくらいだった。この小説、難しそうでかたそうで男っぽく見えて絶対損してると思うんだけど。もっとずっとやわらかくて楽しくて、絶対女子向けなのに!最後のオプショナルのような章も、これぞSFの幸せ!って感じ。ジャズに興味が出てきたり。フォギーと佐知子ちゃんが活躍する続編なんて出ないかなあ!!!
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ジャズ好きと世界史好きにはおもしろいファンタジー設定。
最後のチュニジアはイントロが思い浮かぶんだから大した表現だ。 -
本を読む機会が減っていた事もあり、はじめは読み進めるのがかなり大変で…面白いのだけど、説明を1から10まで読むのが辛かった…
でも一旦波に乗ってからは、ザクザク読み進めてあっという間に読了!ジャズ詳しくなくても音楽好きなら胸踊る楽しい部分もあり、色んな話をまとめあげててびっくりしました。ご本人もかなりの演奏家らしい、納得。フォギー素敵。 -
簡単に言うと二人の女性(女の子?)が1944年のドイツにタイムスリップして、そこで右も左も分からない中で猫やピアノと格闘しながら宇宙の真理や祖母の秘密を探る話。軽妙、不可思議、神秘的!
ジャズのCDをゆるくかけながら読むのにふさわしい本だった。勢いがあり弾けて流れるように続くユーモア溢れる文章、がむしゃらに前向きに進むフォギーと佐知子ちゃん、時代も場所も入り乱れて最後には宇宙(!)のエネルギーを集めた音楽の話に進み、不思議で大人ウキウキした感じの気分になれる。
それにしても、この題名はどういう意味だったのだ? -
過去から来たピアニストと、過去に行ったジャズピアニストの物語。
最後のセッションのシーンはすごかった。 -
この本、知ってたらもっと早く読みたかった!女性ジャズピアニストが、戦火のベルリンに留学していたピアニストの祖母の足跡を辿る話。タイムトラベルやら幻視やらあってついていけない部分も多かったが、おもしろかった。「シューマンの指」でこの人の音楽描写はすごいなぁと思っていたけど、こちらはジャズも出てくる!あれこれ聴きたくなる。
語りのメインをなしているヒロインのジャズピアニストの意識の流れというのか、ボヤキ(笑)がものすごく現実的で生活感にまみれているのが、神秘主義だの幻視だのとくっきりコントラストをなしているのがいい。
もっと早く読みたかったというのは、この中に出てくる「フォギーズ・ムード」という曲を山下洋輔が実際に作曲、著者の公式サイトで聴ける…という話だが現在はリンク切れしてるのが残念でならない。
この小説における「現代」は、それほど昔でもないのに(90年代かな?)、インターネットもケータイもない時代で、それもまた新鮮だった。 -
ジャズ好きにはたまらない本です。
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2回目だけどやっぱりおもしろい。フォギーがいい。