娼年 (集英社文庫)

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著者 : 石田衣良
  • 集英社 (2004年5月20日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087476941

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娼年 (集英社文庫)の感想・レビュー・書評

  • 石田衣良さんの中で一番好きな本。

    ちょっと描写がすごいけど
    切なくて優しい!

  • 気がつけば読み終わっていた感じです。
    とても細やかで美しい表現が散りばめられていて、ひとつひとつのシーンや登場人物を想像しながら大切に読みました。
    性の描写はたくさん出てきますが、とてもさらっとしていて自由な感じがしました。
    全体的にやさしい雰囲気の漂う物語で、わたしは好きです。

  • 「記憶のようにむこう側が歪んで見える氷のブロック」という表現が好きです。なるほど、と納得しました。

  • 石田衣良の文章ってすごいなぁ、と思った本でした。
    なぜかものすごく印象深かったのが、はじめの方でリョウが氷をペティナイフで削っているシーンの描写。
    室温のバターという表現がなんだかすごく好きでした。
    やさしくて繊細で、意識しなくても光景が脳裏に滑り込んでくるような文章で、こんな文が書ける人ってほんとに少ないとおもいます。
    大学生のリョウが、娼夫として働くうち、女性の欲望の深さや多様さ、魅力を知り、成長して行く話。
    でも、安易に綺麗な話としてまとめるんじゃないところが好きでした。
    そうはいっても身体を売る仕事は、こんなふうにお話にできるほど綺麗なものではないんだろうけど、フィクションとしてこれはこれでありだな、と。
    とにかく文章の心地良さに浸れた一冊でした。

  • 内容は過激だけど、決してそこだけ悪目立ちすることなく、面白く読みました。

    人が持つ、様々な欲望…マイノリティと思っていることでも、実は多くの人が内面に抱えているのかもしれないなあと思ったり。
    欲望に対して貪欲に、素直にいられるのなら、歳をとるのも悪くないなあなんて思う。

    主人公のリョウ、素敵な男の子でした。

  • ひとりの男の子(といっても20前後だけど)が、いろんな女性との出会いの中で、女性の神秘について真摯に、探ってい行こうとする、その透明なまなざしがすごく新鮮でした。

    セックスについての考察が多いのに、ちっともいやらしくないというか。

    その人の趣味や嗜好や生き方を、「そういう考え方もあるね。そうだね」と自然に寄り添って、否定しないやり方というか。

    石田さんはそういう考え方ができる人なんだな、って他の作品を観てても思う。

  • 言葉使い!
    言葉の選び方!

    なんだろ、難しい言葉ってより
    身近で簡単な言葉のはずなのに
    耳障りがよく、綺麗に聞こえる

    すっごく「エロい」ところも
    石田さんの描写だと
    なんか違った形で引き込まれる

    あっという間に読んでしまったんだけど
    なんかすっごい引き込まれて
    違う世界のように感じているけど
    でもなんか、自分について考える
    そんなきっかけになった気がする

    なんだろ

    もう一回読みたいって
    久しぶりに思った

  • 石田衣良さんにはまったきっかけの本

    男の人が書いたと思えないくらい、素敵な色気のある文章。
    やらしさというよりはエロスを感じました。
    私の好きな大人の世界で、主人公たちの年齢的にも成長の最終団塊っぽくて好きです。

    あーこういう本ほかにないかな!

  • 特殊性癖がたくさん出てくるので、好き嫌いは分かれるかもしれませんが、
    健全?に生きて真っ当なことを言っているメグミよりも社会的には大手を振って歩ける訳ではない咲良やアズマの方が人を否定しないというのがすごく等身大だと思ったし、読み終わったあと穏やかな気持ちになれた。続編もあるようなのでそれも読みたい。

  • 娼夫が主人公なのに嫌らしさを感じさせない文体が好印象で、最後まで一気に読み進めました。ただ、なにか物足りなさを感じて★三つ
    他の著書も読んでみたいと思いました。

  • 官能小説かってくらいの性描写があるが
    いやらしさはない。

    性の欲望、性癖は人それぞれ。
    この年になるとそれはもう…
    ある程度は経験し見ても来ている。

    だから驚きはしないが
    自分のプレイと照らし合わせたりとか…
    そんな感じのはあった(笑)

    変態だとか言わずに
    性にちゃんと向き合っている作品で
    ダブーも必要悪のように描いている。

    面白いと言うような作品とは違うけど
    性を描いているだけに一気読みは出来た。
    ま~スケベって事か?(笑)

  • どこか冷めた人生観を持つ大学生が、ひょんなことから男娼として才能を開花させていく話。主人公の容姿についての説明があまりないので、恐らくそのあたりはそれぞれ読む人の好みのイメージになるようにしているのかな。ただ、性質は特徴的で、本人は「普通」と考えているが、年上の女性たちに対する偏見のなさ、抵抗感のなさ、ありのままの性癖を受け入れる度量は常人離れしている。こんな人本当にいるのかな〜と思いつつ、そういう人って素敵だろうな、と思った。

  • ☆3.5くらいです。
    あらすじが気になって読みました。

    確かにリョウの言いたいことが分かる部分もあるし、女性の不思議だとか魅力だとか、もしくは理解出来ないところだとか、そんなものが描かれていてただの官能小説では無かったとは思います。
    ドロドロよりはサラサラ。

    かと言って読み終わった時にカタルシスが得られるかと言えばそうでもなく。
    このお話は「逝年」に続くそうなので、そちらも読んでからあらためて感想を書きたいです。

  • ジャケ買いでしたが意外に楽しめました。女性に多様な楽しみ方があるように、男性にもいろんな人がいると思うのだが・・。今の時代に女性・男性なんて分け方も古いのだけれど。

  • 生きることに楽しさを見いだせない主人公リョウがひょんなことから 体を売ることに。男だから 娼年。
    20代から70代までの女性が顧客。女は死ぬまで女だとゆう言葉はよく聞くけど 私は何歳までセックスしたいのだろう。怖くなりました。男は だって立たなくなるから自然にできなくなるわけで.....でも女はねぇ...できるじゃない(笑)
    笑うストーリーではないけど 70歳のばぁちゃんが主人公と手をつないでるだけで2回イッちゃって、 エレベーター乗ってる間にもう1回いって さらにセックス2発....
    手つないだだけで イケちゃうとか ..... 達人すぎだろ!

    体を売るお話だけど全然 生々しくなくて 体を売る主人公が とても輝いて見えました。
    男からのセックス心理は勉強になります。

  • 初石田衣良さん。
    何と正当化しても、最終的に違法なことをしていると思ってしまい、この話自体があまり理解できなかった。
    もうちょっと頭を柔らかくして再度読み返したい。

  • いち女子大生として、セックスとか性とかそういうものをテーマにしたもの、それを匂わせるタイトルのものを買うのには勇気がいる。(とかいいつつ衣良さんの「sex」を買っているからあれなんだけど。)でも、恥ずかしいとかそんな理由でこの本を読まないというのはもったいなさすぎる。他の作品にも通ずるところだけれど、衣良さんの性描写にはいやらしさがない。作品を通じて、どこまでも透明なのである。

    売春や買春が孕むイケナイ匂い。社会的にはそれはどこまでもイケナイことだ、と教えられてきたわたしは今まで疑うことなしに体を売り買いすることの悪を信じていた。けれどこの作品を読んでいる間、セックスを商品とすることがイケナイことではなく、寧ろ素敵なことのようにさえ思えた。本を閉じてしまえばやっぱり売春は悪なのだけれど。官能的ではなく、どこまでも透明な作品に仕上がったのはやっぱり衣良さんの成せる技なのではないだろうか。

  • 私の記憶が正しければ、石田衣良の作品で一番最初に手にとったもの。

    最初は、タイトル買いと言ってもおかしくなかったけど、最後は、こんなにも人間という生き物を繊細に描ける能力に圧倒されたのを覚えている。

    内容も、艶っぽいけどどこかさみしく、どこか切ない。
    氷の彫刻のような作品。

  • すりガラスのよう。
    透明感がありつつ、ぼやっとにじんで、どこか暖かい。
    際どいテーマや表現もあるのに、そう思わせるのはこの人のすごさなのかな。

    解説にもあるようにストーリーを追うものではない。
    仕事は才能があるのでとんとん拍子だし、オチも読めるし。

    どんなに歪んでいても(作品中の言葉では「配線がこんがらがっている」)暖かく、優しく受け容れてくれるリョウ。
    自分から見たらファンタジー小説だと思った。
    逝年も読むつもり。

  • そんなにエロくもなく期待はずれ(笑)。出てくる人物がどうも嘘くさい。最後も「?」。・・・・正直つまらなかった。この作家ってそんなに売れてるのなぜだろう。

  • 性的な事は精神面にも繋がっているよね。

  • 自分の体は、自分で設計したわけじゃなく、本能に振り回されるって言葉が印象的でした。仕事とかいくらうまくいっても、結局は人を好きになったときの感情だったり、好きな人と抱き合っているときの幸せな気持ちには勝てるものはないと思いました。

  • 「風俗」や「売春」と聞いて目くじらを立てる人には
    一生理解できないであろう物語。
    ていうか石田さん、何者??

    複数での性行為、排泄によるエクスタシー、
    同性愛、骨を折るほどのマゾヒズム…

    人間の、女性の欲望と寂寥感をこれでもかと描き出し、
    綺麗な文章でまとめていくテクニック。脱帽です。


    ----------------------------

    「『ふたりですれば素敵なことを、あなたはいつもひとりでしている。退屈になるのも無理ないな。(中略)まず女性やセックスを退屈だなんて思うのをやめなさい。人間は探しているものしか見つけない』」

    「『綺麗な顔や上手なセックスだけが、女を惹きつけるとでも思ってるの?あなたのいつも難しそうな顔をして悩んでいるところも、ほかの人から見ると魅力的だったりする。自分で意識してる魅力なんて底の浅いものよ』」

    「年の差はたぶん十五歳プラスマイナス2。こどものころから大人の女性が好きだったぼくには、障害にならない数字だ。なぜ彼女たちは年上であることを罪のように感じるのだろうか。そちらのほうが長いあいだぼくの不思議だ」

    「ものを手にいれるより女性を満たす手助けをするほうが、ぼくにはずっとおもしろかった。どんなに効果なプライスタグがついていても、ブランド品など問題にならない。あれは結局、ほんとうは自分には勝ちがないのだと思っている人がほしがる勲章だ」

    「『ほんとうは自分の問題ではないことで悩み、自分の考えでも価値観でもないことで人を裁く人間が、この世界にはたくさんいる。ぼくはそういうの嫌になるくらい見てきたんだ』」

    「ぼくたちは自分が設計したわけでもない肉体の、ごくわずかな部分に振りまわされて一生をすごす。過剰な欲望をもつ人は生涯を檻のなかで送ることもあるだろう。それほど極端でなくても、平均的な欲望のもち主でさえ長くはない人生の何万時間かをセックスについて空想し、無駄に潰してしまう。(中略)この世界の途方もないフクザツさと同じだけの深さが、ただのセックスにあるのだという事実が、その夜ぼくを圧倒していた。」


    ----------------------------


    純愛や倫理を口で語るのは簡単でも、
    それだけでは決して満たされることのない
    スキマが人には存在するのもまた事実。

    男女の仲に正しさなんてないけど、
    最後のシーンで示唆されている石田の哲学は興味深いです。
    (ネタバレなので書きませんが)

    オススメ図書。夏にね。なんとなく。

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娼年 (集英社文庫)の作品紹介

恋愛にも大学生活にも退屈し、うつろな毎日を過ごしていたリョウ、二十歳。だが、バイト先のバーにあらわれた、会員制ボーイズクラブのオーナー・御堂静香から誘われ、とまどいながらも「娼夫」の仕事をはじめる。やがてリョウは、さまざまな女性のなかにひそむ、欲望の不思議に魅せられていく…。いくつものベッドで過ごした、ひと夏の光と影を鮮烈に描きだす、長編恋愛小説。

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