パンの鳴る海、緋の舞う空 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 67
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087477481

作品紹介・あらすじ

「スティールドラム(パン)が好きな男性募集」NYの新聞にそんな恋人募集の個人広告が載る。広告を出したのは作詞家マヤ。電話をかけたのは地下鉄車掌グレゴリー。埋めがたい心の穴を抱える二人は、電話だけの付き合いを続けるうちに心を許し合っていく。やがてパンの故郷トリニダッド・トバゴで会う約束を交すが-。傷を抱えた男女の切なく激しい恋の行方は?第11回小説すばる新人賞受賞作。

感想・レビュー・書評

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  • 書店で平積みになっていて、タイトルに惹かれたので借りた。うーん…私には合わなかったかな。全然内容が入ってこなくて斜め読み。恋愛小説ってどうにも苦手だ…。2012/047

  • 不思議な世界観だったな・・・

    スチールパンの音色が、私の頭の中で鳴り響いてる。
    そんな鮮やかな描写が、
    「彼女らしいな」
    と納得させられてしまう。

    だから、不思議なんだ。

  • ここ数年気になっていて、少しずつ読んでいる野中ともそさん。古本屋で見かけてふと購入。先ほど読了。
    やっぱり語り方が独特なのだよなぁ、と思う。どこがどう、といえないのだけど(そして文字から目が離れたとたん、その感覚はするりと逃げてしまうのだけど)、ぐにゃりとゆがんだ何かがあって、そしてそのゆがみがどこか心地好い。何なんだろうなぁ、と思いつつ解説を読んで、「色」の話が少し腑に落ちた。色彩の裏側に手をのばしているからなのかしら。
    「カチューシャ」をまた読みたい。

  • とにかく鮮やか!!!

    NYとトリニッダ・トバコの映像。
    鳴り響くパンの音。
    飛び立つ鳥たちの姿。

    それらのすべてが
    鮮明に浮かび上がる。


    『チェリー』とは異なる、大人の恋愛。


    どきどきしたー。

  • 野中さんの作品は、画になりすぎる!!鮮やかな描写に胸に迫る切ない想いは、全身を熱くさせてくれます。
    最初の2章でかなり落ち込ませてくれて(それ程心を裂くような共鳴を感じさせてくれる)、その後の3,4で揺さぶってくれます…良い方にも悪い方にも。
    でも、最後の「笑顔」ではにかまずにはいられない!!
    映画を観た訳でもないのに、そのラストシーンが画でリフレインする。お気に入りの作品です。

  • 日本の生活に疲れNYで独り暮らしをするマヤは、新聞広告を通じて地下鉄の車掌をする黒人グレゴリーと知り合います。ふたりはともに恋多き大人の男と女。友達もいてもいて、それなりに楽しい日々を送っているはずでした。けれど、そんなふたりの胸には、ぽっかり風穴が開いていたのです。孤独、喪失、倦怠、惰性、不安・・・流されるように生きてきたふたりが惹かれあったのは、心に同じような傷を負っていたから?電話の声だけしか知らなかったマヤとグレゴリーは、束の間の休暇を利用して、カリブのトリニダッド・ドバコ島で会うことを約束します。運よく出逢えればOK、会えなければそれまで。。。。。アフリカ系アメリカ人の男と、遠く母国を離れて異国の地で暮らす日本人女性。カリブの海と素朴な人々の島の生活。耳に心地よいカリビアン音楽。異国情緒とカーニバルの熱気。非日常的な空間で、真摯に向き合ったふたりの恋の行方は・・・・・。
    ちなみに、?パン?というのはスティールドラムのこと、?緋の舞う〜?とは真紅の羽をもつスカーレット・アイビスというトリニダードの国鳥のことを指しています。色彩、音、香り、肌触り等など、五感を刺激される小説でした。

  • この人の本を読んでいる時に
    頭に浮かぶ映像が好き。

    恋愛小説には限界があって
    好みがいろいろあると思う。
    物語そのものではなく、
    頭に浮かんだ只ひとつの映像が強烈で
    ながく覚えていることになる。

  • チャラ男

  • しょっぱなが<宇宙でいちばんあかるい屋根>とテイスト違いすぎて,最初はちょっとだけとっつきにくかった.
    まあ出版順としてはこっちが先なんだけどさ.
    展開の巧みさはこの頃からなのね.

    そして個人的には解説が大ヒット.いい解説だー.

  • 10/1

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著者プロフィール

作家、イラストレーター。ニューヨーク在住。98年「パンの鳴る海、緋の舞う空」で小説すばる新人賞受賞。主な著書に『フラグラーの海上鉄道』『宇宙でいちばんあかるい屋根』『カチューシャ』『世界のはてのレゲエ・バー』『おどりば金魚』『チェリー』『犬のうなじ』『ぴしゃんちゃん』『鴨とぶ空の、プレスリー』『海鳴屋楽団、空をいく』『つまのつもり』など。

「2016年 『虹の巣 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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