うたかた 下 (集英社文庫 わ 1-25)

著者 : 渡辺淳一

• 集英社 (1996年10月1日発売)

感想・レビュー・書評

[ninzinjuiceさんの感想 · 2012年6月10日]

「ともに家庭をもち、家族を抱えている場合には、相手の生活にあまり深入りせず、
　逢っているその一瞬だけを大切にするべきである。」
きれいごとだけを並べた小説ではある。
不倫であればもっとドロドロとしたものが現実にはある。
それを描かずに終わっているところが純愛なのであろうか？
いまひとつ人間臭さが感じられない。
この二人は心中するのか、世間の波に翻弄されるのだろうか？
うたかたのごとく・・。

著者プロフィール

1933年北海道生まれ。札幌医科大学卒。1970年『光と影』で直木賞。80年『遠き落日』『長崎ロシア遊女館』で吉川英治文学賞受賞。2003年には菊池寛賞を受賞。著書は『失楽園』『鈍感力』など多数。2014年没。

「2021年 『いのちを守る 医療時代小説傑作選』 で使われていた紹介文から引用しています。」