えりも岬の母さん医師 (集英社文庫)

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著者 : 鈴木陽子
  • 集英社 (1998年6月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (217ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087488029

えりも岬の母さん医師 (集英社文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 一番印象に残ったところは、鈴木さんがえりも診療所にいたときに事務員から受けた様々な圧力についての記述。

    当時役場から出向いてきた事務員が診療所をしきっていた。彼は自分の業績をあげようと医師にいろいろと圧力をかける。点数をかせぐために検査や投薬の内容にまで指示を出していた。予算の分配も彼の一存で決まっていたようだ。これでは、他に職場がいくらでもある医師なら次々とやめていくのも当然だ。事務員自身は、やめれば次の医師を見つければいい、という気持ちでいたのだろう。しかし、次々と主治医が変るというのは、患者さんに不幸である。

    彼女はこれを辺地医療の問題点として記載している。小さな町村では、一極集中になりやすく、理不尽なことがまかり通る例だということだろうか。個人的には辺地医療の問題点の特殊な一例のように感じるが、それともこのような事務員が多いのだろうか。

    特定の個人に絶対の力があり、検査の仕方も指示されるような場合は、診療所でなくても多々あるだろう(私立病院などでは院長の方針が絶対のところも多いのではないか)と思うので、一概に辺地医療の問題とはいえないような気もする。だが、事務員という医療とは無関係の人(そして経営者ですらない、只の出先の人)がここまで威張ることができるというのは辺地の特徴なのかもしれない。

    しかしとにかく、「どんなに条件が悪く、休日のまったく保証されないところでもいい。この事務員に使われるよりはいい」と思うようになるのだから、鈴木さんが感じた苦痛は相当である。(息子さんの病気を軽く扱われたことを筆頭に、たくさんの要素が積み重なったのだろう)

    鈴木さんの場合は、辞意表明を出したところ、町長さんら「のサポートが得られ、その後もとどまることに決めるのだが。

    小さいコミュニィティでおいつめられたら外に助けを、アドバイスを求めること、とにかく何らかのアクションを起こすことが大事だ。現状が異常であることすら感知できなくなってしまってからでは遅いのだから。

  • 専業主婦の平凡な奥さんが、医者になって、えりも岬の診療所に単身赴任する話。

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