新撰組局長首座 芹沢 鴨 (集英社文庫)

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  • 集英社
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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087488418

感想・レビュー・書評

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  • 新撰組局長首座の地位にありながら、近藤勇ら試衛館派に粛清された芹沢鴨。新撰組を描いたドラマなどではもっぱら乱暴者の悪役として扱われる。だが本書における鴨は放蕩無頼ではあるが、学識があり、自己の信念に忠実かつ純粋な人間に描写されている。神道無念流の免許皆伝の腕前で、竹刀剣術に飽きたらず人斬りに熟達、多数との斬り合いにも臆するところがない。彼の剣術のこだわりは随所でうかがえる。

    物語は桜田門外の変の翌年、1861年からはじまる。鴨三十半ばにして、攘夷志士の集団・水戸誠心方三百人の頭であった。本書前半は通説に基づいた水戸時代のさまざまなエピソードを織り込む。その後、浪士組に加入して京に向かい、新撰組結成にいたる仕儀となる。本作で際立っているのが官能小説と見紛うばかりの濡れ場の多さである。本書の鴨はいい女をみれば抱きたくなる好色家で、その対象は通りすがりの女にも及ぶ。まっすぐに「やらせてくれ」といった調子で奔放不羈そのもの。だがコトが終わると女はもうメロメロ。まさに快男児。最期は大胆不敵なふるまいと、数々の乱暴狼藉が会津の逆鱗に触れて粛清されるが、近藤も土方も最後まで彼の死を惜しんだ。

  • 新撰組初代局長である芹沢鴨の生涯。水戸藩の藩士だった頃から土方達に討たれるまでが書かれている。

    新撰組を題材にした小説や漫画を色々と読み、芹沢鴨はいったい何がしたかっただろうと思い、芹沢が主役の小説を探してこれに行き着きました。
    道場剣法ではなく、人を斬ることに優れた偉丈夫の男。感情のままに振舞ったかに思われる粗暴さの裏の計算高さ。己はどの道を進めばいいのか迷う芹沢の姿を追うほどに、私がなんとなく抱いていたイメージが形になりました。
    根は善人なのだと、共に過ごすほどに親しみを覚えていく土方の姿がしっくりきました。新見との交友もよかった。

    ただ、この作家さんは初めて読んだのですが、とにかくエロい!人を斬るたびに芹沢が女を求めるので次から次へと濡れ場が…。通勤途中だったので思わず周囲に目を遣ってしまった(汗)。とはいえ斬り合いの描写は芹沢の圧倒的な力が感じられて面白かった。

  • 【紹介文】

    新撰組の初代局長首座 芹沢鴨 にスポットを当てた小説。

    新撰組を題材にした作品の多くは、芹沢鴨を極悪人として描いている。
    しかし、本当にそのような人物だったのか・・・?

    粗暴で突拍子も無い行動が多くも、味のある人物として描かれた芹沢鴨を、
    史実と照らし合わせつつも、固定されたイメージとは別解釈で綴った1冊。



    【私にとってのこの本】

    ――・・・芹沢鴨。

    新撰組の中では 今のところ一番興味がある人物です。
    なにやら人物像が、作品によってバラバラで 全くつかめないキャラだなぁと。

    彼にまつわる悪行エピソードには、「後に創作された可能がある」と
    注釈が添えられているものが多々あったり、
    名前からして、本名だというものと そうじゃないというものと・・・。

    一体、どんなヤツなんだよ・・・!

    と思って、調べているときに買った1冊です。

    まあ、小説ですので 歴史的信憑性のほどはさておき、
    何を信念として戦うのか、確固たるものをもつ人々の抗争の中で
    どの考えにも心底同意することが出来ずに生きる
    人間臭い 『芹沢鴨』 が描かれているんじゃないかなと思います。

    幕末物にしては、ちょっとまったりと進行する小説でした。

    しかし、異様に濡れ場がおおいんですよね・・・。
    芹沢鴨のモテ加減(女遊び加減)を強調したいのか、
    相手を代えての濡れ場描写が作中に何度も出てきます。
    それはそれでもいいんですけど、
    濡れ場中に芹沢の政治的な考えの独白などが出てきたりするので
    読み飛ばすのもなんだかなぁ・・・ と、一応読むのですが・・・
    作中の芹沢の女に対しての考え方が私とは合わないので、
    微妙に読み疲れしてしまいました。

    このあたりは好みですかね・・・。
    現代の女性には、この鴨の考え方は 好みが極端に分かれるところだと思います。

    そんなこんなで、私的評価は星3つ。


    ところでどなた様か、芹沢鴨について調べるのに
    良い本やサイトはご存じないですかね・・・。

  • 掘り下げる意味でも前振りが長いのがこの手の人物者にありがちな小説。
    そして官能小説ばりにエロい。とにかく芹沢は押し当てるの得意のようだ。

  • <作品紹介>
    神道無念流を極めたその剣の腕は、近藤勇、土方歳三も恐れた!文久3年、浪士隊に加わって上洛、新撰組初代局長となりながら、無頼の限りを尽くした男、芹沢鴨の凄絶な生涯。(解説・細谷正充)

  • エロいエロい!マジエロいよ。新撰組がでるのはかなり後半。芹沢が主役なだけあって、かなりかっこよく良い人にかいてた。それにしても本当に近藤さんは影が薄いキャラばっかだ。土方さんがちょっとだけ目立ってたけど完全に悪役だった。というか惨め??小説としてはかなりおもしろい。近藤、土方視点の小説があったらいいのに

  • 局長首座、といっても、新選組の歴史の中ではけして長い時間ではなかったはず。
    そんな芹沢鴨についての一冊。面白かった。

  • 初版本

  • 謎の多い男芹沢鴨を描いた作品。これを読むとまた違う視点から新撰組を見ることができると思います!

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