都の子 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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感想 : 108
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087488784

感想・レビュー・書評

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  • 今日は本当は違う本のレビューをしようと思っていたのですが、たまたま昨日、この本を再読していて、「やっぱり江國さん、この本にも、アイスクリームとガスパチョが、でてきてる~!やっぱりお好きなんだ!」と思ったり「五月のカルピスもおいしそう!五月になったら飲みた~い!」と思ったりしていた時に、近所の人が、なんと、冬季限定のいちごカルピスを持ってきてくれて!!なんてタイムリー!!ホットで飲むとか容器にかいてありますが、急遽レビューしたくなりました。(レビューというよりただの雑文ですが)

    小さい女の子の水玉模様の服。去年のお盆休みに姪が3人泊まりに来ていて、一番下の子が水玉を着ていて、思わず「可愛いお洋服だね」と言ったら、真ん中の子に「〇〇ちゃん(私の名前)にもらったやつじゃん」と言われてしまい。
    「そうだった。確かに送った」と思いながら「えっ、そうだったっけ」と誤魔化しました。女の子の水玉模様の服は可愛いですね。私はもう着ないけど。

    『小さなオルガンのための貴重な作品集』は聴いてみたいです。

    「紅茶いれ女」もわかる。!!
    私はお正月の福袋は一度も買ったことがないけれど、今年はじめて、紅茶の福袋は「えいっ!」と買ってしまった。嬉しかった。紅茶って美しい飲み物だと私も思います。

  • 子供のころ持っていた、ハートや星の形をした小さな消しゴムを思い出した。ピンクやブルーの、かき氷のシロップみたいなはっきりして薄っぺらい色。
    あと、ピアノのレッスンのあとにもらえたキャンディ。異なる2色の正方形のものが袋に入っていた。

  • この方の本は、すごく鋭い。美しい感覚で描かれていて、部分だけを取り出せば、はっとする表現が幾度もある。なのにどうしてだろう。読み通すまでに、薄い空気の中を往くような、希薄さを感じてしまうのだ。透明で、冷たいなにか。その感覚が好きだと、ファンの方はお思いなのだろう。

    グレイッシュな空。
    雨の日の鮮やかさ。
    秋口からの、温かい紅茶の慕わしさ。
    たのしい川べの本。

    好きなものは共通している。なのに。いつも。私はこの方のご本がかなしい。さみしく痛くて、半分読んで返してしまった。キャラメルティーは温かくて美味しいのに、読み通せなかった。どこかで誰かが、ひそやかに泣いているようで。

  • 江國香織さんが30歳の頃に書かれたエッセイです。
    面白かったです。みずみずしくも、ふわふわとしていて、軽やかで。
    やっぱり、江國さんは軽やか、というのが似合います。
    「眠りと死とは、その静けさにおいてよく似ている」「『大丈夫大丈夫、外はこんなにきれいなのだから大丈夫』というような、あかるくて楽ちんな気持ち」と、素敵な言葉もたくさんありました。

  • 江國氏は心のフットワークが軽いと思う。
    好きなものが沸くように出てくる。

    音楽や詩のフレーズが出てくる。
    エッセイに、映画とか、音楽とか、
    ジャンルの括りなんて、いらなくて。

    過去にふたをせず、生きていくというのは、
    とても強くなければ、できないようにとも思う。

    その時思ったこと、感じたことを、
    写真で撮って、アルバムに収めているみたい。

    心はどこでも、好きな場所に行ける。

    この人は、そうやって、一つ一つの出来事を、
    その一瞬一瞬の光景を、心に留めているのだと思う。

    心の軌跡をなぞるだけで、いくらでも言葉が出てくる。

    きっと、目を逸らさないのだろう。
    美しいものも、醜いものも。

    きっと大切なものや、好きなものを、思いっきり、感じて
    握りしめて、心にしまって、きたのだろう。

    驚きや期待、裏切りや羨望、そういったものに蓋をして、
    なかったことにして、生きてしまうことなく。

    自分はどうだっただろうかと考えてみる。
    自分でなかった時間が、ものすごく長かったのかもしれない。
    自分の淵のぎりぎりで、立ち尽くしていたのかもしれない。

    感じたものを肯定するのは、本当はとても難しい。
    少なくとも私にとって。
    もっと高く、もっと鋭くを、追い求めていた頃。
    ある線まで来てしまったら、戻れない地点があるのだと、気づいた時には、もう遅かった。

    それまで馴染んでいたものが、馴染めなくなって、合わなくなってくるような、気がして。
    独りが、親しくなってくる。

    ほんの少しでいい。
    温もりは。
    ほんの少し夜に星があるだけで、丁度よく、安心する。
    抱えられるくらいの重さの不安が、心地よかったりする。

    少なくても、抱えるのではなく、
    言葉にして、何かを形にしていこうと、
    この本は、私に導をくれた。
    ここでレビューをしていく、きっかけを、くれた。

  • 自分の生活も、エッセイをかけるくらい素敵になりたい。モノの見方なんだろうけど、

    • 大野弘紀さん
      本当に。

      江國香織の文章力みたいな本があったら絶対買ってしまうと思う。
      本当に。

      江國香織の文章力みたいな本があったら絶対買ってしまうと思う。
      2019/05/12
  • 30歳の誕生日に、あーちゃんがプレゼントしてくれた。江國さんの30歳記念のエッセイということで。粋なプレゼント!
    いつも小説ばっかり読んでてエッセイは初めてかも?
    小説にしてもエッセイにしても、江國さんの文章は、好きなものやこだわりのあるものを丁寧に整理している印象。
    江國さんがピックアップするディテールは、「分かる分かる」と思えるものが多い。同じように思う人が多いから人気作家なのか?私がたまたま共感する部分が多いだけなのか?

    これ読んでて自分もエッセイ書きたくなった。
    忘れたくないと思ってても忘れてしまう色々な事の整理と記録のために。

  • 30歳記念のエッセイ集。
    色鮮やかで、瑞々しくて、こんな風に世界を見たいと思わせてくれる。
    感受性豊かとはこのこと。
    旅のお供に連れて行きたくなる。

  • 1人江國さん祭り続行中。これは江國さんの30歳記念の初エッセイ集だとか。

    私はおとつい30になりましたので、江國さんとは約20歳離れてるとわかりますが、懐かしい思い出(駄菓子の飴、カルピス、はんてん、兵子帯…)は私も懐かしくて、それは私が「田舎の子」だから若干ジェネレーションギャップが埋まっているせいもあるのかと思ってもみる。
    だからもちろん、学校をさぼったり紅茶をのんだりというハイカラさは私の子供時代には無かった。

    冬の背筋が伸びるかんじ、春のまどろむかんじ、夏のノスタルジー。季節をとらえることが上手なひと。

  • こんな感受性を持ち合わせていたら、さぞ世界は美しかろう、と思う。色のつけ方を教えてくれる、そんな本。

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著者プロフィール

1964年、東京都生まれ。1987年「草之丞の話」で毎日新聞主催「小さな童話」大賞を受賞。2002年『泳ぐのに、安全でも適切でもありません』で山本周五郎賞、2004年『号泣する準備はできていた』で直木賞、2010年「真昼なのに昏い部屋」で中央公論文芸賞、2012年「犬とハモニカ」で川端康成文学賞、2015年に「ヤモリ、カエル、シジミチョウ」で谷崎潤一郎賞を受賞。

「2023年 『去年の雪』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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