- Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087496048
感想・レビュー・書評
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大沢在昌の連作ミステリ短篇集『悪人海岸探偵局』を読みました。
大沢在昌は、昨年7月に読んだ『生贄のマチ 特殊捜査班カルテット』以来なので半年振りですね。
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元しがないビーチボーイの俺が、私立探偵事務所を開いたのは2年前。
でっかい図体と腕っぷしの強さ、土地カンと顔の広さを頼りに始められる商売はこんなものしかなかったのだ。
俺には一つのモットーがある。
“気に入った女の子には熱いオンリップのキッスを、気に入らえね野郎には固いオングランドのキッスを”。
幸いここは名うての悪人海岸、事件にことかくわけはない。
ライト感覚のハードボイルド連作集。
(解説・藤田宜永)
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1983年(昭和58年)から1985年(昭和60年)に、集英社が発行する男性向け週刊誌『週刊プレイボーイ』に発表された作品… 「気に入った女の子には熱いオンリップのキッスを、気に入らえね野郎には固いオングランドのキッスを」をモットーとする"キッスのシロー"こと私立探偵・木須志郎(きすしろう)が活躍するライトな感覚で読めるハードボイルド作品でしたね。
■和製探偵地位向上委員
■身・代・り
■闘士の血
■幽霊
■黒猫
■人形の涙
■解説 藤田宜永
ここはギャルとギャングが溢れかえる悪人海岸(バッドガイビーチ)… 腕っ節と度胸を武器にする私立探偵・木須志郎のもとを、つぎつぎと依頼人が訪れる、、、
「気にいった女の子には熱いオンリップのキッスを、気にいらねえ野郎には固いオングラウンドのキッスを」がモットーの「キッスのシロー」は、悪いヤツには滅法強いが、お色気と情にはとことんもろい… はてさて事件は解決するのか。
ギャルとギャングが入り乱れる悪人海岸を、キザな私立探偵シローが、オンボロ車(古いフェアレディ)でつっ走る… 痛快なハードボイルド連作集。
ライトな感覚で読めるユーモアたっぷりのハードボイルド作品… 半熟卵のような固ゆで卵!? 何だか矛盾している感じですが、でも、まさにそんな印象の作品でした、、、
堅苦しくなく、読みやすいハードボイルドって感じですかね… 昭和の香りが漂っているところも好みでしたね。
ゾクっとさせられる結末の仕掛けが印象的な『幽霊』がイチバン好みかな… 本シリーズは、本作品のみのようなので、ちょっと残念ですね。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
10%の洒落っ気に、20%のユーモア、30%の知性、残りを腕力で補う私立探偵が主人公の、ポップなハードボイルド。
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元しがないビーチボーイで、今は私立探偵の木須志郎さんが活躍する、軽いタッチのハードボイルド短編集。
1980年代半ばですからね。
今で言うところの、チャラ男? ギャル男? どっちのの言い方ももうしない? とにかくそんなキャラではあるんだけれど、今では想像の付かないような、キザな喋り方と行動をします。
『○○なのさ』とかいう口調を、普通に使う。
車もやたら外車だし。
私もこういうキャラは、映画とかマンガの世界でしか見たことないけど、こういう世界観は嫌いじゃない。
あまりに若い人は、全然意味分かんないかもしれないけど。
『ハートブレーカー・弾丸より愛をこめて』を思い出した。
ダイヤモンド☆ユカイさんがやってたキャラがまさにこんな感じ。 -
なんとも、ハチャメチャな、探偵のお話。「ハードボイルド」という単語がよく出てくるが、この本は、「ハードボイルド」をパロっていると考えるのが正しいのではないか? と思う。
まあ、ワンピースとか、北斗の拳とかの「マンガ」的な要素が多く、肩肘はらずに笑って読めるのが良い。
しかし・・・映画化されたようだが、これは映像化されたものを見た人は面白いのか? 他人が映像化したものを見るより、読者の各人の頭のなかで想像するほうが良いのでは と思う。 -
悪人海岸と書いてバッドガイビーチと読む。
相変わらずのハードボイルド。
でも、カッコイイ。
文句なしにカッコイイ。
夏場にガッと読んで欲しい1冊。 -
2007.07.23 読
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軽いノリの小説。主人公がなんたって「キッスのシローこと木須志郎なんだから。読むのも軽いノリで楽しめる。