知的な痴的な教養講座 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087498134

作品紹介・あらすじ

「一本のワインには二人の女が入っている。一人は栓をあけたばかりの処女、もう一人は、それが熟女になった姿である」-。酒、食、色、人、エトセトラ。恐怖の博覧強記作家・開高健が知性と痴性をブレンド、男の世界の森羅万象を語り尽くす教養エッセイ50章。1ページに一度はニヤリと笑い、ウーンと唸ります。

感想・レビュー・書評

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  • 決して下品ではない知的な変態トーク。いや、変態とは統計的に少数派を決め付けているだけで、そんな風に呼んではいけない、と開高先生。気に入った女史に門前、頼もうと一声、正々堂々、その小水を得た男子。通いつめた彼に気を遣い女史、それを冷やして提供した所、一気に気持ちが冷めたという。下ネタを通り越していて清々しい。最早訳が分からぬユニークさ。男女の営みでえいや「日本一!」の掛け声。面白すぎて吹き出す。

    旅中、軽めの本ばかり本棚から取り出して読むが、それなりに楽しんでいる。気楽な一冊。ニヤニヤしながら移動しているから、さぞかし周りからは不気味に思われている事だろう。気にしない。

  • 知的で痴的な教養を知りたくて読書。

    『週刊プレイボーイ』向けのコラムなので、書名通り、知的と痴的な内容が交互に登場する。下ネタだが、卑猥さを感じさせないところは素晴らしい表現力。こんな引きこませるような表現力をほんの少しでも学びたい。

    ホー・チ・ミンの革命秘話が興味深い。社会主義革命を成し遂げる英雄は、北朝鮮しかり、虚像を作り上げるなんだなと思った。影で協力、共鳴した日本人がいたことは意外。

    著者の鋭い視点での当時のベトナム、中国論は今から読んでも読み応えがある。

    読書時間:約1時間15分

  • 男には身近にこういう大人の男がいるかいないかでその後の人生に影響がでますよね。

  • じっくり腰を据えて読むより、ヒマ潰しに拾い読みする一冊にこそ最適。
    下ネタが多いが、その料理の仕方や捻り方に、稀代の博識、ブンガク者たる著者ならではの「芸」とも呼べる円熟を感じ、下卑たイヤラシサを殆ど感じさせないのはさすが。

  • 知識の量に圧倒される。全てを記憶しておくことはできないけど、記憶の奥に留まって、何かあった時にそういえば…といって思い出せるようになれたらいいな。
    これだけ色んな話が出てくると、嫌でも知らないことが出てきて、いろんなことを調べて興味が出てくる。それが別の本を読むことにつながって…が無限ループしていく。やっぱ読書っていいな。アインシュタインの「神はサイコロを振らない」という言葉から、アインシュタインの考え方をもっと知りたくなった。

    日なたぼっこ…欧米ではいまだに人間の最高の贅沢とされている。この表現が面白い。日なたぼっこをした記憶がないな。焦りすぎか?
    ビギナーラックはなぜ起こるか?ビギナーの無知と熱狂的な集中がもたらす。常に謙虚な姿勢でいたい。
    電話のない静かな暮らしが、現代におけるブルジョワか。そんな暮らしもしてみたい。

  • 下ネタではない。人間の欲求追求の物語である。博識をとくとくと説くのではなく、自虐も交えながら紹介する姿勢は大人の余裕や受容あってのもの。それこそ自分が憧れる大人の男像になくてはならないもの。

  • 飲みながら読み始める。

    「日本一!」のエピソードに吹き出して笑った。

    食、酒、男と女、戦争、宗教、歴史、文学、芸術…

    洒落っ気のあるくだけた語り口で多彩な話題。

    酒や食についてのエッセイが特に良かった。

    『ワインのなかの二人の女』は特に名文。

    三島由紀夫『不道徳教育講座』の隣に置こうっと。

  • いやー笑ったり感心したり愕然としたりでとても忙しかった。
    最初の文章からしてやられた笑

  •  エッセイ・コラム集。タイトル通りシモネタな話もある(というか多い)けれど、それだけではなく歴史、文化、戦争、社会、芸術等々、幅広い話題に及んでいる。シモの話もおかしみのある軽妙な語り口があってアッサリ楽しく読めます(純情乙女に薦めたいは思わないが)。
     開高氏の別の著作の解説で、氏は高い教養に裏打ちされた文章を書くけれどそれがけして押しつけがましくない……という言葉を見かけたことがあったけれど、なるほど肯ける話で、高尚な話や難しい話題も軽やかに分かりやすく語られている。面白いです。
     読み終えてうっかりモルト・ウイスキーが飲みたくなった。あとモツ煮が食べたい……食べたい。

  • いろいろなことについて、歯切れのよい文体で心地良いエッセイを書いている。ちょっとエッチな話がまたいい。

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著者プロフィール

1930年大阪市生まれ。大阪市立大卒。58年に「裸の王様」で芥川賞受賞。60年代からしばしばヴェトナムの戦地に赴く。「輝ける闇」「夏の闇」など発表。78年「玉、砕ける」で川端康成賞受賞など、受賞多数。

「2022年 『魚心あれば 釣りエッセイ傑作選』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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