- Amazon.co.jp ・本 (260ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087520200
作品紹介・あらすじ
若い作家・野島は、劇場の廊下で初めて杉子を見たときから、その美貌に心を奪われてゆく。彼のひそかな思いを知った年上の友人・大宮は、恋の成就のために力を貸すことを約束した。しかし、意外なことに杉子の思いは大宮に傾いてゆく…。友情と愛情、恋愛と失恋を描いた近代日本文学の代表的青春小説。
感想・レビュー・書評
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今から100年も前に書かれた作品だけれども、好きな人の言動に一喜一憂したり、好きな人を思ったりするのは現代の人々と変わらないのだなぁと思いました。
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集英社文庫の2007ナツイチ限定カバーに惹かれて購入したが、絶えず手元近くにありながら、積読からようやく解放に向かった書である。『友情』にしろ、『初恋』にしろ、とにかく甘酸っぱいし切ない。自身の思い出がよみがえる。
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年一くらいに再読してます
友情… -
‹内容紹介より›
若い作家・野島は、劇場の廊下で初めて杉子を見たときから、その美貌に心を奪われてゆく。彼のひそかな想いを知った年上の友人・大宮は、恋の成就のために力を貸すことを約束した。しかし、意外なことに杉子の想いは大宮に傾いてゆく……友情と愛情、恋愛と失恋を描いた近代日本文学の代表的青春小説。
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自分に自信がない、文学青年・野島。
彼は友人の妹である杉子に一目ぼれをして、どうにか彼女を伴侶として迎えたいと強く願うようになる。
まだ作家としては無名であり、胸を張って彼女にアピールすることができない野島が、恋の相談をしたのが年上の作家・大宮であった。
大宮は野島の相談に乗り、杉子と野島が結ばれるよう協力するが、杉子が自分に恋をしていることを知り、日本を離れることを決意する。
日本から自分が去れば、杉子は野島と結ばれるだろうと考えていたのだが、離れれば離れるほど杉子の想いも、自分の恋心も強くなっていることに気が付く。
友人の想い人と付き合う、というよくある「三角関係」の話ではありますが、『こころ』のようにみんな精神的に病んで死んでしまったりすることもなく、泣きながらも立ち上がろうとする野島にエールを送りたくなるラストです。
ただ、ストーカー気質な熱の上げ方をする野島や、野島からの好意を「有難迷惑です」とばっさり切り捨てる杉子など、なかなか過激な部分もあるように感じます。 -
友情というタイトル以外考えられない作品。恋をした人間の醜さを感じられる。それでも恋は人間にとって天から与えられた人生において欠かせない素晴らしいもの。
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主人公・野島の一方的な片想いを描いた話。
中学時代に読んだ時は、夏目漱石の「それから」より深みがないと思ったものだが、今読むと、はっきりした物言いや友人・大宮の告白の仕方など相当挑戦的な話である。
あるいは大正時代の日本人は、現代より素直に感情を表現していたのか。武者小路実篤が裕福な家庭に育った故か。
杉子の「私は野島さまの妻には死んでもなるつもりはありません」、「野島さまのわきには,一時間以上は居たくはないのです」という台詞、当時の日本人がこんなにはっきり言うこと自体が驚きだった。
海外へも気ままに行けるほどの裕福な人たちの生活、生活苦がなく、恋だの友情だのに特化した話は好きだ。
(図書館) -
『友情』だけれど、かなり『初恋」の話。(『初恋』はまた別の話)
過去形の、簡潔な文章。会話が多く、読みやすい。
『桐島、』を読んだあとだからかもしれないけれど、こんなに描写が少なくてもいいんだな、と思った。
杉子を一途に想う、感じやすく傷つきやすく、でも自尊心だけは強い主人公。この恋はうまくいかないだろう、と思うものの、最後の親友と杉子の手紙が圧巻。自分が感じる自分と、他人から見える自分(特に女から男)の違い。
すごく面白かった。 -
2013年9月に行われた「ビブリオバトル首都決戦予選会in 城西」にて、バトラーにより紹介された本です。
詳細は図書館HP (http://libopac.josai.ac.jp/) より『ビブリオバトル』で検索!