- Amazon.co.jp ・本 (260ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087520422
感想・レビュー・書評
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無垢な子供時代はいつか終わりをつげ、不条理かつ割り切れない大人の世界に巻き込まれる。少年たちの感じる違和感は他者との関わりの中で、また自らの成長を通して膨らんで行く。少年時代に感じていた捉えどころのない違和感を生々しく思い出しながら読んだ。人間は成長を後悔しない事を思った。
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何か昔読んだことのある短編も含まれているような。
子供の視点と言いつつ、やはりこれは大人の目を通した光景なんですよね。この辺の読者の錯覚をこの作家は意図して利用しているような気がする。
子供という純という存在だと皆が暗黙の裡に了解している前提を巧みに利用して、大人の話を展開しているという。 -
ある種の生々しさと、ある種のフィクションらしさをもつ、独特な少年期小説だった。
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なんのこっちゃさっぱり分からん。様々な幼少期の経験を短編ごとに別物語で書いているのかな?その先に何があるのか。むしろ、その根源に何があるのか?
これはどうやって読むべきなの?雪国同様、読み方がわからんよ。 -
こんな少年がどこかにいた。
よくわからなかった、というか、あえていうなら、何も起こらない、内省的な話で、こういう話を消化する力が弱っているんだなと思った。教科書に載っている話っぽい感じ(しかも、よくわからん系)がする。 -
子供の善意と悪意は、本人がその重さに耐えられない分だけ純粋で偉大だ
子供の頃の様々な葛藤を 思い起こさせる短編集だった -
昭和ですねー。簡潔で鮮やかな文体。
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おとなへの萌芽を身の裡に兆した少年の硬直した自己愛と衝動と罪悪の物語。
自分では決して分かりえないその感覚にどこか餓えるようにふれたくなることがある。 -
今年3冊目。
吉行淳之介さんの本。短編集で全部で9話。
収録されてる「斜面の少年」はセンター試験国語(追試だったかな?)にも出題された。
センター試験解いたときからずっとその話を最初から最後まで読んでみたいと思ってたから、読めて良かった。
主人公が小学生の話が多い。
確かに自分もこういう気持ちになったことあるなぁと感じることが多かった。
父親との微妙な距離感とか、女性に対してとか。
でもたぶん小学生では思わなかっただろうけど。
この話に出てくる少年たちはみんな早熟。そしてそれはたぶん作者の少年時代を反映したものなのだろうなあ。
今年はもっと吉行さんの作品を読んでいこう。 -
2007/4/22、2010/12/5