長距離走者の孤独 (集英社文庫)

  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本
  • / ISBN・EAN: 9784087600018

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  • 親父から貰った本シリーズ。読み書きの出来ない労働者階級の生まれで、軍隊を結核で除隊した後の療養中に作家になったアラン。戦争に翻弄される労働者たちの姿を見事に切り取る。

  • ランニングを趣味にしていることもあって以前から読みたいと思っていました。
    20世紀初頭の英国の労働者階級の厳しい生活環境と人生の悲哀が描かれているのだけど、読んでいて目を背けたい気持ちは起きず、むしろときにニヤリと笑いたくもなりながら、ページを捲る手が止まらない。
    表題作はもちろん、それぞれの短編に味わいがあって、まさに名品。

  • 『漁船の絵』は短編小説では名作だと思います。翻訳ものでは、いままで読んだ中で一番心が動かされるほど名著。

  • 表題作「長距離走者の孤独」
    「誠実であれ」という感化院の院長に対する、スミスにとっての誠実さ。ぶれない心が清々しい。
    「この孤独感こそ世の中で唯一の誠実さであり現実であり、決して変わることのないという実感」
    コールフィールドよりスミスが好き。

    「漁船の絵」は、人生の淡い苦味が味わえて良いです。

  • 涙こそ出なかったけど、最後の一行にいくまでに知らず奥歯を噛み締めて読んだ「漁船の絵」。
    もともと時間のスパンが長い短編小説って好きなんだなぁ…音楽みたいで。

    表題作はめっちゃかっこいい。

  • 最初ジャケ買いだった。淡々とした文章が好きでした。

  • 共感という点からいえば、中学生ぐらいに読むのが一番ジャストミートするかもしれない。こちらの方が荒いが、どこか「ライ麦畑でつかまえて」のようなところもある。思い返して、振り返って、考えて。思考を繰り返しながら、ふらふらと体を留まらせずにどこかへ向かっていく。だんだん彼が斜めにものを見ているのか、真正面からものを見ているのか、どちらなのかわからなくもなる。

  • リアル、なんだろうけど、やっぱり海外の貧民街の様子とかは読んでてちょっと苦痛だったりする。貧乏なのはどこも一緒なんだろうけど、特に欧米の小説に出てくる貧民街は荒みすぎてるんだよ。

  •  短編集。表題作は翻訳がすごかった。主人公にまるきり乗り移って訳しているみたい。きっと、走っている時の頭の中ってこんな風なんだろうなと思う。読んでいて自分もいっしょに走っているような気分にもなる。

     他の作品もそれぞれ味がある。悲しくて哀れで惨めなんだけど、不思議とどんよりとならない。「漁船の絵」がとくに良かった。

  • たしかに、独特の語り口は読者をして一気に読み終えさせる力がある。しかし有り体に言えば、社会に反発する10代少年を描いた青春小説ではないか。
    作品の構成も3章立てでシンプルだし、大きなメッセージ性は見当たらない。この作品を初めて読んだ時の感激というのは、やはり私自身が10代の少年だったからで、その後の社会経験を積んだ目からみれば際立った名作とも言えないのではないか。
    ・・・そんなふうにも感じてしまうほど、平凡な作品に映ったのだ。しかし、それだけの作品だと断定するにはどこか違和感が拭えない。なにか、なぜか、しっくりこないのだ...

    【開催案内や作品のあらすじ等はこちら↓】
    http://www.prosecute.jp/keikan/043.htm
    【読後の感想や読書会当日の様子などはこちら↓】
    http://prosecute.way-nifty.com/blog/2008/10/43-69c5.html

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