ママ・グランデの葬儀 (集英社文庫 40-A)

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制作 : 桑名 一博 
  • 集英社 (1982年12月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (250ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087600797

ママ・グランデの葬儀 (集英社文庫 40-A)の感想・レビュー・書評

  • 表題作を含む9つの短篇を収録する。物語の舞台はいずれもマコンドとその周縁であり、その意味でも『百年の孤独』との親縁性は大きい。私は、荒唐無稽な(これもまた、ガルシア・マルケスの特質の一つではあるのだが)「ママ・グランデの葬儀」よりも、作家が極貧の中で11回も書きなおしたという巻頭の「大佐に手紙は来ない」のリアリズム系列の方を取る。ここにあるのは15年間も諦めない執拗さと、それとは矛盾するようだが、願望が実現しないことを知っている諦念とが共存する。そして、その底流にあるのは「ここではないどこか」への想いだ。

  • マルケス初期の短編。
    後に書かれた短編と比べてみると、まだまだ「いわゆるマルケス」ぽくないのだけど、それでも熱帯地域の熱、長雨、倦怠、痛みが登場人物達にまとわりついて離れないところが彼らしい。

  • (1983.01.05読了)(1982.12.25購入)
    *解説目録より*
    灼熱の大地にくり広げられる飢えと孤独、暴力と革命! いかなることも起こりうる架空の地マコンドの地母神ともいうべきママ・グランデの葬儀を奇想に満ちた文体で描く表題作。

  • 『百年の孤独』のマコンド関連の短編集。アウレリャーノ・ブエンディアという名前にも聞き覚えが。文体がだいぶ違うけれど、そこはかとない悲しさが漂っていてよいと思う。表題作『ママ・グランデの葬儀』がいちばん好きかな。

  • 中編「大佐に手紙は来ない」のほか、マルケス初期の7編の短編をおさめた作品集。
    マルケス自身が『百年の孤独』以前に書いた作品は、すべて『百年の孤独』を書くための習作だった、と言っているが、この本は彼の作風が変化していく過渡期にあたるもので、その意味でなかなか興味深い。
    「大佐に手紙は来ない」など収録作の多くはリアリズムの手法をとられ簡潔な文体描写が特徴であるが、後ろのほうに入っている「土曜日の次の日」「ママ・グランデの葬儀」などは『百年の孤独』を彷彿とさせるいわゆる魔術的リアリズムの萌芽がみられる。

    どの短編にも共通していえるのは、彼の短編には、必ず一人(あるいは二人)印象的な人物が登場し、その人物を実に生き生きとじっくり描いている点で、それが彼の小説に圧倒的な「本当らしさ」を付け加えていると思う。振り返ってみると、どんな話だったか覚えているものはあまりなかったりするのだが、にもかかわらず読んでいる最中は不思議と小説世界に引き込まれてしまうのは、登場人物がもつ圧倒的な現実性に由来すると思う。

    やっぱりマルケスは上手いなあ、と思い知らされてしまった。『百年の孤独』と併読すると面白さが増すと思う。

ママ・グランデの葬儀 (集英社文庫 40-A)の単行本

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