呪われた町(下) (集英社文庫)

  • 集英社
3.64
  • (33)
  • (45)
  • (76)
  • (8)
  • (0)
本棚登録 : 357
感想 : 33
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (376ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087600872

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 上巻とは違い怒涛の展開が起きる下巻。

    吸血鬼の存在が顕著になり町の人たちの被害が増え
    仲間までもが犠牲になっていく。

    主人公が吸血鬼にどう立ち向かうのか
    目紛しく進むストーリーに一気に読み進みました。

  • それから一週間後、男は汗びっしょりになって悪夢から目ざめ、少年の名を呼んだ。
    「ぼくは戻るとこにしたよ」と、彼はいった。
    少年の日焼けした顔が一瞬青ざめた。
    「一緒にくるかい?」と、男がたずねた。
    「僕を愛してる?」
    「うん。愛してるとも」
    少年はさめざめと泣きだし、男は少年を抱きしめた。


    プロローグの一部を抜粋。
    この部分が頭から離れない。
    嫌な予感しかしない。
    期待を裏切らない。
    吸血鬼なんて時代遅れだ、なんて!読んでみなさい。面白いから。
    怖いから。
    出来るなら、部屋を暗くして…
    本当に十字架苦手なんですね。
    神父はどこへ?

  • 2021.05.16 読了。
    下巻、どうなる人間VS吸血鬼。

    まず、マーク少年有能過ぎ!
    12歳だったよね?
    頭脳派だし感覚が鋭くてしかも強い。
    まさかの縄抜けまで披露。
    ヨガの達人の域とか。

    なのに、親が殺されてしまったのを
    「彼は両親の頭をごつんこした」って表現何?
    翻訳ミスじゃね?ってくらい違和感。

    まさかのスージーが吸血鬼化、
    というか町人たちがほぼ全員吸血鬼化オールスター状態。
    ベンかスージーに杭を打つの本当にやるせないよね。キングの嫌らしさすごい。

    最後の方になってくると、ベンもマークもある種、狂っていってるよね。
    ベンがマーク少年に怖気付いたのか?みたいに馬鹿にするのとか、マーク可哀想過ぎる。嫌に決まってるでしょ。保安官までよその町へ逃げ出すくらいなのに。

    ジミー医師が途中、何かを思いつくが、すぐに消えてしまった。思い出せない。
    の謎って結局何だったのか。
    よくわからずじまい。

    あと、聖水効果半端ない。
    吸血鬼化キャラハン神父が自らの教会に拒否され吹っ飛ばされるのもすごい。

    最後の大ボス、バーローは案外あっさり倒せるのね。
    エピローグを読んで割とすっきり終われたのは良かった。
    というかプロローグってこういう事だったのね。読了後、プロローグ読み返した。

    登場人物多過ぎて読みにくさはかなりあるが、楽しんで読めた。

  • 再読。

    「屍鬼」を読んだ後では文庫2冊では食い足りない。
    あちらは徹底的にリアルさで解決したのに対し超常的なものには超常的な力で対抗、それがお国柄の違い?宗教観の違い?
    それにしても神父の行く末に思いを馳せてしまう。


    吸血鬼の襲撃シーンのバラエティに溢れてること。
    人の心の隙間を上手く狙っていくとこは読んでいて引き込まれるとこ。

    でも、やっぱりスージーの行動は解せない浅はかでもなく無鉄砲でもなく、どういう心情だったかイマイチピンとこない。

    「屍鬼」には夏のイメージが今作には雪が舞い散るイメージがあったのだが、それは外伝的なあの短編を読んだせいでの勘違い?それともなんかほかの作品とごっちゃに??

    テンポの良さ、怖さの質、共に大満足です。

  • 面白かったなぁ。この時代に敢えてのヴァンパイアものを書くってすごいことじゃなかろうか。マキャモンの「奴らは渇いている」は、この作品にインスパイアされたんだろうなぁ。

  • 前編に比べ、冗長気味な所がなくなりスピードアップしていく。
    個人的にはオカルト小説はあまり好まないが、キングの作品は、オカルトが現実と混ざりあっていて、現実にありそうな気さえしてくる。

    文体は他の小説に比べ、場面の転換が唐突な所があり、読みやすいとはとても言えないが内容は面白い。

    好みもあるが、個人的にはもう少し後のキングの作品の方が好き。

  • 後年の作品のような、ときに過度なまでのディテールの描写や群像の書き込みがない分、読みやすいし、古典的な物語としてすっきりまとまっている。グロさ、痛さも少ない。自分は古いのかもしれないけれどこの『呪われた町』と『シャイニング』がキングの中では最も好ましく、カタルシスを感じて何度か読み返している。

    第一部のエピグラフとして、シャーリー・ジャクソン『丘の上の屋敷』の一節が引かれている。「正気を失った丘の上の家は、丘を背にして、闇を内に抱きながらひっそりと立っていた。〔中略〕そこを歩むものは、正体がなんであれ、独りで歩んだ」。「マーステン館」がまさにこういう雰囲気で、『シャイニング』にも通じている。

    2004年のTV版もよかった。

  • 読んだきっかけ:以前、小野不由美の「屍鬼」を読んだとき、元になった本がスティーブンキングの「呪われた町」とあって、興味を持っていたので。

    かかった時間:6/18-6/23(6日くらい)

    内容:下巻は、主人公(作家)&(ヒロイン)+(教師)のトリオが、中盤で崩れます。なんと、(ヒロイン)が脱落。敵の手に落ち、吸血鬼に。これは意外な展開。
    日本人は(ヒロイン)を物語から手放さないことが多いので、驚きました。さすが洋物。

    さて、その代わり、強力な助っ人(賢い子供)が加わります。
    そして、ボスとの対決!

    といった内容です。
    全体的に、まあ良かったと思います。まず、アイデアがいいですね。「現代の田舎に吸血鬼が現れて…」というプロットが素晴らしいと思います。
    (賢い子供)が賢すぎてちょっと作り話的(漫画的)な空気になるのがどうかと思いますが、しかし、痛快さがあるのでそれも捨てがたいですね~。

    小野不由美さんの「屍鬼」とどちらが……という比較をしようと思ってましたが、どちらも違う描き方をしているので、単純に好き嫌いはいえなかったです。
    どちらもいいですよ。

  • 読むのに時間がかかったが、面白かった。田舎町に吸血鬼がじわじわと浸透し、住民が一人、また一人と吸血鬼の仲間に変えられていく。吸血鬼の存在に気づいた小説家や教師、医師、少年らわずかな人々がそれに立ち向かっていく。上巻では吸血鬼の闇が街にじわりと降り掛かる恐怖を描き、下巻は人間との戦いを描く。戦いに向かう人たちが徐々に死んでいき、最後に残ったのは2人だけ。そして吸血鬼のねぐらを探し当て…。
     いろいろなホラー小説の基にもなっているらしい作品なので、印象に残った。登場人物が多くて読み返して思い出すことも多かった。でも、全体的には気に入った。

  • ずっと前に屍鬼を読んで以来、いつかはこれを読まなきゃと思っていたのがやっと読めました。

全33件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1947年メイン州生まれ。高校教師、ボイラーマンといった仕事のかたわら、執筆を続ける。74年に「キャリー」でデビューし、好評を博した。その後、『呪われた町』『デッド・ゾーン』など、次々とベストセラーを叩き出し、「モダン・ホラーの帝王」と呼ばれる。代表作に『シャイニング』『IT』『グリーン・マイル』など。「ダーク・タワー」シリーズは、これまでのキング作品の登場人物が縦断して出てきたりと、著者の集大成といえる大作である。全米図書賞特別功労賞、O・ヘンリ賞、世界幻想文学大賞、ブラム・ストーカー賞など受賞多数。

「2017年 『ダークタワー VII 暗黒の塔 下 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

スティーヴン・キングの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×