九つの物語 (集英社文庫)

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制作 : J.D. Salinger  中川 敏 
  • 集英社 (2007年6月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (276ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087605273

九つの物語 (集英社文庫)の感想・レビュー・書評

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  •  大好きな『ナインストーリーズ』ですが、訳が変われば感触も変わります。同じ本なのに訳者によってここまで違う話になるのかと、読み進めながらただ驚くばかりでした。物語の大筋はもちろん同じであっても、言い回しによって登場人物の醸し出す雰囲気とか全体の空気感が全然違うー。なんとなく、としか言い様のない些細な違いなのだけれど、その微妙な違和感が、なんだかいびつな印象をわたしに与える。これは既に、わたしが他の訳でこの本のイメージを作り上げてしまったせいなのかしら…;

     それにしても、どうしてわたしはこの作品が好きなのだろうといつも思う。
     確かに大好きなのだけれど、それを上手く説明出来た試しがない、どこが好きなのか分からないくせに好きなのだ。
     「彼らはぼくたちを愛すると同時に、ぼくたちを愛する理由を愛してるんだ」とテディは言うけれど、わたしは自分がこの作品を愛する理由すら分からない、でもこの作品を愛することを好きだと思う、ああもう、何が言いたいのか分からない。

  • 「ライ麦畑でつかまえて」に続き、2作目のサリンジャー。たしか4年前だったと思う。
    「ライ麦畑でつかまえて」を読んで、少しずつでしか読み進められなくて(長い時間かけて一応読了)、サリンジャーは苦手だという印象だけが残っていた。

    今回、人にすすめられて読んだが、やっぱり苦手だなと。でも自分が思っていたほどではなく、前回よりはスムーズに読めた。「コネチカットのよろめき叔父さん」、「笑い男」、「エズメのためにー愛と惨めさをこめて」、「愛らしき口もと目はみどり」は割と好きだった。サリンジャーの作品の中でも、好きなものがあると知れたのはよかった。

    ただ、戦争などの時代背景や文化などを知っていたら、もっと楽しめただろうと思う。その点が少しくやしい。

  • 先に伝記を読んでしまった、初めてのサリンジャー作品。ナインストーリーズ。 挫折しそうになること9度。約1ヶ月を要して読了。 正直、ピンと来ない。物語に没入できない。オチがわからない。 ウヤムヤモヤという印象。 悪いのは誰だろう。 著者か、訳者か、読書か。 収穫は、かの有名なサリンジャーを読んだ、という実績。 さて、「ライ麦」に挑むべきか。

  • 【本の内容】
    鋭敏で繊細な感性を触媒にして、人間の内奥の深淵を象徴的に描く「バナナフィッシュに最適の日」、差別と偏見にみちたアメリカ社会の中で生きるユダヤ人親子のスケッチ「小舟のところで」など九編を収める自選短編集。

    無垢な心をめぐる葛藤、青春時代の憧れと不安などサリンジャーの作品世界を余すところ無く伝え、今も世代を超えた支持を受ける。

    短編作家として最も円熟した時期の傑作集。

    [ 目次 ]


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    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 自分がもっている弱さは誰とも共有できない。
    弱いからこそ自分の中で葛藤して、
    他へどこまでも縋ってしまう。
    そうかと思えば全て自己内の会話で全てが完結してしまう。
    そんな共有できない弱さへ、
    みんな共感してしまう。

  • 別格すぎる『バナナフィッシュに最適の日』はともかくとして、一番のお気に入りは『対エスキモー戦まぢか』。タイトルの付け方も内容も柴田元幸訳(ヴィレッジブックス)のほうが僕は好きです。というか、若者言葉を採用するとすぐ廃れてしまいますね。仕方ない。フランクリンの口調はまるで工藤新一。

  • サリンジャーの短編集。集英社版の中川訳。

    「バナナフィッシュに最適な日」と「対エスキモー戦まぢか」がお気に入り。

  • グーテンベルグ版の鈴木訳を読んだものの、さっぱり訳がわからなかったので本書を購入。中川訳は雰囲気をうまく表現していて、ようやく内容を楽しめた。翻訳はこうでなくっちゃ!(おまけに鈴木訳は誤訳だらけだ)
    互いに関連のなさそうでありそうな9つの不思議なストーリーからなる短編集。なぜだか判らないが何度も読み返したくなる魅力にあふれた小説だ。
    double meaningの面白さを理解するために原文でも読んでみることにする。

  • 教室にあった本の中から適当に抜き出して来ちゃった本。

    サリンジャーってThe Catcher in the Ryeしか読んだことなかったからあまり詳しくはないけど、短編の方がリズムが良くて好き。

  • 小説はこう書くんだよという、アメリカでは小説家を目指すクラスのテキストに使われているんじゃないだろうか?

    何気ない会話の積み重ね。切れのある人物描写と場面描写。
    しかも、何気なさの裏にある心理状態を読者に類推させる。

    上手い。

    小説というスタイルでしか表現できない世界だ。

    特にアメリカでは彼の文体に影響を受けた(受けている)小説家が沢山いると思う。

    だが、テーマを具体的に表現しない分、不親切な書き方であるともいえる。

    この辺のさじ加減が難しい。

    あまり丁寧に書きすぎると読者をバカにしていると思われるし、

    あまり不親切だと、読者はおちょくられていると感じるのである。

    サリンジャーを読むということは、読者の知能指数が試されていると同義だ。

    ぼくにはは、作者が高い位置から読者を試しているように感じる。

    もっと砕けた言い方をすれば、「カッコつけるんじゃねーよ」といいたい。

    でも悔しいことに、そこに魅力あるんですよねサリンジャー。

    もう長いこと作品を発表していないらしい。最近のニュースでは、自分のためだけに小説を書いているという。

    これほど、作者の死が望まれる作家はいないのじゃないだろうか?
    (これは冗談です。)
    なぜなら、早く彼の書き溜めた小説が読みたいじゃないですか。

    今年、91歳だという。

    この本の最後の物語に、彼が東洋哲学に傾倒していることが分かる。
    最近ぼくがブログで連続して書いた「自分とは」というテーマとまったく重なっているので、この偶然に驚いた次第です。

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