氷姫 エリカ&パトリック事件簿 (集英社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (584ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087605846

作品紹介・あらすじ

海辺の古い邸で凍った美しい女の全裸死体が見つかり、小さな町を震撼させた。被害者が少女時代の親友でもあった作家エリカは、幼馴染の刑事パトリックと共に捜査に関わることに。20年以上疎遠だった親友の半生を辿ると、恐るべき素顔が覗く。画家、漁師、富豪…町の複雑な人間模様と風土に封印された衝撃の過去が次々明らかになり、更に驚愕の…。戦慄と哀歓。北欧ミステリの新星、登場。

感想・レビュー・書評

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  • 一言で言えば期待はずれ。シリーズものだが次は読まないと思う。こんなに長編にする意味がわからなかった。ストーリーも全く惹かれず、途中から犯人もわかってしまう。心理描写の丁寧な作家は好きだが、丁寧というより冗長に感じる。途中で恋愛小説?と思うぐらいストーリーが流れる。登場人物に誰一人感情移入できなかった。

  • 最初の方は事件の様相が見えずに、なかなか進まなかったけれど、少しずつ全貌が見えるに連れて止まらなくなった。特に被害者の過去や妹との関係の真実はかなり衝撃。
    登場人物たちの存在感も薄れることがなくて、重厚な物語となっていて面白かった。

  • 「徒な望み」?とか「子供の頃から自意識の高かった」って褒め言葉なのか?とかもう少し柔らかい訳でもよいような。

    突然の両親の事故死で、実家に帰っていた伝記作家のエリカ。
    散歩の途中で子供の頃に親友だったアレクスの遺体発見に立ち会うことになる。
    アレクスは何故死んだのか?
    突然引っ越した彼女に何が?

    ミステリはバタバタでいろいろ欲張った気もするし、あちこちで見つける証拠をなかなか見せてくれないしで、モヤっとする。
    けど、アンナの夫やパトリックの上司の嫌らしいこと、警察署内の人間関係の微笑ましい様子。
    村の元ケーキ屋でサンタコレクターなおばあちゃん、口うるさくしみったれた女房の言いなりに嫌気がさしてるお爺ちゃん。自然の描写や田舎町の閉塞感がじんわりくる。
    この感じどこかで。そうだ。「ツインピークス」!一見、平和な田舎町での美しい死体だー。

    ミステリよりも彼女と彼の進展がアンニカ並みに気になる。
    出ちゃったお腹に合う服を探してクロゼットを空にしたり、約束の直前に臆病になるなんてニヤニヤ。
    でも、やたらと脇を洗ったり、口臭を気にしつつキスしたりは赤裸々すぎてツライわー。

    とりあえず、今回の「氷姫」事件は解決したものの、アンナの夫のこと、実家の売却などエリカの周りには問題山積み。
    次巻でどうなるのかな。

  • 正直、ミステリーそのものには夢中になるほどそそられるものはなかったのですが、人間ドラマとして興味深かった……
    漁師のおじいちゃんと美味しいケーキを作ってくれるおばあちゃんに幸あれ。

  • スウェーデンでは今、税金スキャンダルが報道されたレックバリですがこれが彼女のデビュー作。女性作家ならではのキャラクターのこだわりで日本のキャラ立ちしている推理小説みたいな雰囲気があります。
    エリカとパトリックの関係の進展と事件の進展が並行して進んでいくので楽しく読めました。スウェーデンの推理小説らしく、スウェーデンで取りざたされる社会問題がテーマに織り込んであります。
    シリーズ続刊が読みたくて日本から注文しましたが、こちらではスウェーデン語初心者向け編集版が出ているほど人気の作家です。

  • 子供のときの大親友、でも或日を境にきっかけも説明もなくその関係が途絶えてしまったアレクス、それから20年以上経ってから彼女が浴槽の凍った水の中で絶命しているのを発見し通報するという巡りあわせにあった、独身で文筆業をしているエリカと、彼女の幼馴染で地元にとどまりつつ警察官をしているパトリックがお互いに補い合って事件を解決してゆく物語。事件が中心にあってその謎解きがメインに据えられているミステリですが、トリックとその謎解きよりもその動機や背景、どうしてそういうことが起こったのかという、そちらの方に主題が置かれていると感じる、好みの作風。まったく別の作家で前に北欧作家の本を読んで苦労したことがあったのでこわごわ読んでみましたがとても面白かったです。邦題の付け方が続編があるのかも、と思わせる感じで、期待が持てます。続きがあるなら是非とも読みたいです。

  • 聞き込みの中で色々な家庭を訪れ、いかにスウェーデンの人々が家のインテリアとコーヒー&もてなしにこだわりがあるかがわかって面白い。ミステリーとしては正直そんなに…主人公のエリカがあまり魅力的に感じなかった。でもこの作者の他の作品も読んでみたい。

  • 「カミラ・レックバリ」の長篇ミステリー作品『氷姫―エリカ&パトリック事件簿(原題:sprinsessan、英語題:The Ice Princess)』を読みました。

    最近、北欧のミステリが注目を浴びているようなので、ちょっと気になり本作を読んでみました。

    -----story-------------
    【スウェーデン地方公務員労働組合「今年の作家」賞(2005年)】
    【国民文学賞(2006年)】
    【フランス「国際警察文学大賞」(2008年)】
    戦慄のサスペンスと胸に迫る感動のミステリ
    海辺の町の邸で発見された、凍った女の美しい死体…。
    女性作家と刑事が被害者の周囲を辿ると、氷の風土に封印された残酷な事件と驚愕の過去が…。
    北欧ミステリの新星、シリーズ400万部の話題作。

    海辺の古い邸で凍った美しい女の全裸死体が見つかり、小さな町を震撼させた。
    被害者が少女時代の親友でもあった作家「エリカ」は、幼馴染の刑事「パトリック」と共に捜査に関わることに。
    20年以上疎遠だった親友の半生を辿ると、恐るべき素顔が覗く。
    画家、漁師、富豪…町の複雑な人間模様と風土に封印された衝撃の過去が次々明らかになり、更に驚愕の…。
    戦慄と哀歓。
    北欧ミステリの新星、登場。
    -----------------------

    2003年に発表された「カミラ・レックバリ」の処女作で、作家の「エリカ」が幼なじみの刑事「パトリック」と捜査に関わる「エリカ&パトリック事件簿」シリーズの第1作目です。


    両親の事故死後、遺品や実家を片付けるために故郷のフィエルバッカに戻っていた「エリカ」は、少女時代の親友「アレクス」が浴槽で両手首をカミソリで切られ全裸死体で発見された現場に遭遇、、、

    幼馴染の刑事「パトリック」と偶然再会し、捜査に協力する中で「アレクス」の謎の過去が徐々に明らかになる… 彼女は夫の間に子どもはなかったが、夫以外の相手との子どもを妊娠しており、過去にも出産経験があった。


    そして、そこに様々な周辺の事件や出来事が絡んできます、、、

    23年前に缶詰工場創立者の息子「ニルス・ローレンツ」が失踪した謎、

    その母親「ネッリー」が「アレクス」の妹「ユーリア」に見せる愛情ある対応、

    「エリカ」の妹「アンナ」の夫「ルーカス」のDV、

    「アレクス」と性的関係があったアルコール中毒の画家「アンデシュ・ニルソン」の自殺(当初は他殺と思われていたが…)、

    「アレクス」の両親と「アンデシュ」の母「ヴェーラ」、「ネッリー」の過去における親密な関係、

    「アレクス」が殺される前に最後に電話した先「エリカ」の元カレ「ダーン」だったのは何故、

    「アレクス」の家族が1977年春から1978年春の1年間の所在が不明だった謎、

    「アレクス」と「アンデシュ」、「ダーン」の共通のキーワード≪D.T.D.1976.≫、

    事件に直接関係ある事項と、そうでないものが含まれていますが、事件発生~解決と「エリカ」と「パトリック」の私生活、恋愛が巧く融合されてひとつの素晴らしい作品に仕上がっていましたね。


    登場人物の世代が近いせいか、国は違っていても、文化や考え方、感じ方が近く、共感しながら読めました。

    そして、衝撃の真相… 北欧ミステリ作品、「カミラ・レックバリ」作品は初めて読んだのですが、、、

    面白かったなぁ… クライマックスでは心臓がバクバクしてきて、心を揺さぶられるという表現がぴったりの作品でしたね。

    表現が難しいのですが、日本の作家だと「松本清張」作品や「東野圭吾」作品を読み終わったときと同じような感覚でした。


    登場人物が多いのですが、一人ひとりの生活や性格、人格を形成した背景、複雑な人間関係等が丁寧に描かれていて、読みながら徐々に感情移入して行き、自分もスウェーデンの海岸の小さな町フィエルバッカ(なんと作者の故郷とのこと)の住人になったような感じ、、、

    気持ちが入り過ぎてしまい、終盤では興奮が抑えきれない感じでしたね。


    舞台がスウェーデンということもあり、人名や地名が覚えにくかったですが、人物相関図が付いていたので理解しやすかったです。

    海外の作品を読むときには、メモ帳に人物相関図を記入しながら読むことが多いので、これは助かりますね。


    薄くなった頭髪を隠すような髪型をしており、捜査に関して自信過剰のターヌムスヘーデ警察署署長「メルバリ」や、「アレクス」の死体の第一発見者で妻との生活に疲れ果てた元漁師「エイラート」のスペイン脱出等、主題とは関係ないサイドストーリーも、なかなか凝っていて愉しめました。

    他の作品も読みたくなりましたね。


    以下、主な登場人物です。

    「エリカ・ファルク」
     伝記作家

    「パトリック・ヘードストルム」
     ターヌムスヘーデ警察署刑事

    「アレクサンドラ(アレクス)・ヴィークネル」
     ギャラリー経営、エリカの子供時代の親友
     
    「ヘンリック・ヴィークネル」
     アレクサンドラの夫、会社経営の資産家
     
    「カルエーリック・カールグレーン」
     アレクサンドラの父親
     
    「ビルギット・カールグレーン」
     アレクサンドラの母親
     
    「ユーリア・カールグレーン」
     アレクサンドラの妹
     
    「アンデシュ・ニルソン」
     画家
     
    「ヴェーラ・ニルソン」
     アンデシュの母親
     
    「ネッリー・ローレンツ」
     缶詰工場創立者の妻
     
    「ニルス・ローレンツ」
     ネッリーの息子、1977年1月失踪

    「ヤーン・ローレンツ」
     ネッリーの養子、缶詰工場社長

    「アンナ・マックスウェル」
     エリカの妹、二児の母

    「ルーカス・マックスウェル」
     アンナの夫、トレーダー

    「バッティル・メルバリ」
     ターヌムスヘーデ警察署署長
     
    「アンニカ・ヤンソン」
     ターヌムスヘーデ警察署事務官

    「ダーン・カールソン」
     漁師、エリカの昔のボーイフレンド
     
    「パニッラ・カールソン」
     ダーンの妻
     
    「トード・ペーデシェン」
     イェーテボリ警察管区法医学室監察医
     
    「エイラート・バリ」
     元漁師

    「スヴェーア・バリ」
     エイラートの妻

  • 2021/12/12読了。

  • このシリーズはもう読まなくていいかな

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