Ker 死神の刻印 (集英社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (560ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087607147

作品紹介・あらすじ

女性検事ヤナには幼い頃の記憶がない。あるのはうなじに刻まれたKer(ケール)の文字だけ……。移民局職員殺害事件がスウェーデン社会のひずみ、そしてヤナの過去へとつながっていく。異色の北欧ミステリ。

感想・レビュー・書評

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  • 全然頭に入ってきませんでした。ちゃんと読もうという自覚がないのはさることながら、
    想像力にも限界はある、と感じました。本文と、書体の違う「匂わせ文」(最後まで読まないと何を意味してるのかわからないのに文章だけ読まさせられる)が交互に行ったり来たり、
    主人公が実はこうだったパターン。ほんと疲れる。振り回されたいんではない。面白いと思いたいだけなんだ。

  • 北欧と言うか ヨーロッパ全域にわたる
    難民・移民問題を考えさせられるミステリー。
    スウェーデンのお隣のノルウェー在住だけど
    本に書かれている雰囲気は同じ。

    少しリアリティ不足な所もあるように感じるけど
    (洗脳されて殺人マシーンになる女主人公とか)
    面白く読めた

  • 率直に言って期待に反したミステリ、かな。

    スピード感があって読みやすく、飽きずに読み切ったことから考えればつまらなくはなかった。が、次作を読みたいとは思わない。

    最初はありがちな北欧ミステリだと思った。子供や移民の悲劇を扱う社会問題や警察チームのプライベート問題などいい意味でありがちだと…。でもこれが中盤直前に予想もしないダークサイドへ反転。途端に興醒め。
    孤高のダークヒロインであればチームワークも必要でなく(今後も見込みなし)、であれば脇キャラのプライベート問題なんて必要があるだろうか。加えて肝心のヒロインに魅力が乏しく、彼女を敵視する同性刑事は問題外。ヒロインとは対照的に描きたいのかもしれないが、粗野でガサツで傲慢な意地汚いキャラにしか見えない。男性陣は警察も検事も特徴がなく、すぐにでも忘れてしまう薄さだ。

    次作以降の興味が湧かないいまひとつなシリーズだった。

  • あまり期待せずに読み始めたが 思った以上に面白かった。骨になる筋書きは目新しくはないが 登場人物それぞれが個性的で引き込まれた。ヤナ(個人的にはKerの方が彼女に合ってると思う)の強さは好きだけれど 他の登場人物は誰も好きになれないw それでも 最後まで一気読みさせられたし スウェーデンではもう出版されてるらしい次回作も 早く読みたい気持ちにさせられた。ただ 頻繁に場面をぶつ切りにされるのはちょっと気になる。この手法でその後の事を書かず場面転換するのは都合が良すぎるというか作者の怠慢な気がしないでもない。

  • スウェーデンの作家「エメリー・シェップ」の長篇ミステリ作品『Ker(ケール) 死神の刻印(原題:Markta for livet)』を読みました。

    「ヨアキム・サンデル」のスパイ小説『スパイは泳ぎつづける』に続きスウェーデンの作家の作品… 連続して北欧ミステリ作品ですね。

    -----story-------------
    女性検事「ヤナ」には幼い頃の記憶がない。
    あるのはうなじに刻まれたKer(ケール)の文字だけ……。
    移民局職員殺害事件がスウェーデン社会のひずみ、そして「ヤナ」の過去へとつながっていく。

    移民局職員が殺された。
    数日後、現場にいたと疑われる少年の遺体が発見され、彼のうなじに文字が刻まれているのを見て、女性検事「ヤナ」は驚愕する。
    同じように自分にも「Ker」という文字が刻まれているのだ。
    少女時代の記憶のない「ヤナ」が事件に深くのめりこむにつれ、徐々に浮かび上がる真実。
    そして「ヤナ」に、自分の過去と対峙する時が迫るのだった…。
    異色のスウェーデン・ミステリー登場!
    -----------------------

    2013年(平成25年)に刊行された「エメリー・シェップ」のデビュー作… さすがに北欧ミステリ、デビュー作ですがクオリティが高かったですねぇ、、、

    やや凄惨な場面はあるものの、次々と新しい課題がでてきて、その課題を一つずつ解いていく中で事件の全貌が明らかになるというミステリらしさが味わえるだけでなく、集中力が途切れないスピーディーな展開と魅力溢れる登場人物により、最期の1ページまで愉しめる作品でした… 特に、暗い過去を抱えたクールで型破りなヒロイン「ヤナ・ベルセリウス」と、個性的でプライベートで何かしらの問題を抱える人間味溢れる警察関係者たちに彩られる人間模様が作品に厚みを加えている感じがしましたね。


    移民局職員の「ハンス・ユレーン」が高級住宅街にある自宅で銃殺され、唯一の手掛かりは現場に残された子どもの指紋だった… 「ハンス」の妻「シェシュティン」があやふやな証言をしたり、自宅から謎の脅迫状がみつかったり、移民局職員という立場を利用した「ハンス」の悪事が判明したりと、捜査は広範囲に及ぶ、、、

    その後、海辺で銃殺された少年の遺体が発見され、その少年が「ハンス」の殺害に関わっていると思われるが、少年の身元は判明せず、事件に関わっている理由や果たした役割も不明のままで謎は深まるばかり。

    事件を担当するノルシェーピン地方検察庁の若手検事「ヤナ」は、少年のうなじに「タナトス」という文字が刻まれていたことを知り、自分にも刻まれている「ケール」という文字との関連性に気付き愕然とする… 養子となる前の記憶を喪失している彼女は警察とは別に独自に事件を調べるうち、徐々に己の忌まわしい過去を知ることになる。

    そして、「ヤナ」は検事として事件を解決することと、一個人として私怨を晴らすことの、双方に向き合って行く… 記憶には残っていないものの、幼少時に訓練された格闘技術や戦闘能力を身体が覚えており、危機に晒されると咄嗟に身体が反応しちゃうところは凄かったですねぇ、、、

    でも、相手が悪人とはいえ、検事という立場で何人も殺しちゃって隠蔽しちゃうところは、好き/嫌いの分かれるところかも… 私は「ダーティハリー」っぽくて好きですけどね。

    オーソドックスな警察小説にダークヒロインを加えることにより独特な作風になっているところが印象的でした… 「ヤナ」は、かなり大胆な行動を取っているので、他の警察関係者にダークな部分がばれちゃうんじゃないかと、やや気になりましたけどね、、、

    「ヤナ」の秘密を知り、「ヤナ」の命を狙っている「ダニーロ・ペーニャ」に逃げられちゃったので、この後の展開が気になるところ… スウェーデンでは続篇が刊行されているらしいので、翻訳されるのが待ち遠しいですね。



    以下、主な登場人物です。

    「ヤナ・ベルセリウス」
     ノルシェーピン地方検察庁検事

    「ヘンリック・レヴィーン」
     ノルシェーピン署警部

    「マリア(ミア)・ボランデル」
     ノルシェーピン署警部補

    「グンナル・エルン」
     ノルシェーピン署捜査チームリーダー

    「アネリー・リンドグレン」
     ノルシェーピン署鑑識官

    「オーラ・セーデシュトレム」
     ノルシェーピン署捜査官

    「カーリン・ラドレル」
     エステルイェートランド県警本部長

    「トシュテン・グラナート」
     ノルシェーピン地方検察庁地方検事長

    「ハンス・ユレーン」
     移民局難民問題担当主任

    「シェシュティン・ユレーン」
     ハンスの妻

    「レーナ・ヴィークストレム」
     ハンスの秘書

    「カール・ベルセリウス」
     ヤナの父親。元検事総長

    「ビョルン・アールマン」
     法医学者

    「ペール・オーストレム」
     ヤナの同僚検事

    「ダニーロ・ペーニャ」
     ヤナの過去を知る男

    「タナトス」
     殺人容疑の少年

    「ガヴリル・ボラナキ」
     "パパ"

    「トーマス・リュドベリ」
     湾岸倉庫の従業員

    「アンデシュ・ポールソン」
     運送業者

    「ユセフ・アブルハム」
     ハンスの脅迫者

  • ヘレンハルメ美穂さん訳とあって、非常に読み易い。スウェーデンミステリー界のホープと表紙裏にあったのに‥何故消えたか。
    読み終えると解った⇒日本と異なり、欧州そして北欧一帯は移民問題、児童虐待が多く、それをネタにした小説は今やありきたり。
    最初は面白かったのだがなぜか魅力に乏しいヤナ、対する女性刑事ともに「嫌な人格」

    時折挿入されるフォントが異なる「少女の呟き」残り3割のところでその少女が現実に肉薄して行く~そして解けた謎の正体。

    次作も読んでみたいけど。

  • 北欧ミステリ面白いですね。翻訳がいいのか切れ味ある文章が気持ちいい。主人公の謎は明らかになるが次作への期待をもたせる終わり方。ということは次はミステリよりもアクション寄り?本作もバイオレンスな描写いけてます。

  • Pルメートルさんにハマッて、何か他におしゃれっぽい外国ミステリーものって読んだけど、アッチのがずっと良かった。ラノベっぽく感じた。

  • スウェーデンミステリ。最近よく見るようなったけど、流行っているのだろうか。
    真相?は早期から分かるが、危ない橋をガンガン渡っていくヤナの行動力にドキドキしてしまった。しかし、ダークヒロイン?とはいえ人を殺しすぎな気も。こんな検事いたら大変。脇役の刑事たちもいい味を出しているが、ミアのクズっぷはひどい。こんな警察もいたら大変。

  • また面白いスウェーデンミステリーが出た。作者デビュー作。
     移民局職員が殺される。続いて現場にいたとされる少年の遺体も見つかるが、彼のうなじには文字が刻まれていた。そしてその刻印は、事件を捜査する女性検事ヤナにもあったのだ。養子で幼いころの記憶がないヤナは自分の過去を探す…。
     途中から真相はなんとなくわかったけど、設定が警察小説としては異色だと思う。スト-リーはどんどん動くので退屈しない。伏線も残っているし、次も楽しみ。

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