木もれ日を縫う

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著者 : 谷瑞恵
  • 集英社 (2016年11月4日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087710151

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木もれ日を縫うの感想・レビュー・書評

  • 1年以上も前に姿を消した母。
    生家を嫌い、母の生き方を嫌い、東京で暮らす、紬、姉の麻弥と絹代。
    母を記憶の外へと押しやっていた3人の前に、「山姥」になったと言う母が突然現れ…

    山姥って…?と、思いつつ読みすすめました。
    その謎が明らかになるとともに、暖かい気持ちに。

  • ある日、紬の元に「母」が来た。
    「母」は山姥になったのだと言う。
    そんな馬鹿な話があるか、そう思っていたが、「母」は紬の心を読んだ。
    それによって、紬は次第に母は本当に山姥になったのかもしれない、と思うようになる。
    そして「母」は、最先端でなければ、田舎臭さをなくさねば、そう意気込む紬の心も変えていく。

    麻弥はショートカットの似合う男勝りな女性。
    妹の紬に頼まれて、「母」に会う。
    そして彼女も同じように、いないものと考えて来た「自分」を取り戻す。

    最後は長姉絹代。
    彼女はセレブな奥様、のはずだった。
    彼女は人知れず夫との関係に悩んでいたが、やはり山姥の「母」に問題の根源に気付かされる。

    三姉妹はそれぞれ、自分の心を解き放ったが、さて、この「母」は本当にあの、母なのだろうか?

    母が大事にしていた古い布。
    それは母の愛のかたまりだった。
    小さい娘たちを思って、思い出を繋ぎ合わせて、残されたものたちが助け合えるように。
    自分を偽ることなく、のびのびと生きていけるように。

    人の過去は決して美しい布だけでできているわけではない。
    破れたもの、汚れたもの、失敗したもの……。
    しかしそれすらも愛と言う名の糸で縫い合わせられたならば。
    そこには、その人にしか作れない、生きた証が縫い上がるに違いない。

  • 田舎の母が失踪してから2年。
    三女紬の前に突然現れた母という女性は、雰囲気はそっくりでも、別人ではないかと思わされる人だった。

    ひとつ前に読んだ本も、別人?という話だったので、あら偶然と初回の驚き。
    更に、山姥で二度目の驚き。

    戸惑いつつも読み進めると、母から娘達への愛情と、高齢老人の友情の物語だったと気付かされます。

    母が残した過去を集め繋いだパッチワークが目に浮かぶよう。
    母の思いでは、再会することはなくて当たり前でも、3人のために、せめてひと目だけでも再開させてあげたかったと思いました。

  • 山姥という単語のインパクトが強すぎましたが、ミステリーというよりもパッチワークと思い出、人の心を繋いでいく物語だったなと。

    谷さんのファンタジー作品がまた読みたいなぁ。

  • 行方不明だった母親が山姥になって現れた。疎遠だった娘たちにパッチワークを渡してから山に帰ると言う母は本当に母なのか?母の出現をきっかけに姉妹たちが変わっていく。奇妙だけどいい話だった。

  • 図書館より。

    さらりと一気読み。
    ヤバイ、初め本気で山姥かと思ってた(笑)だんだんと別人が本当で、誰かもハッキリとしてくるんだけど...やられた感じ。

    でも、三姉妹みんな幸せになれそうで良かった。

  • 私にも老いた母がいる。認知症の兆候があったけど幸い良い薬があり山姥とならずに暮らしてる。今は車で一時間程の距離に離れて暮らしているが日々に追われてくたくたなのに毎週顔を出すことを続けてる。そんな母を疎ましく思う時もある。でもこの本を読んで涙が止まらかった。正直辛かった。山姥になってしまう前に、在りし日の母が消えてしまう前にもっと優しくしてあげたいと思った。
    そして自分も年を取ったらどのように消えていくのか、山姥になってしまわないか怖くなった。

  • 田舎の古臭さを全部背負ってるような母親。その象徴のようなパッチワークが、捉え方次第で、いろんな物語が縫い合わされた奥深いものに変わっていった。自分の根っこはずっと付いて回るんだと思う。ちゃんと向き合わないといけないけど難しい。花の下のパッチワークが暖かい。

  • 山姥をキーワードに母子、姉妹の情愛を丁寧に丁寧に描いた作品。
    心がバラバラだった三姉妹と母が交流を深めていくきっかけは
    少しばかり不可解で悲しさが伴うけれど
    こういった描き方もありだなぁと。

    人に対して優しくなりたい
    そう思わせてくれる作品だったように思う。

  • 母の生き方を嫌い、田舎から出て、それぞれ東京で暮らす3人姉妹。
    そこへ1年以上も前に行方不明になった母が突然姿を現した。
    母は「山姥」になったと言うのだが…
    突拍子もないことになり、しかも別人の疑いも。

    パッチワークを通じ、バラバラの3姉妹と母とも繋がっていき
    また「山姥」の事情も明らかになってきます。

    えっ?ここで終わってしまうの?というところでした。
    お母さんとの再会とか
    古書店の柳川さんとか、パッチワークの翼さんとか、どうなるのかしら?気になる。

  • ファッション業界で働く小峰紬の前に、
    行方不明だった母親の文子が姿を現した。
    面影にどこか違和感がある母に困惑する紬は、
    年の離れた姉の麻弥と絹代に相談するが…。
    切なく温かいミステリー。

  • 小説すばる2015年12月号〜2016年6月号掲載のものを2016年11月集英社から刊行。「思い出のとき修理します」でファンタジーとも現実ともつかない世界を描いていた谷さんは、この話では、きっちりと謎解きを用意しました。行方不明だった母と三姉妹のちょっと不思議で、ノスタルジックな関係が興味深く、楽しかったです。

  • 前半は山姥?という感じだったが、後半、謎がいろいろと明らかになっていき、どんどん引き込まれていった。心が温かくなる小説だ。

  • 故郷を捨て、都会で暮らす三人の娘たちに会いに来た「母親」は、本当に母親なのか。「山姥」になるとはどういうことなのか。自分に自信が持てない娘たちが、「母親」の訪れをきっかけに、自分らしい生き方を見つけていく物語。
     「母親」はこれでいいのだろうけど、娘たちはこれでいいのか、割り切れない気分が残る。

  • 母によって、3姉妹は本当の自分を取り戻したんだ。

  • 谷さんの作品は異人館画廊しか読んだことがなかったのですが、雰囲気がガラリと一変しつつも、きれいな表現や比喩はそのままに、先の展開が気になって前のめりになりながら読みました。楽しかった…!

    「山姥」という言葉。
    古書店店主の柳川。
    誰も知らない過去。
    ファンタジーのような現実。

    大好きな作品になりました。

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木もれ日を縫うの作品紹介

行方不明だった母親が帰ってきた。けれど、久しぶりに対面する彼女は、どこかが以前と違っていて……。『思い出のとき修理します』の著者が描く、三姉妹と母との絆をめぐる切なく温かいミステリー。


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