Good old boys

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著者 : 本多孝好
  • 集英社 (2016年12月15日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087710212

Good old boysの感想・レビュー・書評

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  • サッカーを通じて各家庭の事情、人柄、性格なと、短編て書かれて分かり易い。勝ち負けにこだわらない、そんな育成方針も羨ましいっす。現代ではなかなか出来ないし、そんな環境はないね。

  • 小学生サッカーチーム八人の親が主役となる短編集。
    その中でユウマの父が主役となったものが、最もよかった。
    才能、環境、努力、結果、評価、処遇…
    そうしたものと、家族としての夫婦、父子の関わり合い。
    この短編だけ見れば星五つ。

  • 親目線で見る少年サッカー。本多さんの作品にしては珍しい作風に感じた。子供達の思い、親の思い、監督やコーチの思いそれぞれが重なり、ラストは泣いてしまいました。読後、心がスッキリする物語。

  • 素晴らしい作品。ちょっとベタな内容かもしれないけど、読み終わった後に爽やかな気持ちにさせてくれる。こういう作風は大好き。全体としては爽やかな内容の中に重くて現実的な子育ての課題が書かれていて、いろんな視点から物事を考えさせられた。あと20年して子育てを振り返れる歳になったらまた読みたいと思った。

  • こういった話も書くんですね。
    子どもも大人もガンバレ。

  • 面白かった
    確かに old boys

  •  桜の木の話は無くても良い。
     お父さんたちの素敵な自分探しの物語。
     ただ、それが読めれば。

  • 牧原スワンズは地域の少年サッカーチーム。学年毎にチーム分けされていて、えがかれる代は一勝どころか一得点もあげていない。メンバーの七人の男子と一人の女子からなる各章。そして、そう、いよいよその時がやってくる。彼ら彼女とその家族たちのあれこれを垣間見て
    きて必然的に力がはいるのだ。著者はその場面をどうつづるのか。ハルカの章で自ら植樹した桜をみつめながらスワンズにこめた思いを語る監督。それは”時間”のためだという。エピローグ、六十年の役目を終えソメイヨシノが伐採されるのを見守る。しばらくしてあらたに挿し木での代替わりになるという。校庭そよ吹く柔らかな風と無限に広がり流れる時間が心地いいなあ。

    各章の印象はどこかに書き残しておこう。

     最近見学に来なくなった母親の変化に両親の不仲を心配するユキナリ。子供の鋭敏な観察眼に触れ、結婚十一年目のちょっとした、しかしよくあるであろうお互いが敏感なところを見過ごすことに慣れてしまうことで生じる擦れ違いに気づき気づかされる夫婦。夫の部下から届く気を引くメールが夫婦間の溝をひろげようとする構成になるほど感。

     かつてはプロの一歩手前までいった父親のDNAを受け継ぐチーム一番の巧者ユウマ。彼を身ごもったと彼女に告げられたのは、JFLへ昇格を決めたチームから必要ないと言い渡され海外へ新天地をとも考えた時だた。ゴール前で躊躇するよう一拍おいてしまう息子に気弱さや物足りなさを感じるが監督は「でも、楽しそうです」と微笑む。チームを替えようかとの妻への相談時、かつての告白でブラジル行きを断念し自らサッカーを遠ざけた悔恨が交錯する。そんなパパに「ちょっとまってて」とわが子の「誕生日に欲しいものリスト」を持ってきて、息子の行く手に広く深く広がる時間を見守ろうと急ぎ過ぎる夫をいさめるママ。このシーンとてもいい。

     ヒロの兄テツオは引きこもっている。進学した中学でのイジメを看過できず父に相談したが適切なアドバイスを得られなかった。会社では総務に属しメールで退職を願い出た新入社員を連れ戻す役を仰せつかる。理由はあからさまな有力取引先への贈賄的行為や接待の場に女子社員を差し出すような振る舞い。堅い決意の由を営業部の責任者に伝えるもそんな役目はお前が引き継げと無茶振りされる始末。真っ当な正義感と危ういナイーブさ、長男と新入社員の姿がだぶる。会話の途絶えた息子との仲直りのきっかけとなる言葉をゲーム時間の延長是認と引き換えにヒロから手に入れた。それは「ヘイ」という一言。監督が言っていた「相手のことをしっかり見て、相手のことを考えて、自分の行動を決められたら、それが仲良くなる第一歩だ」。ボールを蹴りあうときに発する掛け声だ。深夜人気のない校庭で独りボールを蹴るテツオ。目の前にころがってきたボールを「ヘイ」といって蹴り返す父。

     ブラジル人の父をもつリキはサッカーが上手ではない。でも父は気にしない。フッチボウは楽しさが一番。「ここにくれば友達がボール蹴っている。それだけす」牧原スワンズに決めたのもそんな監督のことばだった。当初は美徳と感じていた日本人の繊細さや生真面目さは度を越した神経質さと特有な排他的感覚だと日に日に感じるようになってきて故郷への思いを募らせていった。そんな時コンビニで喫煙・飲酒する少年たちをみかる。注意しようと一人の大人が近づく。スワンズのコーだ。見ぬふりをしようとしたが、大きな体で威嚇し追いう。唇から出血している彼に危険を顧みず立ち向かった理由を尋ねる。かつてチームに所属していた少年がその中にいたとのこと。四年間ボールを蹴りあった時間を共有した彼は見過ごせない。そしてきちんとかけた時間は彼に通じたという。少年はコーチには手を出さなかったら。彼とかかわった大人が声をかけ続ければ彼もそうそう悪いことはできないと。

     スワンズでユウマのパスを受けられるのはショウだけ。ハルカと三人で点をとるフォーメーションを考えているようだ。そんなチームにみんなの成長を感じている水島コーチ。相手強豪チームの強さは認めるがジャッジの拙さや偏りをも利用し勝利にこだわるサッカーの将来
    を案じる。とにかく試合を楽しんでいない。彼らが中高と進んでどんなサッカーをしているのか。何か楽しいことがないかなと思ったときボールを蹴るようになるとは思えないと口にする。選手たちはコーチの指示を忠実に聞く操り人形のよう。たびたび家を空けるようになったショウの姉ユキナ。おなじ言葉で敵意をぶつけられたことがあった。今朝も朝帰り。知らないシャンプーの香りを残し部屋に入っていったという。試合中のプレイに意見したことにも若干ふてくされているショウ。ユキナとともに妻の作ったチャーハンは食べないという。味付けを誤ったからちょうどよかったという彼女。「どこで間違えたのかな」「何を失敗したんだろう」そうつぶやく夫にズバリと切り返す妻の態度がいさぎよい。何のと、チャーハンのこと?ボケも効いている。

     キーパーを務めるダイゴはチームメイトたちとソウケッキショウカイを開いた。直に引っ越してしまうというハルカのためにとにかく一勝をあげるためだ。でも彼以外は引越しのことは耳にしていない。彼の聞き違い?いや、まさかのまさか?。みなの思いのつまった試合は
    ダイゴの好守もあってこう着。自陣への戻りを控えハルカ含めた三人で得点を狙う。引き分け、勝ち点1という結果も見え出したとき相手にPKをあたえてしまう。守りきれずにホイッスル。観戦の中、前夫とのもうひとりの子供セイヤと心を通わす現夫。こどもたちの一生懸命さが大人たちの心をほぐしていく。単身赴任をしている妻がたてた弁護士からいきなり離婚を切り出される。理由は主夫として娘と暮らす僕の名誉のためだということで明らかにされない。ハルカはひきとるという。半年後以降は月一で会えるというのだが。ハルカに妻のところへ”引っ越す”ことを促すが気持ちののらない娘。その視線の先には僕に備わる「ギフト」によって見える少年がいる。その人が抱く強い感情が作り出すものが僕には見えるのだ。妻になる前の不倫の相手もわかっていてそんな経緯で一緒になった二人。自分以外に好きな人ができたことを見られたくないことが理由だと思ったけれど実は同様の能力を持ち出したハルカを夫から遠ざけることが別離のそれであることに気づく僕。その力によって苦しんできたことを妻は知っているから。監督がチームを作った理由が語られるこの章。大切な時間を紡ぎ重ねていく尊さ。二人がそしてハルカを加えた三人が築いてきた時間が三人を救いますようにと強く感じる。

     久しぶりに実家に帰り、父が作り与えてくれたトイロボット「ショータ」を手に取る。ソウタという名前はここから発想されたのだ。母と一緒に認知症が進んだ父に会いにいく。息子の事は忘れてしまっている。「私に息子はおらん」と父。施設にいた私の里親になってくれた両親。小さなおもちゃ会社をおこしわが子をを後継者へと願ったが違う道を歩んだ不肖の私。ふたりの期待を裏切ってしまったことを考えると当然の帰結かもしれないとだれにともなくつぶやいた。そんなことを思い出しながら最終戦の会場に向かう。ソウタをスワンズに入れたのは日曜日に息子とどう向き合えばよいかわからなかったから。自分も父と同じだ。試合は進む。全力でボールを追い回すソウタ。一生懸命さは母が懐かしそうに触れていたかつての自分と同じだ。彼の頑張りで相手チームの攻撃が乱れる。後半相手は本気モード。でもソウタの動きは変わらない。ユウマパパがほめる。それぞれのパパ達が子供たちに声をかけ励まし力づける。そしてついにその時が。
     

  • サッカーの話。

  • 地域最弱、今まで一勝もしたことのない少年サッカーチーム、牧原スワンズの4年生。
    子ザルのようにサッカーを楽しんでいる彼らの「父親」・・・オールドボーイズの物語だ。

    年齢も職業も年収も異なる父親たち。
    妻との距離を取りあぐねている者、不登校の息子を抱えた者、子供を思うあまり厳しくなってしまう者、子供との接し方がわからない者・・・・さまざまな父親たちは、それぞれ、仕事や家庭に大なり小なりの問題を抱えている。
    たまに生きあぐねながらも、それでも生きる日々が、優しく、ユーモアを交えて描かれている。
    ひとつひとつの短編が粒ぞろいで、ちょっと泣きたくなるような気持ちになるものも多い。
    生きるっていうのはたやすくないけれど、捨てたものじゃないぞ、という気分になる。

    サッカー少年少女じゃなく、そのお父さんたちに強く共感してしまうというのは、自分も年をとったってことだなぁ、としみじみ。
    出てくる奥さんたちがみんないい女でかっこいい。

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Good old boysの作品紹介

弱小少年サッカーチームで楽しそうにボールを蹴る子どもたち。一方、彼らをサポートする父親たちは、それぞれに悩みを抱えていて……。8組の父と子の心のふれあいと成長を描く、胸打つ家族小説集。

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