今ひとたびの、和泉式部

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 124
感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087710458

作品紹介・あらすじ

優れた歌人として、また藤原道長から「浮かれ女」と呼ばれ、恋多き女として語られる和泉式部。恋をしたのは次々と恋を失ったから、不運な出来事が続いたから……。和泉式部の実像に迫る、歴史小説。

感想・レビュー・書評

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  • 背景の物語が提示されると、和歌の味わいも深くなる。恋愛小説と思って読んでいたら、藤原道長の治世で政治に翻弄された女性をめぐるミステリー小説の要素もあった。

  • 時代小説あまり読まないのですが、何かで紹介されていて。諸田玲子さんの著書も読んでみたくて。
    恋多き女性というイメージがあった和泉式部ですが、そうせざるを得なかった状況に追い込まれてという感じ。でもその度に情熱的に思い合っていて、女性として幸せな事だと思う。
    久しぶりに平安時代にひたった。むかしあさきゆめみし読んだ頃を思い出した。

  • 恋多き和泉式部が一番に想いを寄せていたのは果たして誰だったのかという雅なミステリーなのかと思っていたら、衝撃的な結末。
    読み終えてまた、ページをめくってしまいました。
    和泉式部の歌が散りばめられ歴史に基づいた宮廷の方々の生死にも触れ、贅沢極まりない一冊でした。

  • 和泉式部、百人一首の和歌を知っている程度でした。
    この本のお陰で、立体的な和泉式部像を掴むことができました。
    平安時代は、平安なのにドス黒い!

  • 第10回 親鸞賞 受賞作
     比類なき和歌の才能で王朝の宮廷に名を馳せながら、藤原道長からは「浮かれ女」、紫式部からは「けしからぬかたこそあれ」などと揶揄され、派手好みの恋多き女性というイメージが強い和泉式部。彼女の素顔はいかなるものだったのか。和泉式部の養父である大江匡衡と赤染衛門の娘・江侍従は式部に魅せられ、「和泉式部物語」からあえて省かれてしまった真実を探ろうと奔走するが…。

    ※親鸞聖人の遺徳をしのび顕彰するために、またこれからの日本の文化と文学の振興に寄与するために、本願寺維持財団(当時:現一般財団法人本願寺文化興隆財団)が2000年に創設。日本の宗教風土とそこに根差した精神文化に基づく、人間の深い希求の心を感じ取ることの出来る優れた作品に贈呈している。
    同財団では、親鸞賞(フィクション対象)と蓮如賞(ノンフィクション対象)を隔年で開催している。

  • 3.5ぐらい。
    恋多き歌人・和泉式部の半生。
    意外なラスト。
    ミステリーとしては読ませるけれど、女が男とすぐに寝るというお話なので、あまり感慨深いものはない。

  • 和泉式部は歌詠みの職人、「天皇」と同じ。いとも容易く歌を詠みます。ただその権力の側におさまりきらないところがあって、はみ出します。そこが面白い。諸田さんにしては珍しく、少し凝った構成のサスペンス仕立て、最後は哀しい結末だけれど読後は満足。馴染みの名前が次から次にあらわれて、これも楽しい。

  • もう少し丁寧に最後にもっていってほしかったかも。

  • 和泉式部が亡くなったことを知った彼女に縁のある人々が恋多き和泉式部が本当は誰を一番愛していたのかと語り合う導入から始まり、和泉式部自身が語る半生と赤染衛門の娘江侍従が和泉式部の人生をより知ろうと縁の人々から情報を集める物語が交互に描かれ、やがて和泉式部の死におけるミステリーとなるという展開は面白かったが、和泉式部の恋多き部分に酔いしれるとしたら、まだ瀬戸内寂聴さんが出家される前に書かれた「煩悩夢幻」の方が好き。

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著者プロフィール

諸田玲子
静岡県生まれ。上智大学文学部英文科卒。一九九六年『眩惑』でデビュー。二〇〇三年『其の一日』で吉川英治文学新人賞、〇七年『奸婦にあらず』で新田次郎文学賞、一八年『今ひとたびの、和泉式部』で親鸞賞を受賞。著書に『お鳥見女房』『あくじゃれ瓢六』『きりきり舞い』シリーズのほか、『四十八人目の忠臣』『波止場浪漫』『帰蝶』『女だてら』『尼子姫十勇士』『しのぶ恋』など多数。

「2023年 『其の一日 増補新版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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