風花

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著者 : 川上弘美
  • 集英社 (2008年4月2日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087712070

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風花の感想・レビュー・書評

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  • 初の川上弘美作品。

    33歳ののゆりが、夫の浮気を匿名の電話で知らされ、夫から離婚したいと切り出されるも、日々の生活を続け二年の歳月をかけて、本当の自分の気持ちに気付くお話。

    ふわふわして、何となく緩いのゆりの行動が、同性としてチト鼻につく。
    離婚したくないと言いながらも、年の近い叔父と温泉旅行や、講座で知り合った大学生と食事や飲みに行ったりする。
    色っぽい関係は望まないが、旦那さんを解放しないくせに、他の異性で隙間を埋めてる行動が意外としたたかな女に見える。

    小説としては、淡々としていて退屈なのに、のゆりに心の中で突っ込みながら、最後まで読んで納得いったから良しとしましょう。

    それにしても、旦那さん情けないな〜(-.-)

  • 大好きな川上弘美さんの新作。

    ―ひややかなものが、こみあげてくる。卓哉とは、きちんと別れよう。決意のようなものがやってくる。けれど、決意しようとしたとたんに、悲しみが体を満たす。
    この人をずっと好きでいることができるのは、きっと、わたしだけなのに。

    33歳、のゆり。夫に恋人がいた。そのほかにも関係を持った人。無言電話、嫌がらせ。叔父にあたる真人の存在がどれだけ救われたか。
    もしあたしだったら身もこころもダメにしてしまうだろう。のゆりが強いのか定かではない。
    ただ、21で結婚歴もないあたしにはまだわからない。わからないけど『この人をずっと好きでいることができるのは、きっと、わたしだけだ』というのだけは理解でき、苦しく切なくなる。

  • のゆりは卓哉と結婚7年目の夫婦。その卓哉が里美と浮気をしていた。卓哉はのゆりとの離婚までほのめかしながら里美との浮気を話す。のゆりは里美にあい、里美の気持ちを聞くが、里美は離婚は望んでおらず、離婚したとしても自分は結婚する気持ちはないという。思い悩んだのゆりは自分と年の離れていない叔父の真人と岩手の温泉場に旅行に行き相談する。自分自身の気持ちがわからないのゆりは苦しみ悩み、徐々にすすむ方向を見つけていく。

    のゆりのおぼつかない足取り、どうしていいかわからないという気持ちがもどかしくて、読んでいて歯痒かったけど、きっとそうなんだろうなって思えた。

    何かが起こったとき、すぐに感情が爆発できるとは限らない。それが大切なもの、身近な物であるほど、思考は停止してしまうように思う。

    その中で時が解決してくれるように、ゆっくりだけどのゆりは1歩1歩すすんでいく。

    頑張れって言葉にしないで、ただじっと見守ってあげたい気持ち。

    読んでいくと、のゆりの成長と共に、私の気持ちの歯痒さも楽になっていったように思う。

    静かな時の流れの中で、でも真剣に自分の気持ちに向き合えたのゆりは、とても強い女性だと思う。

    また叔父の真人との関係も不思議。

    相談したいのが女友達でないのが、なんとも「良い味」なのかもしれない。

    きっとまた少し大人なった私が読んだら、違う感想を持ちそうな本です。

  • どうしたらいいんだ。
    別れたくなかったのに、
    本当は別れると知っていたんだ。

    終わるという瞬間と、
    終わるという経験とが、
    いちどきに来てくれるのならば、
    どれだけ、楽だろうか。

    二つの間に時間と距離があることが、
    結局別れの苦しさとイコールになるのだと思う。

  • 川上ワールドは居心地いいんだけど、主人公みたいな、人の感情どころか自分の気持ちにも鈍くて考えようともしない「女の子」とは私はお友達になれない。いらっとしたわー。

  • 夫に浮気され、離婚するか迷っている主人公ののゆり。
    何度かかかってくる無言電話。煮え切らない夫・卓哉の態度。
    夫の浮気相手・里美と会うことになったりもする。
    話が進み、とうとうのゆりは夫と別居の道を選ぶ。
    そんななか、医療事務の講座で会った青年・瑛二と微妙な関係になるも、先へは踏み出さない。
    波長が合う人、叔父の真人(この人も浮気経験者)との旅行や、働き始めた職場で出会った人とのつながり、昔の学友・唐沢知子と関わることで自分を見つめ直す。

    夫・卓哉のだめだめぶりに腹を立てて読み進めながらも、何というか捨てきれない何かを感じてしまいました。
    瑛二とそういう関係に至らなかったのは、けじめがついてない状態だからなのかな。
    最後は夫と別れようと言いつつも完全に離れないところで終わっていましたが、「卓哉ってこういう人なんだな」というのは嫌というほどわかってると思う。
    そいう人だとわかったうえで、なお離れない道を選ぶのか、離れるのか。それはのゆりの決断というか、この話にとってはおまけのようなものなんだと思った。

    出てきた登場人物の中で、唐沢知子が一番良かった。
    旅行中何度かのゆりと気まずくなるんだけど、時間が経つとけろりとしている。
    人の好き・嫌いって、ぱっきりと分かれているわけではなく、グレーの部分もあるんだと思う。
    どんなに好きでも嫌な面はあるし、衝突もする。それでも全体的に好きなら一緒にいられる。人付き合いってそういうところ、ありませんか?
    のゆりも唐沢知子と行動を共にして、そういう曖昧な部分に気が付いたのかも。

  • ふわーっとしたまま、ふわーっと読了。
    ふとした瞬間に、この人こんなだっけ?と思うことは、結婚生活を長く続けていてもたまにあります。
    結局、誰かを100%理解できることってないんだよね。
    なんだかさみしいけど、最大公約数的ななにかを持っているのが夫婦や家族なのかも?

  • 「すばる」 掲載された小説なので、書き下しとは少しく趣がちがう。長編恋愛小説というより、連作夢小説といった感じです。そう考えると、「のゆり」 のキャラクターがいいし、脇役はとってもいい。だけど卓哉はまるでのゆりの夢の中にいるようで、存在感が薄い。
    一応離婚の危機にある夫婦を描いているけれど、どろどろと深刻にならず、最後、安易に拠りを戻さず、のゆりが元気で明るい未来に踏み出したところで、ハッピーエンドにならなかったのがかえっていいです。
    乾いた硬質な文体、「真鶴」 とも、「センセイの鞄」 とももちろん違う。比喩は絶妙、言葉あそびも多い、題名の 「風花」 もそうだけど、「体のどこかしらの糸がほつれているような感じの声音」 といった描写や、楽しいことば、食べづわり、春昼(光がまぶしい。喫茶店の、通りに面した天井から床までが、全面ガラスばりになっている。)など、ほら話は少なめですが、川上節は健在です。

    無言電話に悩み、

    それでも食欲がなくなったり、体重が減ったり増えたり、眠りにつきにくくなったり、といった具体的な障りは何もなかった。...ただ、明けがたかに、のゆりは夢をみるようになっていた。

    「卓哉」 という音を口にしたとたんに、目の前の
    「卓チャン」 だったはずの男の輪郭が、
    ずれてゆくのだった。

  • そのあとマイケルは仕事があったので、終わるまでカフェで読書して待つ。やっぱり今回も川上弘美さん選んじゃった。「風花」。なぜ川上弘美さん好きなのかなーと色々考えていたら、あとがきの小池真理子さんがしっかり言い当ててくれていた。


    これは前作と違い、一気に読みきった


    「肩肘をはって構築されたようなものは、一切、見えてこない。そこにあるのは静かに音もなく流れていく、水のような世界である。説明したり、分析したりすることが不可能というよりも、その必要がなくなる世界、と言えばいいだろうか」(304ページ)

    穏やかに過ごしたい今、自分の気持ちに合ってるのかもしれない。

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