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この作品に関連する談話室の質問
この作品からのみんなの引用
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昔は夢中になって、最後まで一気に読んでいた。早く読めることを誇ったりもした。けれど今は、あえて時間をかける。のんびりと文字を追う。たとえ気されていなくても、確かに伝わってくることがあるからだ。
― 154ページ -
買ってから三年ほどたつその靴は、だいぶ色が変わり、形も少し崩れていた。ただ、真新しいときよりも、今のくたびれた姿の方がわたしは好きだった。たくさん歩いて、いろんなものを踏んだり、逆に踏みつけられたりして、この靴はわたしの足に馴染んだのだから。わたしもそうして、世間というものに馴染むのだろう。いろんなものを踏んだり、逆に踏みつけられたりして、少しずつ変わっていくに違いない。いくらか悲しい気もしたけれど、それはきっといいことだった。
― 68ページ -
「食べてみないとわからないなんて、まるで人生みたいじゃないか。この料理を作るたび、あるいは食べるたび、そういうことを思い出す。実に素晴らしい。しょせんはトマトスパゲティだから、なにかを入れすぎても、そこそこおいしくできるんだ。ほら、それもまた、人生みたいだろ」
― 311ページ
みんなの感想・レビュー・書評
大好きな本の一つ。
お兄ちゃんとゆきなが別れるシーンでは、少し泣いてしまいました。
久しぶりにヒット!!と思える作品でした。
私の兄も逢いに来てくれないだろうか。
料理を作れとは言わないから。
兄だけでなく、祖母も。弟も。
いや、逢いにきてるはずだよな。
気づかないだけで。
ほら、こうして時々思い出してる瞬間は
そばにいるんだろうな。
兄と妹。第一話で、兄が2年前に死んだことがあかされる。そこからは、妹の恋の話が続いていき、途中途中で家族のことや兄の死の理由があかされる。ラストで妹の恋はハッピーエンドを迎えるのだが、なぜ幽霊なのか、なぜ両親はずっと海外旅行をしているのか、さっぱりわからないままお話が終わった。
それぞれの話には、泉鏡花など名作がオープニングにでてきて、そのオマージュの形でストーリーが進む。また、同時に兄の料理が必ずでてくる。なんやねん?
エンディングも含めて、すっきりしないお話だった。恋とかの話は苦手だからなんだろうが、女性向きなのかなぁ、この本は。
「兄と彼氏が一緒に料理するなんて最高じゃないか」(108ページ)。確かに最高だ。だが私には兄も彼氏もいない。ちくしょー。
死んだはずの兄が帰ってきて、一緒に暮らす妹。
兄のつくったご飯を食べ、兄の影響でいろいろな本を読む妹。
9つの作品とリンクしながら、話が展開していく物語。
設定がファンタジーで、最初はちょっと読む気が失せてしまった。
また、作中に登場する9つの作品に無理やりこじつけているように感じた部分もあった。
兄妹愛の話がメインだったから、彼氏の話はいらなかったような気もするが、最後は目頭が熱くなった。
ふんわりした物語と思いきや、読み進めていくとほろほろ泣けるシーン多し。
最初、主人公の女の子とそのお兄さんが暮らしている何気ない日常の姿が描かれている。しかし、女の子は違和感を覚えている。だってお兄ちゃんは死んだはずなんだもの。
主人公と幽霊であるお兄ちゃんとの掛け合いが楽しく、すらすらと読める作品。
前半は明るい中にところどころ少し暗めの気になる部分が垣間見えて、後半ではそれが明らかになるが、終始明るめでほのぼのする作品。
かなしくも、美しいお話。
死んでしまったおにいちゃんがある日帰ってきた。
お兄ちゃんと一緒に暮らす日々。
人が生きるって美しいと思う。
愛を持って生きるって、さらに素敵だ。
けれど、心を伝えるのは難しい。
小さなボタンの掛け違いが起こって、うまく直せないこともある。
伝わらないと思っていた想いが、知らないうちに届いているということもある。
自分で自分を決め付けてしまえば、いつまでも小さいままだが、心を開くといろんな可能性が広がっていく。
喜びも悲しみもしっとりと心に沁みていく感覚がすごく好きです。
http://feelingbooks.blog56.fc2.com/blog-entry-833.html
読んでいて安心して、ふんわかしました。
橋本さんは初挑戦でしたが、ありきたりな日常をここまでふつーに
書ききれる人って貴重かも。
途中からの謎解き要素とお兄ちゃんの愛に感謝。
おいしそうな料理が出てくる本より。やっぱり食事は人生の基本で、おいしい料理が作れる人は魅力的だなぁと。
有川浩の植物図鑑が好きな人ならきっと楽しく読める。語り口も展開も、すっきりしている割に何かが残るような。
お兄ちゃんが素敵で、ちょっぴりギュッとなる。
切ないようなあったかいような。
大事な何かが見えそうになります。
あ、あと、本の中に懐かしい本が出てくる(笑)
橋本紡さんの著書の中でこれだけが楽しく飽きずに読めました。
様々な本の内容と主人公の状況がリンクする。
私にとってはちょっと入り込みづらかった。
でもとっても丁寧に書かれてる感じが好感持てた。
井伏鱒二の山椒魚に改訂版があることとか知らなかったし、読んだことない作品が沢山登場したので、それを読んでみたくなった。
読み終えたとき、大きなため息が漏れた。
「生きている」
なんだかわからないけれど、ただ、そう感じた。
生きているが故の、
心の揺らぎが、
迷う弱さが、
間違える愚かさが、
そして、それを赦し包みこむことができるのもまた「生きているということなのだよ」と言われたような、そんな気がした。
再生の物語。
うん。
これは、良作だ。
大学生のゆきなのもとに突然現われた、もういるはずのない兄。奇妙で心地よい二人の生活は、しかし永遠には続かなかった。
お兄ちゃんいい!三回忌に参列する姿がシュールで笑えました。本とお料理と、予定調和の中で物語は進んでいきます。お兄ちゃん、いかないでー!と叫びそうでした。
橋本紡さんってこんなに料理好きだったっけ…(笑)
お兄さんのする料理の描写が細かくて一部だけ読むと料理小説みたい。
実際、妹が居る身としては、この物語のような兄弟関係は綺麗すぎる気もしました。
幽霊が出てくることを除けば、ある女子大生の普通の日常のお話です。

「ナイン・ストーリーズ」といえば、言わずと知れたサリンジャーの名著。
その「ナイン・ストーリーズ」に多くのインスピレーションを与えられた橋本さんが生み出したのがこの作品。一人の若い女性の心の再生を、...





