青嵐の譜

著者 :
  • 集英社
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感想 : 35
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  • Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087713114

感想・レビュー・書評

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  • 教科書にはあっさり元が2回攻めて来て、戦の方法が違っていて驚いたけど台風がやっつけてくれました。なんてニュアンスで説明されている出来事が舞台。
    こういう時代が舞台なのって珍しいんじゃないかなって思います。
    男達の無念な想いに苦しくなります。
    幕府なんなの!?とも思います。
    歴史の授業では分からない人々の想いが間接的でも感じられた気がしてとても良かったと思います。
    でも最後は3人仲直りして欲しかったかなぁ。

  • 関東に住んでみてわかったのですが教科書って東京中心に作られてるよねそれとおんなじで 昔の日本でも京都とか鎌倉とか江戸とかそういう中心から外れた地域は忘れられたり見捨てられたりしたんだとおもういまも 沖縄を 見捨ててるように。

  • ながかった〜!でもハッピーエンドでよかったなあ
    蒙古襲来についてわたしはあまりに知らなすぎるなと思ったので、これを機にもっと勉強しないとと思いました
    火ノ鳥鳳凰編を思い出す、二郎と宗三郎です

  • 意外と面白かった。厚さ気にせず読めた。この時代とっても勉強不足で知ることが出来て良かった。

  • 元寇を背景にした、二人の日本の若者と高麗から逃れた笛の名手の女を中心に展開
    元寇の背後にある悲惨さがよく表せている?
    いつの虚しいのはその他大勢の話
    作者ごく一部の主人公周りは平穏を取り戻すが、その他は?

  • すごく面白かった。のめりこんだ。歴史に翻弄された幼馴染3人の生き様が劇的に描かれる。心を通わせた少年時代、それぞれの夢を求めた成長期、戦乱に翻弄される青年時代、別々の道を辿ってようやく帰り着いた故郷の地。鎌倉時代、元寇が舞台設定というのも珍しいが、いつの時代も人々の想いはさほど変わらない、と思わせてくれる見事な青春小説である。二郎、麗花、宗三郎の主人公3人をはじめ、登場人物のみんなに血の通ったキャラクターが与えられ、物語は生き生きと動き続ける。起承転結は定石ながら、それを苦にしない文章力であり、演出力。これは見事にやられちまった。

  • 鎌倉時代、元寇をテーマにしたエンターテイメント歴史小説。

    鎌倉幕府からの援助がないまま自分たちの領土を必死に守る西国の武士と、力も財もなく敵に殺戮される哀れな市民を、リアルに描いている。

    「神風」や「一所懸命」といった言葉、竹崎季長などの登場人物も懐かしい。

  •  壱岐島に住む二人の少年が高麗の武将の一人娘との偶然の出会いに始まり、三人が歴史の嵐に巻き込まれながらも成長していく、青春時代小説でした。
     当時の大国の政策や様子、博多の街や壱岐島の暮らしなどそれぞれの描写はまるでその絵を見ているかのように浮かび上がりました。

     話の多くを占める戦のシーンも読みながら鳥肌。
     グロテスクで怖い部分もありますが武士同士の信頼関係、人々の潔さにも感動です。
     史実を背景にしたストーリーは面白いですね。
     物語の終わり方も可愛らしくて、これで良かったんだと思っています。

  • 鎌倉時代に起きた元寇を描いた小説です。
    時代小説は中心になっている人物を知らないと読みづらいことがありますが、
    この小説で描かれている登場人物は庶民や九州の武士たちで、
    当時の歴史の中心とは言えない人々で、
    それによって物語がすごく身近に感じられました。

    表現も現代的なものなので、
    とても読みやすいです。
    面白いのでスラスラ進みます。
    元寇が起きたということさえ知っていれば
    誰でも気軽に読める時代小説といえるのではないでしょうか。

    小説のメインテーマともいえるのは、「なぜ戦うのか」という疑問だと思います。
    戦争を起こしているのは政治の中枢にいる人物たちで、
    その人物にはそれなりの思惑があり、利益があるからこそ戦争を起こします。
    しかし、実際に戦うのはその政治の中枢にいる人々ではなく、
    その土地の武士であり、犠牲になるのはその土地の庶民です。
    政治のためになぜ庶民が犠牲にならなければいけないのか。
    それはおかしいと言っているような気がしました。

    それでも生きていくこと。
    生きていくことで犠牲だけでなく得るものはあるのではないか。
    この小説を最後まで読んでそんな希望も感じて、
    最後は血なまぐさい作品だったわりに
    さわやかでした。

  • 天野さんの作品は「桃山ビートトライブ」と短編を一作読んだだけですがユーモラスな人間描写やメッセージ性の強い熱い作風が大好きです。

    今作もドラマチックで、魅力的な脇役を含め登場人物の必死な生き様に胸が熱くなりました。血なまぐさい場面も少なくないので苦手な人にはきついかもしれないけど、物語の内容を思えば仕方ないかと。

    「桃山〜」もそうだったけど、音楽や絵画みたいな芸術や文化のもたらす力を天野さんが信頼されてるのが作品から伝わってきますね。そういうあたりも音楽ファンとしては嬉しいです。

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著者プロフィール

天野純希
1979年生まれ、愛知県名古屋市出身。愛知大学文学部史学科卒業後、2007年に「桃山ビート・トライブ」で第20回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。2013年『破天の剣』で第19回中山義秀文学賞を受賞。近著に『雑賀のいくさ姫』『有楽斎の戦』『信長嫌い』『燕雀の夢』など。

「2023年 『猛き朝日』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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