太陽のパスタ、豆のスープ

著者 :
  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087713329

感想・レビュー・書評

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  • 婚約破棄から立ち直るまでの話。
    すごくネガティブになってしまったり、落ち込んでしまったりした時に、この本を読んだら一緒に立ち直れる気がする。
    なぜだかゆっくりしか読め進められなかった。でも、何に焦ってるかわからない自分を落ち着かせるような感じだった。

  • 結婚を2ヶ月後に控えて婚約破棄された
    女性の成長をコミカルに描いた作品
    気楽に読めた
    大切なのは日常をきちんと暮らすこと
    人との関わりを大切にすること
    何か目標を持って生きること
    なければ捜す
    感動する 感謝する 
    大切な何でもないことを教えてくれる

  • 婚約破棄されるとどれだけ人が傷つき、迷惑がかかるだろう。本や映画の話に限ったものではないが、どんだけ酷い罰を受けても仕方ない気がする。そこから立ち直る、というと少し違うか、自分の内面に向き合って前を向いて生きていけるようになるのにはたくさんの助けがいるんだな。本作でも京ちゃんにロッカさん、郁さんにケイと様々な人が助けというか、きっかけをくれている。そう言う人たちが周りにいることが、主人公はとても幸福なんだとようやく気づく。ホントそうなんだよなあ。。。それに気付けない奴のなんと多いことか。

  • 初めて読む本だと思ったのに、2/3くらいまで読んだところで、再読に気付きました。どれほど忘れっぽいのか、記憶喪失なのか…。
    辛いことがあったばかりのあすわ、ドリフターズ・リストを通して、少しずつ前に進もうとしている。リスト効果なのか、あすわ自身の力なのか。
    食べ物には生きる力があるのは間違いないと思うけど。

  • 結婚式の2ヶ月前に婚約破棄された主人公。
    叔母から、「やりたいことや、楽しそうなこと、ほしいもの、全部書き出してごらん」と、「溺れるものが摑むワラのごとき”ドリフターズ・リスト(漂流者のリスト)“」を作ることを勧めらる。

    主人公が、ふとしたきっかけで何かを悟ったように浮上して、でもまたすぐにふとしたことで落ち込んで…というのがリアルだった。浮上して、落ち込んで…の繰り返しだけど、少しずつ、本当に少しずつだけど、前に進んでいく様子に共感した。

    こういう物語に出てくる独身の叔母、しかも親とは年齢が離れていてまだ結構若い…となると、カッコいいキャリアウーマンだったり自立してる人が多いけど、主人公の叔母は飄々としていて、カッコいいのか悪いのかわからない。わざとなのか天然なのかもわからなくて、面白かった。

    私もリストを作ってみようかな。今のところ漂流はしていないけど…。やってみたいけど、なんだかんだと理由をつけてやっていないことがいっぱいあるから、一度全部書き出して片っ端からやっていくのも面白いかも、と思った。主人公が中盤で「自分をじゃなくて、新しいことを付け加える」と悟っていたように、私にも新しいことが見つかるかもしれない。

  • 約1年ぶりの再読。
    主人公の明日羽。20代後半。婚約を破談されてから、内面を充実させていくお話。
    ロッカさんが教えてくれたドリフターズリストを支えに、やりたいことを次々とこなしていく明日羽が爽快だった。
    自分にとっての「豆」を探していくモヤモヤした過程が描かれていて、応援しながら読み進めた。
    結果的に「毎日に関わること」という明日羽なりの答えが出て良かったと思う。今後、生活をこなしていくなかで、さらに発展した「豆 」をみつけてもらいたい。

    印象に残った言葉

    ●幼なじみ美容師の京より
    「毎日、コレをやらないと始まらないっていうことないの? 」

    ●ロッカさんより
    「がんばれる時に、がんばれる人が、がんばればいいんだと思うよ」

    ●同僚の郁ちゃんより
    「(やりたいことが)ピンとくるのは最後の一歩。準備が整ったところでやってくる天啓みたいなものじゃない?準備のないところに突然天啓は来ないだろうし、来ても受けとめられないし。天啓がなくても、ひらめきがなくても、じわじわわかっていけばいいんだよ」

    ●明日羽自身
    母は毎日ごはんをつくってくれた。「毎日」がいちばん偉い。

    一切れのパンは(水夫がパンだと信じたものは)一片の木切れだった。外見はたぶん木切れでも紙片でも、いいのだ。彼は中身が木切れであることを知った時、それをくれた僧侶に心から感謝した。私もだ。ありがとう、ロッカさん。リストを書いたから私はこうしてどうにか岸辺に立っている。

  • 温かい気持ちで読み終えた。私は同じ境遇に陥ったことがないからわからないが、あすわはすごくよく考える人で少し自分と似てる気もした。似てるだけあって、もやもやというか、煮え切らない気持ちもあるが、私もパンや豆を見つけたいと思った。

    登場人物がほとんど女の人。ロッカさんのサバサバしてるけど、大事な人であり、よくみていてくれてる感じがいい。

  • とてもテンポがよくて、読みやすかったです。未来の私は小さなことをコツコツと続けていくことで作られる。周りの人たちと長くいられるように、少しずつできることから始めよう。大切にしようと考えられる物語です。

  • ロッカさんのように、あっけらかんとも出来ないし、豆を売る郁ちゃんの輝いてる姿を知って…
    それに何となく嫉妬してしまうような、明日羽の気持ちが、すごくわかる。
    でも、ドリフターズリストや豆はきっかけにしかすぎなくて、明日羽自身が頑張ったんだよなぁ。

  • 結婚式直前に2年間付き合った彼から婚約を解消されたあすわ。傷心の彼女に叔母のロッカから「やりたいことや、楽しそうなこと、ほしいもの、全部書き出してごらん」と言われる。ドリフターズ・リスト(やりたいことリスト)を書くことを通して、自分の生き方を見つめ直していく。

    読んでる間もずっと、結局あすわの彼はなんで婚約破棄したんだろう…と疑問がわいたまま。あまりにも一方的であすわじゃなくても納得できないと思う。もっとちゃんと向き合ってお互いに話し合うべきなんじゃ?と思ってしまいました。

    あとあすわの幼なじみの京ちゃん、彼?彼女?の話だけでも一冊本が書けるんじゃないかと思うほどのキャラクターで、なんだかもったいなかった。もっと深掘りして欲しかったなぁ。

    でも家族や友だちのやさしさに支えられて、最後にはちゃんと自分自身と向き合い、前を向いて生きていこうと、毎日を丁寧に生きていくことの大切さに気づくあすわ。

    太陽のパスタ…はあれですが、豆のスープや豆入りピタサンドは美味しそうでした。そういえば、豆料理ってほとんどしたことないなぁ…。改めて「毎日」のごはんって大事だなぁと思う。

    宮下さんのエッセイも読みたい。

    ***
    「毎日のごはんがあなたを助ける。それは間違いのないことよ」(128頁)

    「今がチャンスだ。ふりだしを超えていこう」(154頁)

    「探すんじゃなくて、新しく付け加えるのだ。そうして、なりたい自分になる」(156頁)

    「はっきり断定形で、きれいになる。旅行に行く。鍋を買う。そういうふうに書くのが実現する秘訣なのよ」(168頁)

    「私が選ぶもので私はつくられる」「こうありたいと願うことこそが私をつくっていく」(238頁)

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著者プロフィール

1967年、福井県生まれ。上智大学文学部哲学科卒業。2004年、第3子妊娠中に書いた初めての小説『静かな雨』が、文學界新人賞佳作に入選。07年、長編小説『スコーレNo.4』がロングセラーに。13年4月から1年間、北海道トムラウシに家族で移住し、その体験を『神さまたちの遊ぶ庭』に綴る。16年、『羊と鋼の森』が本屋大賞を受賞。ほかに『太陽のパスタ、豆のスープ』『誰かが足りない』『つぼみ』など。

「2018年 『とりあえずウミガメのスープを仕込もう。   』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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