- Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087713350
作品紹介・あらすじ
バレー部の頼れるキャプテン「桐島」が突然部活をやめた。
それがきっかけで、田舎の県立高校に通う5人の生活に小さな波紋が広がっていく。
物語をなぞるうち、いつしか「あの頃」の自分が踏み出した一歩に思い当たる…。
小説すばる新人賞を受賞した朝井リョウが描く、世代を越えて胸に迫る、青春オムニバス小説。
2012年夏、神木隆之介 主演、吉田大八 監督により映画化された。
感想・レビュー・書評
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十七歳の頃を思い出し
ました。
将来のことなんて真剣
に考えることなく、
好きなことだけを追い
かけた日々。
その後の展開を知って
いる現在の私は、
当時の私になんと言葉
をかけるか。
「もっとがんばれ!」
なのか、
「そのままでいいよ」
なのか。
─
あの頃の自分が憧れた
大人になれなかった私。
でもこれでよかったと
十分満足してるよ、と
あの頃の自分に言葉を
かけてあげたいです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「桐島、部活やめるってよ」という本のタイトルを知ったとき、そのセンスの素晴らしさに驚いた。
だから、逆に反発心が起きた。
なんでこんなセンスのいいタイトルをつけられるんだ!! という単なる妬みである。
へっ、カッコ良すぎる! こやつ若いのに生意気な! と思ったわけですな。
いい年こいて、ジジイの僻みだ。情けない。
それゆえ、この本を敢えて読みたくなかった。
おかげで読むのにこんなに時が経ってしまった。無駄な時間の浪費。
変なところで対抗心など持つべきではないですな。いいオトナなんだから(笑)。
さて朝井リョウ君の鮮烈なるデビュー作。新鮮である。そして強烈である。
現在の高校生のリアルな心情、葛藤。
スポーツ系男子はイカシている、文科系男子はくすんでいる、という高校生独特の不思議なヒエラルキー。
その男子を取り巻く、意識過剰なオトナ感覚の女子たち。
高校生たちの声に出さない気持、言葉にならない思い。
忸怩たる思いを抱きながら、みんないろんなことを考えている、悩んでいる。
優越感と疎外感を複雑に交差させながら、彼らの関係性をあぶりだしていく。
焼け付くような痛みをも伴って読者の側に伝わってくる。
ヒリヒリしている、でもキラキラしている彼らの日常。
現代高校生の日常の爽やかさと、苦さと、痛さと、混沌をすべて閉じ込めたような作品。
まさに、朝井リョウの真骨頂だ。
その心理描写や情景描写が、しなやかな比喩や言葉を用いて表現されている。されまくっている。
例えば──。
P58:私はどきどきしている。昨日、グラウンドに置きっぱなしだった心が、一瞬で私の小さな胸に戻ってきて、ばくばくと激しく脈を打ちながら体温を上げていく。
P59:ピンクが似合う女の子って、きっと勝っている。すでに、何かに。
P63:私の中の神様は、きっともう小さく萎んでしまっている。
P93:今まで起きたうれしかったことや楽しかったことを大声で叫んだとして、その全部を吸い込んでくれそうな空。この空の分だけ大地がある。世界はこんなに広いのに、僕らはこんなに狭い場所で何に怯えているのだろう。
P113:空は全体的に光の線が編み込まれた橙色をしていて、雲は白だったり薄いオレンジだったり真っ赤だったり、部分部分で色を変えている。この街に生きるすべての人の、今日一日に起きた楽しかったこと、辛かったこと、幸せだったこと、悲しかったこと、何もかも全部を吸い込んだらきっとこういう色になるんだろう、と僕は思った。
輝くような言葉を駆使し、混沌と葛藤を繰り返しながら物語は核心に迫っていく。
目の前のことに正直に悩んだ奴は、苦しんだ分だけ、もうその悩みに距離を置くことなく、真っ直ぐに立ち向かっていける。
だから──桐島、部活やめるなんて言うなよ──
と、最後に思うのだ。
私もこうだったろうか、と遥か昔の高校生活に思いを馳せる。
どんなに記憶を掘り起こしても、これほど毎日がドキドキ感の連続だった覚えがない。
やはり違うんだな。同じ教室に、同じ学校に、女の子がいるのといないのでは。
これを読んで、高校が男子校だったというのは、いまさらながら悲劇だったなと思った。
女生徒の姿も見えない高校生活を送ったせいで、人としてこの時期に必要な考え方や危うい心情を経験せずに通り過ぎてしまった気がする。
ある意味、それは大切な落し物をしてきた、そしてそれは時が経ってからは決して探し出せない何かではないかと、そんな気がしてしまうのだ。
どうしたって時計の針を巻き戻すことはできない、という悲しい事実に直面するのみだ。
ナイモノネダリか……。
彼の作品を読むのはこれが三作目で順番が逆になったが、高校生の痛みも爽やかさも合わせ持ったこの素晴らしい作品がデビュー作というのは綿矢りさ「インストール」以来の衝撃感だ。
映画もかなり評判が高いようなので、DVDで早速見てみたい。-
実は私もタイトルに反抗し、話題作ということで更に反抗し今に至るわけです。
ピンクが似合う女の子、云々はまさに!一気に読みたくなりました。
『...実は私もタイトルに反抗し、話題作ということで更に反抗し今に至るわけです。
ピンクが似合う女の子、云々はまさに!一気に読みたくなりました。
『何者』も同じような理由で読んでいませんがそろそろ覚悟を決めようかな(笑)2013/02/15 -
kharaさん、コメントありがとうございます。
やはり人間は変な反抗心は持たないほうが良いみたいです。(笑)
「桐島」も「何者」も早くお...kharaさん、コメントありがとうございます。
やはり人間は変な反抗心は持たないほうが良いみたいです。(笑)
「桐島」も「何者」も早くお読みになるのをオススメします。
どちらも、朝井くんの才能を感じさせる傑作です。
もう、私は彼の作品を全部読まずにはいられなくなりました。
2013/02/18 -
とりあえず桐島、購入し本日読みはじめました。
なんだか高校生ってこんなかんじだったな、と当時を思い出しなんとなく面映くなったり…
読み進める...とりあえず桐島、購入し本日読みはじめました。
なんだか高校生ってこんなかんじだったな、と当時を思い出しなんとなく面映くなったり…
読み進めるのがたのしいです(*^^*)2013/02/21
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朝井リョウさん、直木賞おめでとうございます!
わずか数年前は、雨の中、水を吸い尽くしたバスローブ姿で仲間と公道を行進し
青函トンネルを一般車両もすいすい通れると思っていたあなたが直木賞を受賞するなんて
おかあさんは。。。おかあさんじゃないけど、親戚でもないけど、うれしい♪
というわけで、予約したはいいものの、なかなか届かない『何者』は後回しで
お弁当の中の甘い卵焼き(大好物)を最後まで残しておくかのように
読まずに取っておいた、『桐島、部活やめるってよ』を読んでみました。
う~ん、みずみずしい!
制服の中を吹き抜ける風、自分の不甲斐なさに気づかない振りをする痛さ、
片想いの相手が不意に近づいてきた時に、全身の細胞が一気に目覚める感じ。。。
高校時代を振り返ろうとすると(かなり)遠い目をしなくてはならない私でも
当時の皮膚感覚や切なさ、苦さを思い出してしまうほどの臨場感。
デビュー作だけあって、後に書かれた『少女は卒業しない』などの
煌めくように美しい比喩に比べると、表現がかなり素直というか、直接的だけれど
そこもまた、若さが迸るようで、微笑ましくて。
校内ヒエラルキーの頂点にいたらしい桐島くんが男子バレー部をやめたことで
部内のバランスが狂って大きく影響を受けた子、噂話をするくらいの距離感の子、
トップが崩れようがどうしようがほとんど影響を受けない「底辺」と言われる子。
チャットモンチーやaikoの歌詞、映画『ジョゼと虎と魚たち』の台詞と
登場人物のその場その場の気持ちを絶妙にリンクさせて描くセンスが素敵♪
こういうテーマを選ぶと、「底辺」にいる子たちの苦しみを描くことに終始しがちだけれど
容姿にも恵まれ、たいして苦労もせず何事もそつなくこなしてしまう「上」の子の目に
全身全霊で打ち込める、大好きなものを持っている「底辺」の子を
「まぶしいひかり」として映し出すところに、朝井さんのやさしい視線を感じます。
それぞれの場所に必死に喰らいついてもがく5人の高校生の
けなげでいとおしい毎日の向こうに、爽やかな笑顔でトップに君臨していたはずの
桐島くんの苦しさや、地道な努力もちらちらと垣間見えるのが心憎い、
まさに「取っておいてよかった卵焼き♪」のような作品でした。-
kwosaさん☆
こんな作品を大学在学中に書いた上に、直木賞受賞までの数年で
加速度的な進化を遂げてしまう朝井リョウさん、ほんとうに「何者...kwosaさん☆
こんな作品を大学在学中に書いた上に、直木賞受賞までの数年で
加速度的な進化を遂げてしまう朝井リョウさん、ほんとうに「何者?!」と言いたくなりますね。
コンスタントに作品も発表しているし、これだけの人気作家になったのだから
大学卒業と同時に作家生活に入ってもよさそうなものなのに、
ちゃんと堅実に就職するあたりも、謙虚でいいなぁ、なんて思ったりして。
私も『何者』は予約しているので、kwosaさんと同じころに読めたら素敵ですね♪
kwosaさんのレビューが、今からとても楽しみです。2013/01/20 -
こんにちは。
朝井君には、おめでとうですね。
「何者」のレビューにはああいう風に書きましたが、内容的には素晴らしい作品です。
直木賞を...こんにちは。
朝井君には、おめでとうですね。
「何者」のレビューにはああいう風に書きましたが、内容的には素晴らしい作品です。
直木賞をとっても何の不思議もありません。
特に最後のどんでん返しが秀逸です。
選考委員が評価したのも最後の部分があったからだと思います。
早くまろんさんのお手元に届くように祈っています。
私は、これで彼が脚光を浴びて、図書館人気が出ると困ると思い、
「桐島」「星やどり」「もう一度生まれる」の三冊を慌てて予約しました(笑)。
それにしても、ニコ動で芥川賞、直木賞受賞者三名の記者会見を見ましたが、
三人とも個性があって素晴らしい会見でしたね。
黒田さんの日本語に対する飽くなき探究心、年齢を感じさせない凜とした語り、
面接を埋めているような朝井君の素直さと真面目さ、ユーモアセンス、
安部さんの人の良さそうな真摯な受け答えと自作に対する確固とした信念、
などなど、三者三様ながら、みなさん自分の作品にしっかり責任を取る覚悟で
モノを書いているのだなあ、と感じました。
こちらが勇気づけられるような素晴らしい会見でした。
2013/01/20 -
koshoujiさん☆
おお、「何者」には、どんでん返しがあるのですか!
いろんな人のさりげない日常が交錯して、変っていく未来の予感を匂わ...koshoujiさん☆
おお、「何者」には、どんでん返しがあるのですか!
いろんな人のさりげない日常が交錯して、変っていく未来の予感を匂わせるように終わる、
これまでの朝井リョウさんの作品とは、ちょっと印象の違う作品なのでしょうか。
とてもとても気になります!
あ、私も、koshoujiさんを見習って、
まだ読んでない「星やどり」をあせって予約しなくては♪
koshoujiさんがブクログを通してリアルタイムで知らせてくださったおかげで
ニコ動での会見、うきうきしながら見ることができました。ありがとうございます♪
私は例によって不勉強なので、黒田さんも阿部さんも、作品はもちろん
お顔も見たことがなかったのですが、
黒田さんは年齢より遥かにお若く見える上に
口跡がとても美しくて、聞き惚れてしまいました。
阿部さんは、テディベアのような素朴な容貌が、失礼ながらとても可愛らしくて
受賞作とのイメージのギャップが素敵でしたね(笑)
朝井さんは、写真でお顔だけは知っていましたが
本当に面接を受けてる就活生みたいに居心地が悪そうで
そこがまた母性本能をくすぐりました♪
これからの作品が、ますます楽しみですね(*'-')フフ♪2013/01/21
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バレー部のキャプテン桐島が部活をやめた。5人の高校生の生活の中で、その話題は直接、間接的に触れられる。そのことで、生活が変わる者、ちょっとした変化に影響を与えられた者。それぞれの想いや変化の話。
5人の高校生それぞれの短編で、中で他の話のシーンが、別の角度で語られたりするのが、おもしろい。感情や想いが、ホント高校生らしく、自分にとっては、だいぶ昔のことでもあるので、懐かしく思えた。時代は違うが、高校生の頃って、こんなコンプレックスや思いを持っていたかもと思わせてくれる。
小泉風助、前田涼也の話が、親近感が持てた。桐島が辞めたことでレギュラーが回ってきた風助。自分に舞台が回ってきた時のこんなんじゃなかった感のとこが、部活で補欠で、一瞬回ってきた出番の時を思い出させた。風助はうまく切り替わっていくが、コートで活躍する高校生の描写や自分より上手い人への気持ちの描写が良かった。
前田涼也は、映画でも主体の部分だったが、だいぶ、さわやかだった。しかし高校生の中のカースト感は、ちょっと似たところのあった自分には、よくわかる感じで、それでも自分の好きな映画に夢中になる時に、輝いているところがよい。なんでもいい何か夢中になれるもの、得意とするものが、共有する仲間が力を与えてくれると思わせてくれる。カメラを通して見つめた先の描写もきれいに描かれていた。全体的に風景の切り取り方が、放課後の景色感に合わせて、この世代の心の動きにあった描写だと思う。
宮部実果の話は、設定が少し特殊な中に、何を持って人と比較するのかに疑問を持ち始めた気持ちの描かれ方がよかった。自分とは何?という想いを、その設定も生かして描かれていて、ちょっと切なくおもえた。
菊池宏樹の上のグループにいながら、自分をごまかしている感じからのイライラ感、沢島亜矢の好きになった時の没頭感と、本当に高校生の想いを感じさせてくれて、こんなんだったかなぁと思わせてくれるし、瑞々しい感じが良かった。
時に名前しか出てこない桐島を元にした気づきなど、何気ない生活のちょっとした変化からのそれぞれの想いが、描かれるのがよく、だいぶ昔の高校時代を思い出させてくれた。 -
川沿いの大手予備校の向かい側に、打ち立ての讃岐うどんを食べさせる店がある。
久しぶりの一人の日曜日、昼食はそこでとろうと自転車を走らせた。
一時を少し回った頃だったが、十人掛けの長テーブル三列はそこそこ埋まるくらいの繁盛ぶりだった。
かき揚げのトッピングを選び会計を済ませ、向かい合わせに座る男子高校生二人組のそば、椅子を一つはさんで隣に席を取った。
さあ食べようとしたその時、女子高校生がひとり僕の隣に座る。
満席というわけではない店内で、この年頃の女の子が男性客に囲まれるように席を取るのは珍しい。その子がセルフサービスの水を汲みに席を立ったとき、男子二人組の片方が
「もっといい席があろうに」
そうつぶやくのが聞こえた。
向こう側のテーブルでは四人組の女子がたのしそうにおしゃべりしていて、その側にはグループ客が帰ったばかりか、ぽっかりとスペースが空いている。AKBの練習生くらいには華があるその四人組がちらちらとこちらを気にしている。
僕の隣の、おとなしめのちょっと垢抜けない女の子は、テーブルのかたわらの携帯電話から片時も目を離さない。それが自分を守る護符かなにかのようにじっとみつめて、ただただうどんを啜っている。
なんだか居たたまれない気持ちになった。
高校時代、学園ヒエラルキーの中ではクラスの「一軍」に憧れながらも、たまに代打要員としてベンチ入りする程度のポジションだった僕は、特にトラブルもなくそれなりに楽しく学生生活を過ごせた方だと思う。しかし振り返ってみれば、そこには自分がまるでバラエティー番組のひな壇にいるかのような狂騒と軽い緊張感があったことも確かだ。
この物語に『桐島』は登場しない。
男子バレー部のキャプテンで、スタープレイヤーの桐島の栄光と挫折を描いた一冊の本がきっとどこかに存在して、この物語はそのスピンオフだ。
でもいまの高校生達にとって、いやかつて高校生であった人達にとって、この「外伝」の方が圧倒的にリアルだ。
「外伝」の主人公達の「物語」は、まだ始まってすらもいない。
それぞれのラストに物語の萌芽が見えるだけだ。
それがいい。その萌芽に胸が熱くなる。-
agk333さん
コメントありがとうございます。
これからもよろしくお願いします。
石田衣良さん。
初期の『池袋ウエストゲートパーク』は...agk333さん
コメントありがとうございます。
これからもよろしくお願いします。
石田衣良さん。
初期の『池袋ウエストゲートパーク』は好きだったのですが、最近はどうなのでしょうか。
僕がうどん屋で見た女子高生も、決して「いじめ」とか仲が悪いとかそういうのではないでしょうが、微妙な距離感とか空気感ってありますよね。
映画版は評判いいですね。
吉田大八監督の『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』が良かったのと、神木隆之介や橋本愛らのキャスティングの素晴らしさに期待できます。
これは観てみないといけませんね。2013/01/23 -
フォローありがとうございます(^^♪
紫苑(しおん)です。
実は、kwosaさんのレビューに引き込まれて、今読んでいる最中です♪
映画...フォローありがとうございます(^^♪
紫苑(しおん)です。
実は、kwosaさんのレビューに引き込まれて、今読んでいる最中です♪
映画化もされていて、何となく「桐島は登場しない。」みたいなことを神木隆之介さんが仰っていて「えっ?」と、なったのですが本当に出てこないのですね。。
kwosaさんの女子高生のお話。
ヒシヒシと分かります。
やっぱり、知らない女の子同士でも、ある程度の距離を取りたいという気持ちがわき出て…。
難しい年頃ですかね?
2013/01/23 -
紫苑さん
コメントありがとうございます。
レビューを読んで本に興味を持って頂けるとは、なんて嬉しいことでしょう。
僕もブクログを始めてか...紫苑さん
コメントありがとうございます。
レビューを読んで本に興味を持って頂けるとは、なんて嬉しいことでしょう。
僕もブクログを始めてからは、かなりみなさんの影響を受けています。
紫苑さんの本棚もまめに拝見させてもらいますので、これからもよろしくお願いします。
男子には表面的にしかとらえられないことも女子には分かる。また、その逆もあるかも知れませんね。
いろいろ難しいですね。2013/01/23
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朝井リョウさん、直木賞おめでとうございますヽ(^o^)丿
「学生時代にやらなくていい20のこと」を先に読んでいたので、
受賞した時には「うそー!」と失礼ながら、言ってしまいました。
だって、数年前には自分の学部とは違う学部を受けていて、それを試験の日まで気付かなかった人が!!
そして早速、「何者」を読もうとしたけれどもちろん、予約でいっぱい。
変わりにと言っては何だが、この本を選択。
この選択は間違っていませんでした。
高校生独特の「序列」
頭のいいやつではなく、スポーツ・勉強ができない奴らがつける格付け。
うんうん、と、学生ならではの感覚がリアリティで共感できる部分が沢山ありよかったですヽ(^o^)丿
映画化もされて、人気出て、何となく内容は知っていたものの、やはり題名の「桐島」が出てこなかったのが驚き。。
また、何年後かに読んでみると、違う視点で読めるのかもしれないなあ。。 -
この作品は、朝井さんが20歳のときの発表した作品だというから驚きだ。20歳でこのボキャブラリーの多さには、舌を巻いてしまう。
しかも、タイトルにばーんと出ている「桐島」くんが一度も登場しないままに物語が展開していくのも、斬新だった。アレっ、桐島、出てこんの!?みたいな。
高校という、狭く小さな世界に生きる高校生たち。誰に教わったわけでもないのに、その世界にはいった瞬間から、彼らは「上」と「下」にランク付けされる。「上」の彼らは、制服をかっこよく着ていいし、髪の毛だって凝っていいし、大きな声で話していいし、行事でも騒いでいい。
女子も男子も、「上」は上同士、「下」は下同士、固まって生きる。この決まりから逃れられる高校生は、いない。
けれど、「上」にいるからといって、彼らが満たされているわけではない。「上」に所属する菊池宏樹は、自分のしたいことが分からずもがく。何をやってもそこそこできるがゆえに、本気でやって失敗することを恐れる。そして、やりたいことを本気で取り組んでいる「下」の前田涼也に光を見出す。
この世界で、日本で、本当に思っていることを思ったように口にしている人なんて、きっと、いない。大人も子供も、きっと、いない。
桐島は、きっと、いつか、バレー部に戻ってくるんだろう。そしてまた部活に精を出す。
きっと大丈夫。思ったことは口に出せなくても、彼らは受けた傷をすぐに治す力を持っているのだから。
だから、これからも手探りでいいから進んでいけばいい。そうして、大人になっていけばいい。-
ayakoo80000さん
>だから、これからも手探りでいいから進んでいけばいい。そうして、大人になっていけばいい。
ayakoo800...ayakoo80000さん
>だから、これからも手探りでいいから進んでいけばいい。そうして、大人になっていけばいい。
ayakoo80000さんのこの言葉が胸に響きます。
朝井リョウさん、若くしてこんな作品を書くって本当に凄いですね。僕は20歳の頃、ここまで自分や周囲を客観視できてはいなかったし、おそらく言語化もできなかったでしょうね。読んでいて胸の奥が常にひりひりしていました。
素敵ですね。
ayakoo80000さんのレビューからも「ひかり」が放たれていますよ。2013/01/14 -
まろんさん>>いま、手元に朝井さんの「何者」があります。直木賞候補作品なので、急いで借りました。
「もういちど生まれる」ですね。なるほどな...まろんさん>>いま、手元に朝井さんの「何者」があります。直木賞候補作品なので、急いで借りました。
「もういちど生まれる」ですね。なるほどなるほど。これは絶対読ませていただきます。2013/01/14 -
kwosaさん>>わたしも、自分が20歳のときを思い出したら、こんなに自分や周りを見つめていなかったなあ、と思わざるを得ません。
それはそ...kwosaさん>>わたしも、自分が20歳のときを思い出したら、こんなに自分や周りを見つめていなかったなあ、と思わざるを得ません。
それはそうと、こんなに、素敵なメールをありがとうございます。kwosaさんのメールで、あと100年くらい生きていけそうな気がします、私。2013/01/14
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第22回小説すばる新人賞受賞作でもあって、映像化もされているので興味本位で読み始めました。読み始めて、あ、これ自分には合わないなぁ‥入り込めないっ‥って感じてしまいました。
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『どうしても生きてる』
→『何者』
→『風と共にゆとりぬ』
→本書
けっこう滅茶苦茶な順番で朝井リョウさんを読んでいる。
デビュー作とのこと。読みにくかった。あんまり面白くなかった。台所でスープを煮込みながら読み終えた。スープは美味しく出来た。
本書に至るまでにもう、あんなに面白いものを書く方だと知ってしまったので、まだまだ読みます。 -
朝井さんのデビュー作。
朝井さんの作品を初めて読んだのは「星やどりの声」
表現の瑞々しさと、全体の透明感に感動し、朝井さんの作品を追っかけた。
この作品は、やっぱりデビュー作だなぁと思えるような初々しさを感じた。
でも、わずか数年でこんなにも変わるの??と逆に驚いた。
「桐島」がでてこないまま、話が進む。
意外だった。最後には出てくるのかな・・と思った。
高校生のリアルな現実が描かれていて、時代は変わっても悩んでることとか、そんなに変わらないんだな・・と実感した。