おれのおばさん

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著者 : 佐川光晴
  • 集英社 (2010年6月4日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087713480

おれのおばさんの感想・レビュー・書評

  •  恵子の潔い生き方の真似できたらどんなにカッコいいだろう。自分が選んだことに責任をもち誰の所為にすることなくきっちり立ち向かう姿は、卓也や陽介たちだけの憧れでなく大人たちにとっても眩しいと思う。職場で「他責はよくない」なんて言葉はよく耳にするが、それをしていない人のほうが少ないのが現実だ。
     自分が選んだことが結果的にカッコ悪くたって、みじめだって、キツイ状況になってもそこから逃げない、人として当たり前なことでも難しいものだ。
     恵子がどんな芝居をするのかがとても楽しみだ。

  • 文学小説なんですかね。確かに力やエネルギーは感じる作品だけど、このまとめ方はあまり好きなやり方ではないので少し低めの評価。

  • まずページ数が丁度よい(笑) 登場人物たちそれぞれの重い過去や、解決しようのない感情を決して大げさに表現しないことで、より人間っぽく、何とも言えない色の濃さが出ている。変に同情を買うような展開にせず、人生経験が少い子供の視点から描かれていているのでとても面白かった。
    シリーズで出ているらしい。楽しみが一つ増えた。

  • 強いおばさんだな。

  • よしっ!
    いろんなことあるけど、まぁ何とかなるか。
    という気分にさせてもらえる一冊

    結婚生活
    親子の関係
    友達の関係
    大人も子供も
    男も女も
    それぞれ いろんな事情を抱えて生きている
    逃れられないその事情を丸ごと飲み込んで
    生きていかなければ 仕方がない

    マイナスの状況の中から
    気持ちを立ち上げていく青年たちの様子が
    まぶしく 気持ちが良い
    マイナスの状況の中でも
    前を向いて生き抜いていくおばさんが
    素敵だ

  • 久しぶりに、実に久しぶりに、まっとうな、というか、メインストリームにある小説を読んだ気がする。

    自分にはない彼らの爽やかさ。
    語り手である「おれ」、父、母、おばさん、
    施設の中学生たち、
    彼らを取り囲む大人たち。
    全員が全員、決して悪人ではない。
    いわば市民(小市民)としてまっとうに生きている。生きようとしている。
    社会や世間への違和を、表明しない。
    中上健次が何度も書いていた「まっとうな生活」とはこんな感じか。
    そしてこの爽やかさを裏打ちするのが、語り手の大人っぽさ。
    彼は登場時点から成長しきったような視点でいて、しかし終盤になると確かに成長しているのだ。
    などなど。
    考えながら読んだ。

  • 陽介をはじめ児童養護施設に暮らす子どもたちの環境と心情・葛藤、そのまわりの大人がとても細かく描かれていた。
    一番印象的なのは、野月さんには独特の弱さがある気がする、と陽介が言ったところ。この弱さって本当に幼いときの経験・体験と出会った人との付き合いの深さではないだろうか。父親母親から育てられる愛情、愛着の大切さをひしひしとかんじる。でもこの施設の子どもたちはいろいろな環境から来ているわけで。15歳までしか施設にはいさせない、それまでに鍛えるって言ってるおばさんの存在ってすごいなって本当に思う。
    弱さもぐっと引き戻してくれる人が身近にいることで救われることも多いし、そのまま悪の道に行く人も多いだろう。その弱さって人間の分かれ道なんじゃないか。改めて自分また他人でも一人一人をとりまくまわりの暖かさをひしひしと感じる。野月も結果的に良かった。


    中学生ながら客観的に見れるところに関心したし、陽介の客観的な見方で書かれる文(きっと作者さんの思いと見方なんだろうけど)で私たちもハッとさせられた。
    育てられるという基礎、そして育つ環境。子どもたちだけではなく、おばさんだって施設の子どもたちと出会ったことで次の道へ進む。誰もが社会に必要とされるということ、そして人とのつながりの大切さを考えさせられた本だった。

  • 中高一貫の名門進学校に入学したばかりの陽介だが、銀行の副支店長をしていた父親が浮気相手の女性を単身先の福岡に呼び寄せるため顧客の預金を横領したことが発覚。父親は逮捕、母親と陽介は家を売り母の姉をたより札幌へ。
    陽介は伯母がやっている養護施設、魴鮄舎に世話になり母は横浜で住み込みで介護をしながら借金を返すことになった。
    魴鮄舎には男女2人づつ同学年の生徒がおり、それぞれ複雑な事情を抱えていた。そんな中で陽介はひときわ体格のいい卓也と仲が良くなる。
    連作の第1巻だがこの物語は強烈な伯母に影響を受けながら成長する陽介と卓也の物語だと思う。

  • ■ 16169.
    〈読破期間〉
    2015/12/2~2015/12/4

  • 人生が父親のせいで一気に変わってしまったエリート中学生が主人公。北海道のホウボウシャで同世代の子どもやパワフルなおばさんに囲まれて生活する…。いろんな人たちがいろんなことで傷ついて、労りあいながら暮らす様がよかった。

  • おもしろい
    中学生の陽介の困難への対応の冷静さ

    容姿では、愛人がいるとワ思えなかった父が、
    愛人にマンションを買い与え、
    客のお金をとったのがばれ、
    お縄になる。

    母と姉のやり取りも最高。

  • 東京の難関中学・開聖学園に入学して間もないGWあけ。高見陽介の日常はガラリと変わった。
    父親が会社の金を横領(愛人にマンションを貢いだ)して逮捕されたのだ。家や家財道具、貯金の多くが差し押さえられる。学校は退学、北海道に住む母の姉の所に陽介だけ身を寄せる事となった。それまで優雅に専業主婦をしてきた母は東京に戻り、弁護士との話をしたり、借金返済のため住み込みで働く事になった。

    母の姉、おれのおばさんは、
    魴鮄舎(HOBO=SHA)という児童養護施設を切盛りしている。普通の児童養護施設であぶれた中学生たち(おれを含めて)男子8人女子6人が暮らしている。
    普通の施設からあぶれた者たち・・・ではあるかもしれないが、迫力満点、肝っ玉母ちゃん的に押しの強いおばさんのもと、みんな平穏に暮らしている。
    陽介は学力を落とさないよう、それまでと変わらないスタイルで勉強をし、施設にすむ同級生・拓也とも友情を深めてゆく。

    突然の事に嘆く暇もなく、支えてくれるであろう大人や友人たちだって、いろんな事情があり、
    でもみんな生きている。

    主人公が賢く、冷静に事実を受け止め、それでも自分のスタイルを貫いているのがいい。そして、まわりの人に思いやれるのがいい。

  • 主人公がみていて気持ちいい人物です。頭がいい子なので自分が置かれた状況を客観的にみれている。たくましくなっていく主人公をみるとずっとエリート高校にいるよりも人として成長してるような気がする。ただ、それは主人公が今まできちんとした家庭で育ててもらったからだと思う。幼いときの家庭環境は大切だなと改めて思いました。

  • 主人公が優秀でいい若者だ。逆境にめげず、更に人間性を磨いて欲しい。おばさんのバイタリティーの豊かさもいい感じだ。明るいおばさんでいて欲しい。

  • ある日、父が横領で捕まり、昨日までの”日常”が崩れる。家まで追われた中で、母の姉の元に身を寄せる。姉は児童養護施設を営んでおり、そこでの日常が始まる。訳ありばかりがいる者の中で、主人公の心情の変化が非常に印象的な作品である。

    http://www.lib.miyakyo-u.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=243101

  • 東京の名門私立中学に通う主人公が、父の逮捕をきっかけに一家離散。母の姉が切り盛りする札幌の児童擁護施設で暮らすことに。
    重い設定だけど、切れ味のいい文章で、すらすら読み進められる。どんな状況でも頑張ろうという気持ちになる本。

  • 本を読んだだけじゃ現実のことはわからないけど。おばさんをはじめ、子供の力になっている大人たちが多様なのがよかった。母を軽蔑したことを悔いる場面も印象的だった。

  • どの人も辛い境遇を負っているのだけど、爽やかにまとめられていた。高校生向きの本なのかな。ああいうおばさんが日本には必要。

    2015.1.25

  • 2015.1.22読了
    後半がちょっとつまらなくなった。課題図書に選ばれるわけだ。高校生に読んでもらいたい。(図書館)

  • いい本でした
    読後感さわやか~~

  • 不完全燃焼だった「金色のゆりかご」、でもちょっと惹かれるところもあって手に取った佐川さん2冊目…こちらは起承転結もバッチリで小説として楽しめた。
    法学生から食肉加工会社へと異色の経歴を持つだけにここでも屠殺シーンは出てくるし福祉関係(特に里親や養子問題)を取り上げ社会に知らしめるというのはこの人のスタイルなんだろう。
    でもそんな事が嫌味にならないのはお写真で見る通りのお人柄、ご本人はきっといい人なんだろうなと思う。
    青春小説としては主人公君が優等生を通り越して諦念に達しちゃってるだろ!ってケチのつけどころもあるが家庭、友情、そして「青年プラスおばさんよ、大志を抱け」的なエッセンスはしっかり詰まった良い本。読み手の年齢によっていろんなことを感じられるんじゃないかな

  • 児玉清氏が絶賛というので読んでみた。

    児童養護施設のお話。

    面白かった。

  • 既存の受け皿からこぼれおちてしまう子どもたちがいる。本作では、既存の「児童養護施設からはじき出された中学生たち」が暮らすグループホームでの彼らの姿を、父親が逮捕され母親と離れて暮らすこととなった中学二年の陽介の目を通して描いている。
    物語のなかのできごとではなく、様々な理由で、突然に、これまでとはまるで違った状況におかれてしまうことがある。また、子どもの責任ではなく、子どものチカラではどうしようもないこともある。
    そんな子どもたちの居場所があったらいい。この作品に描かれたグループホーム「魴鮄舎」は、そんな居場所のモデルとなるものだと思う。

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