おとぎのかけら 新釈西洋童話集

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著者 : 千早茜
  • 集英社 (2010年8月26日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087713701

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おとぎのかけら 新釈西洋童話集の感想・レビュー・書評

  • 七つの西洋童話をモチーフに現代風に紡いだ短編集。
    慣れ親しんだおとぎの国の遠い世界のお話は、確かに現実的でない。
    どこか安心して読めてしまう。そこがぬるい、と書かれる千早さんの紡いだお話たちの何と苛烈で容赦ないこと。
    冷ややかでぞくぞくした感覚なのだけど、一方で恐怖と絶望感がねっとり絡みつく生ぬるい嫌さもあってその相反する感覚が絶妙なのです。
    いつの間にかモチーフになった物語を忘れ、新たに息吹いたお話に夢中になってしまう。
    いやはや千早さんの紡ぐ世界は素敵。美しい装丁本の中に仕込まれた毒の味は大変美味でありました。

    「カドミウム・レッド」「凍りついた眼」が好み。この中では異色の「金の指輪」も良かった。
    「白梅虫」はぞわぞわ感が凄まじい。「アマリリス」のさやちゃんのエピソードはいいなぁ。
    毒々しさの中にも美しさだったり、恐怖だったり、救いようのない絶望感だったり、さまざまな味わいがあって堪能しました。

  • 『おとぎのかけら』 千早 茜    集英社

    「新釈西洋童話集」と副題にあるように、7つの有名な西洋童話を下敷きにした短篇集。
    勿論、物語の核となる部分やモチーフは有るのだが、時代は現代だし舞台も現代の日本である。そして一つづつの物語に「迷子のきまりーヘンゼルとグレーテル」、「カドミウム・レッドー白雪姫」、「金の指輪ーシンデレラ」の様に、どの話がどの古典童話を元にしているかが目次でわかる。そしてひとたびお伽話のかけらが作者の掌の中に握られると、開いた時には美しく、妖しく、毒々しい林檎の様に読むものの前に差し出される。一つだけ、少し気持ちが暖かくなるものがあったが、後はどれも不思議な美しさ懐かしさの中にぞっとする様な怖さを秘めていた。伝承され続けて来たわらべ歌や昔話には、世界各国共通する物があると言う。それらには、元々現実の世界の残酷さや理不尽さ、やり切れない人生を切り抜ける黒い知恵をも秘めているのだろうと思わせられる一冊だった。『本当は怖い◯◯』とか言う本よりも、エッセンスを抜き出して今風に料理されたこちらの方が何倍も怖いと思った。しみじみと美しい表紙を見ながら、またこの作家に心を持って行かれた、と嬉しい様な悔しい様な不思議な感覚が残った。

  •  初めての千早さんでした。文章にとても雰囲気がありました。
     彼女が現代風に解釈し、表現するとこうなるのですね。。。。好きな雰囲気です。
     おとぎばなしは語り継がれているだけあって、それぞれに不思議な力があります。そしてよく考えると、怖かったりグロテスクだったりしますね。

     それぞれの編が発するイメージは、おとぎばなしでのイメージそのままに、ブラックでグロテスクな世界でした。眼をそむけたくなる様な描写もありましたが、とても面白く読めました。
     最後の「アマリリス」の編は他とは印象が違ったけど、これも面白かった。

  • 結構薄暗い話が多かった。
    でもどんどん引き込まれる。
    文章巧い!
    私のお気に入りは、シンデレラの話。

  • 西洋の童話をモチーフにして、舞台を現代日本に移した短編集。

    小学生のときに流行った「本当は恐ろしいグリム童話」の世界の耽美な残酷さがすきだったことを思い出します。

    あの記憶からすると、今回はだいぶ陳腐な気がして残念でした…

    確かにあちこちに毒が散りばめられてはいるものの、
    深みがないので印象に残らないというか。

    モチーフとの関連もいまいち掴みにくかったし。

    お伽話イコール耽美なもの、というあたしの先入観が間違いなのはわかっているけども、

    しをんさんのオビに期待しすぎた感が否めません。

  • 西洋童話を新釈するという発想が面白い。
    好きだったのは
    金の指輪(シンデレラ)
    単純にハッピーエンドが好きなだけか。
    鵺の森(みにくいあひるの子)の
    堤くんの弱さも好き。

  • 西洋童話をモチーフに、現代の個人レベルに引き寄せた7つの物語。
    どの作品も、ひんやりと不思議な世界。無邪気な悪意と毒。耽美的でありグロテスク。
    千早さんらしい現実と幻想のはざまの物語。
    個人的にはシンデレラをモチーフにした「金の指輪」がよかった。

  • 最近読書してないなーと思った時に手が伸びやすいジャンルの一つに、【東西の古典文学を現代風に解釈したパロディ】があります。あと、しばらく読書から離れてると、余白の広さも大事な気がするな〜。一昔前の文庫の行間の狭さは、視力を落としにかかってるのかねって思うくらい狭いからね。ブランク大事!!


    閑話休題(´⊙ω⊙`)


    西洋童話を現代風にアレンジした本作に出てくる主人公達は、どこか歪で、己の欲望に忠実な、生々しい個人として描かれています。

    童話に多く見られる普遍的なテーマ(勧善懲悪・性善説)を、徹底的にアイロニカルに描写し、童話に潜む残酷さを浮き彫りにする本作。

    ありがち設定&わかりやすい露悪趣味が苦手な方には向かないかな?


    【内容紹介】

    大人の欲望に翻弄される子ども達と、その子ども達に最後に手酷いしっぺ返しを食らう大人達(迷子のきまり、ヘンゼルとグレーテル)。

    いじめられっ子だった少年がたどり着いた、逆転の発想(鵺の森、みにくいアヒルの子)。

    女の嫉妬は恐ろしい(カドミウム・レッド、白雪姫)。

    自分だけのシンデレラを探し続ける男が選んだ女性とは(金の指輪、シンデレラ)。

    その他三編の概要は悪い魔女に持ってかれました←

  • 西洋のおとぎ話を現代だったら…と著者が想像して書いた物語。

  • 読後が良いかと云われれば首を傾げます。
    それでも好きだと思いました。

    表紙やタイトルがこんなに可愛らしいので、どんなに愛らしいお話だろうかとページを捲れば、歪んだ微笑や陰鬱な展開が広がっていて。
    闇が美しい。
    元来、お伽噺には戒めを込めた結末、理不尽と救いの無い悲劇が横行していた、と思い起こされます。
    それでもお伽噺という言葉には愛しさがあって、それは、この本に出てくる、身売りをする少女の蝋燭の炎を見つめる純粋な眼差しであったり、ほんの一握りの優しさから、と思うのです。
    やはり、美醜は一体であり、同居し得るのだと思います。

  • シンデレラ、白雪姫、みにくいアヒルの子…耽美で鮮烈な現代版西洋童話、

  • おとぎという単語と、少女趣味なジャケットに惹かれて手に取りました。
    じっとり絡む噎せ返るような匂いのする作品の数々は、確かにかけら。
    全く違う現代の話なのに、読んでいると「これは確かに」とモチーフが理解出来る。
    女子は強いね、どの話に出てきた女子も強い。
    歪で不格好で性的で美しい。散りばめられた毒に夢中になりました。

    『アマリリス』の真由は最後王子様が迎えに来たから、目を覚ますことが出来たんだと解釈した。
    特別じゃないから、それでも求めた王子様は来たから。だから目を覚ました(別れた)んだと。
    『迷子のきまり』『凍りついた眼』『カドミウム・レッド』は特に好き。

  • さくさく読めて、おもしろかった。

    わたしもどうしようもなく嫌なことがあると、よく眠るんだよなあ

  • どろどろと、絡みついてくる文体も内容も、好みは分かれるだろうなあ。
    今日のわたしには、面白いと思えた。

    なかなか現代の闇を抉るなあ。良かった。
    2015.02.01

  • 2014.12.4 読了

    これは。。。独特でした。。

    有名な西洋の童話を
    この作者さんの解釈で、
    この作者さんの新たな物語に。

    けど、どの話も おどろおどろしてて、
    文体も 独特なので、
    好き嫌いは あるだろうな。

    私は。。。 まだ初めてなので、
    なんとも言えない。

    他の作品も また読んでみようか。

  • 「凍りついた目」が文句なしの☆5です

  • 本を読むようになったのが成人してからなので、童話の話をほとんど知らない。本来の童話の持つ寓意についてはわからないけれど、ところどころにグサリと身を刺す一文がある。そのおそろしさを増長させているのは物語のダークさだ。

  • 西洋の童話をモチーフにした、大人のための短編集。
    かわいらしいタイトルと表紙絵とは裏腹に、作者らしい毒と湿り気を帯びたダークな世界が繰り広げられる。元になった童話のことなど、まったく忘れてしまうほど、哀しくて妖しい奥深い闇が広がる。

  • 迷子になるのは慣れてる。お母さんは、デパートに行くととろんとした目になって、私たちのことなんか忘れてしまうから。迷子になるのはいいけど、見つかってぶたれるのは嫌だ。帰りたくないというわたしに、お兄ちゃんは「お母さんがお酒を飲んで寝てしまったころに帰ろう」と言う。だからわたしとお兄ちゃんは、花火を見てから帰ることにした。(「迷子のきまり」)他六編。

    ヘンゼルとグレーテル、シンデレラ、みにくいアヒルの子、白雪姫、マッチ売りの少女、ハーメルンの笛吹き男、いばら姫をモチーフにした短編集。どれも闇が深くて、狂気に満ちていて、後味の悪さが素晴らしい。話はすっかり現代なのに、元になった童話の存在をそこかしこに感じるところが素敵。

  • なかなかブラックなお話揃いで面白かった!

    「ヘンゼルとグレーテル」や「シンデレラ」等、
    誰もが知っている西洋の童話をモチーフにした作品。
    舞台を現代日本に置き換えただけで、こんなにもドロドロになるとは(笑)

    個人的に好きだったのは「迷子のきまり」。
    ある幼い兄妹のお話で、その結末には思わず背筋が寒くなる…
    子供って残酷。だけれども兄妹愛は素晴らしい(笑)

    「凍りついた眼」の暗さも尋常じゃない。
    身体を売っているまだ年端もいかない少女に魅了された男。
    彼女を助けたい、とそっと少女を見守るが……

    唯一「金の指輪」だけは、心温まるお話でした。

  • しをんさんの「むかしのはなし」の洋物バージョンですね。
    結構黒いもの(そもそもそうか)が多くて、就寝前には不向きなものも。。。
    みにくいアヒルの子とシンデレラが良かったかな。
    2014/7/8読了

  • 凍り付いた眼のラストが好き。

  • 古今東西の有名童話をモチーフにした短編集。
    『本当は怖いグリム童話』みたいな印象。

  • 内容も装丁も素晴らしい。
    可愛いカバーに隠された中身を見てしまったら、果たしてもう一度この装丁を可愛いと思えるだろうか。
    西洋童話をモチーフとした暗く逃げ場のない作品たち、童話好きとしてはたまりませんでした。
    マッチ売りの少女の『凍りついた瞳』は布団の中で読み返しました。傷つけることでしか感じられない気持ちが痛くて切ないです。

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おとぎのかけら 新釈西洋童話集の作品紹介

シンデレラ、白雪姫、みにくいアヒルの子…耽美で鮮烈な現代版西洋童話、全7篇。

おとぎのかけら 新釈西洋童話集のKindle版

おとぎのかけら 新釈西洋童話集の文庫

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