つるかめ助産院

著者 :
  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087713794

感想・レビュー・書評

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  • 食堂かたつむりの雰囲気を気に入って、続いてもう一冊。
    男に捨てられた主人公がかつて男と訪れた島へ、彼の面影を探しに…。
    そこで出会った助産院で、いろいろな経験をして、自分の殻を脱ぎ捨てることができるようになるお話。

    妊娠して、子どもを産むということの大切さ、尊さを再認識。
    もう一人、産んでもいいかな~って気になってしまう。

    そして、自分がこの世に産み落とされ、
    誰かに大切にされているということも理解できるように。
    人はみんな、何かしら辛い経験を抱えていて、
    それでも明るく前向きに生きているんだなと。
    多少の嫌な思い出に引きずられていては、もったいないなと思えるお話だった。

    子どもを産んだ女性のほうが、共感しやすいストーリーかも。
    結末はちょっと唐突感があるけど、全体を通して、心がほんわか、暖かい気持ちになれる。

    食堂かたつむりの時も、何だか独特な空気感がいいなあと思ったんだけど、沖縄だね!
    沖縄の離島の、のんびり、あたたかい空気感。
    沖縄で1カ月ぐらい、のんびり過ごしたいなあと思った。

  • お産の記憶薄れてきたけど、あの時の気持ちを思い出させてもらいました。
    今の私にはぴったりだったかも。
    反抗期やひとり立ちして行くこども達に腹を立てたり寂しくなったり…
    でもお腹にいた時の幸福感、ワクワクした気持ちを思い出させてもらいました。

  • 内容、とういうかテーマは良かったなぁと。

    が、正直私にはこの方の書く文章のリズムが合わないんだなぁ、と実感。

    ドラマも見ていたけど、あぁ脚本家の人ってスゴイなぁ、と尊敬してしまった。
    南の島の助産院に、都会で孤独感を抱えて、夫にも逃げられた若い妊婦がやってきて、素朴な人たちとの交流や自然の中で、生きる意味と力を見出してゆく。
    それがストレートに伝わってきた見応えのある良いドラマでした。

    そういう意味では、それを原作からはあまり感じ取れなかったのが残念。
    もう少し、ひとつひとつのエピソードを丁寧にあつかってほしかったかな。

  • あれ,あれれれれ…これはードラマの方が良かったかもー?!
    今まで,原作よりもドラマや映画が良いと思ったことは殆どなかったのに,
    これは…ちょっと自分でもビックリ(^o^;

    NHKでしていたドラマを見て,すごくいいなって思って原作を読んだのだけど,
    ドラマと原作は,かなり違いました(@o@)

    夫が突然いなくなることやつるかめ助産院で出産するという大まかな流れは同じなんだけど,
    主人公の女の子の気持ちとか,育ての親とのやりとり,
    夫の思いやその他の登場人物の気持ちとか結構違ってて,
    原作の方が「出産」に重きを置いていたかな?
    ドラマは,出産だけじゃなく,疲れた心の癒しということにも
    力を入れられていたような気がします。

    そして,俳優さんの皆さんがとても良かったんです。
    主役の仲里依紗さんと余貴美子さんはもちろんすごく良かったし,
    長老役の伊藤四朗さんもサミー役の中尾明慶さんもよい感じで,
    この島に行ってみたいな~♪って思うような素敵な雰囲気を醸し出していました。

  • 再読
    ドラマを見て、原作はどうだったかな?と気になったため。

    ドラマの女の子はなんとなくふてくされた感じがあったが、小説の子はもっと素直な感じ。
    素直だからこそ、得られるものもたくさんあったと思う。
    最後はちょっとタイミング良すぎ!と思ったけど、でも、このタイミングで戻ってきてくれたからこそ、また二人で・・・生まれた子も含めて3人で新しい人生を生き直していくことができるだろう。
    長老はやっぱりい味出してる。

    • kuroayameさん
      先日私も読んだお話だったので、レビューを拝見させていただき、とっても嬉しかったです。
      ありがとうございました♪。

      私も実はドラマを見...
      先日私も読んだお話だったので、レビューを拝見させていただき、とっても嬉しかったです。
      ありがとうございました♪。

      私も実はドラマを見ていたのですが、原作の本であれこれ自分なりに想像しながら呼んでいたのと比べちゃったりして楽しみました。

      島でののんびりした生活や住人の皆さんのやさしにぽろりと涙が出ちゃいましたが・・・。
      読んでいるうちに、島へ実際に出かけてのんびり過ごしてみたいと思いました。

      本の内容について、素敵なレビューを拝見させていただきありがとうございました★
      2012/11/22
  • 子どもを産むということをありのままに描かれたお話。最後のページにはお産に関するたくさんの参考資料が羅列されていたので、徹底的に取材されたのかなと思われる。
    でもお産のことだけじゃなく、これは南の島の話でもあり、とても美味しそうな郷土料理が出てきてそれも魅力の一つだった。

  • 生命と食べ物がテーマの小説。只今、NHKでドラマ化されて放映中です。

    突然消息を絶った夫、小野寺君を探して二人の思い出の地、沖縄のハートの形をした南の島へ向かったまりあ。
    そこで妊娠を知ったまりあは、東京へは戻らずつるかめ助産院で出産することを決意する・・。

    「食堂かたつむり」などと同じく生命と食べ物がテーマで、少しスピリチュアルな要素もあります。
    読んでいる真っ最中は泣けるし登場人物も魅力的ですが、終わり方がちょっとプツンと終わったというか、余韻がなかったかな。

    亀子先生、長老、パクチー嬢、サミーと個性的なメンバーが揃っていますが、そこはやっぱりドラマ化されたものの方が面白いです。まあ、ドラマの方はファンタジーっぽいですからね。

    食べ物の描写はさすが。出産シーンも助産院の良さもとても伝わってきます。
    そこに混じるスピリチュアル要素が読後にちょっと引っかかるというかすっと入ってこないですが、全体的に魅力的な作品だと思います。

  • こんなに泣きながら読んだ本は久しぶりだ、全編涙涙であった。この著者は「食堂かたつむり」以来であり、NHKのドラマが始まったので、何となく読み出したのだが、今はNHKに感謝だ。ただNHKの方はかなり現実的な話に持って行っているが、原作はおとぎ話のようで、優しさに満ち溢れている。ただ、章立てになっていないので、中断するのに困った、一気に読み通すべきだったのだろうか。
    それと、病院でのお産の味気なさと不自然さを感じ、今病院で働いている身としては、現代医療が間違っていると感じざるを得なかった。

  • 生まれる命もあれば、消えていく命もある。
    そんな当たり前のことを強く感じさせられる一冊でした。
    母親との関係に悩んだり、母親であることに悩んだり、母親になれなくて嘆いたりする女性たち。
    しかしつるかめ助産院の先生が「それでもみんなおへそがあるでしょ」という言葉にハッとさせられました。
    誰もが母親のおなかの中で母親から栄養をもらって育ち、生まれて来たんだ。
    その証にみんな、おへそがあるでしょ。
    というメッセージに、母の偉大さをあらためて感じました。

    小川さんの作品は食べ物に対する愛情が感じられて大好きです。
    いろんな困難を乗り越えて、人との出会いを大切にして丁寧に生きる というのは、簡単そうで簡単ではないんだよな~って思います。

  • 小野寺くんに何があったのか、気になる。

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著者プロフィール

作家。デビュー作『食堂かたつむり』が、大ベストセラーとなる。その他に、『喋々喃々』『にじいろガーデン』『サーカスの夜に』『ツバキ文具店』『キラキラ共和国』『ミ・ト・ン』『ライオンのおやつ』『とわの庭』など著書多数。

「2023年 『昨日のパスタ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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