旅屋おかえり

著者 :
  • 集英社
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感想 : 404
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087714463

感想・レビュー・書評

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  • 心温まる物語。
    売れないタレント、「おかえり」こと、丘えりか。
    唯一のレギュラー番組が打ち切りになり、『旅屋』を始める。それは事情などがあって旅に行きたくても行けない人から依頼を受けてする、旅の代行業。

    前半はユーモアたっぷりで微笑ましく後半はじんわり涙を誘う展開。
    各登場人物の心の奥底にある、辛い過去や出来事の数々、そして絡まった気持ちが次第にみえてくる。
    そんなそれぞれのわだかまりなどの想いが『おかえり』の旅を通して少しずつ解けていく。。。。
    特に江戸ソースの会長、悦子さんのご依頼での袱紗の中身は何なのか??気になりながら読んだが……、分かった時ぐっと胸にくる気持ちになった。
    そして、持ち帰った「成果物」の中身が分かったときには、とても温かい気持ちになれた。

    おかえりちゃんはじめ、登場人物は皆、素敵な人ばかり。
    前向きになれたり、優しい気持ちになれる一冊!!

    • つくねさん
      チーニャさん、こんちはww
      それに、かなさんもww

      籠城生活してたのでコメ入れ後回しにしちゃって忘れてましたww
      おかえりちゃん、...
      チーニャさん、こんちはww
      それに、かなさんもww

      籠城生活してたのでコメ入れ後回しにしちゃって忘れてましたww
      おかえりちゃん、大好きなキャラなんです。
      私も山に行けなくなった人に替わって登山するような仕事に
      憧れてしまいましたww
      マハさんの本、こないだ古本屋さんで2冊みつけてストックあるのですが
      家にあるといつでも読めるって思って借りてきた本優先になっちゃうので積毒になっちゃってますw
      2023/06/22
    • チーニャ、ピーナッツが好きさん
      しじみさん、こんばんは♪
      籠城生活って…。(・・?(笑)

      しじみさんの場合は、代行業の中でもピンポイントですね〜(笑)登山代行業で…!!(...
      しじみさん、こんばんは♪
      籠城生活って…。(・・?(笑)

      しじみさんの場合は、代行業の中でもピンポイントですね〜(笑)登山代行業で…!!(笑)

      図書館本と、購入本の関係。
      図書館本優先、あるあるですね。
      私もそうですし。かなさんもそうだときいてます〜(笑)
      2023/06/22
    • かなさん
      しじみさん、チーニャさん、こんばんは♪
      しじみさんの積読が、積毒になっている(*゚∀゚*)
      これ、いいですねぇ!!

      そうそう、図書...
      しじみさん、チーニャさん、こんばんは♪
      しじみさんの積読が、積毒になっている(*゚∀゚*)
      これ、いいですねぇ!!

      そうそう、図書館でも借りて読みたい本も沢山あって
      でも、家で積まれている本も沢山あって(^_^;)
      家族からは、読まない本は積まないでっ…
      でも、読むんだもんっ…いつ、か…って、ネ!
      2023/06/22
  • この表紙の鮮やかな青空のような清々しい物語だったなぁ。
    私は、旅はどこへ行くかではなく、誰と行くかだよなぁと思ってきた人なんだけど、おかえりの旅は違う。旅って出逢いなんだなぁ、と思わせられる。
    おかえりはとっても元気でとっても清々しくて、まさしく表紙の青空のよう。
    周りの人に可愛がられ、おかえりも周りの人に元気を与える。
    こんなおかえりの旅をもっとたくさん読みたいなと思っていると、後半はちょっと重い話に‥‥。
    後半の人間模様に釘付けになってしまいページを捲る手が止まらなくなってしまいました。
    人を許すことや、前へ進むこと、これは簡単なことではない。何年もかかってしまうこともある。でも進めた時にはやっぱり表紙のような青空が待っているなぁ、とまた表紙を眺める私。
    とても良い読後感でした。
    続編も楽しみです。

  • じんわりする作品だった。

    旅は、2種類ある。物理的な旅と、心の旅。
    誰かのために旅をする。それは重荷もあるけれど、とっても素敵だなぁ。
    旅を通して、誰かの閉ざしていた心をゆっくりとほぐす。
    おかえりちゃんだから、できたこと。
    会長の思いを届けたときのシーン、うるっときた。伝わった。

    今もきっと、コロナ禍で動けない人たちの気持ちを胸に、どこかで旅をしているんだろうなと想像した。

    ふるさとに帰ったときのおかえりちゃんの物語が読みたくなった。きっと家族が暖かく出迎えてくれるんだろうな。続編に期待!

  • 元アイドル、崖っぷちタレントの丘えりか。
    唯一のレギュラーである旅番組が打ち切りとなり、タレントとしてどころか、人生も崖っぷちに!

    自分をもう一度見つめ直すきっかけをくれた旅。
    原田マハさんの、人生とお仕事の話。
    読後は前向きな気持ちになれる。

  • 4.4
    ずっと読みたくてなかなか機会が無くて読めてなかったですが、やっと読めました。
    いや〜、いつの間にか泣けました。
    読んでいる途中、何度か不思議と泣けましたね、
    すごく感動した、という訳ではないんですが、暖かい気持ちになりホロリと涙が出てきました。
    話としても面白く、旅屋なんてよく考えたな、と。
    旅番組は好きで良くみてますが、何となくぼーっと見てることが多いですが、この本を読んで旅番組の見方が変わりそうです。
    丘えりかで、おかえりって思いっきりダジャレですけど、悪くないです笑笑

  • レギュラー番組が打ち切りになったタレントが、「病気で動けない娘の代わりに旅をして、様子を報告してほしい」という仕事を受ける。ホントにそんな旅が成り立つ??と思ったけれど、すてきな旅の話だった。後半はけっこう重たい話ではあったけど。
    おかえりの人徳なのか、旅で出逢う人たちがとてもすてきで、自分も旅へ出たくなった。
    続編も期待できそう!もっとおかえりの旅物語を読んでみたい。

  • あったかい気持ちになれる本です。

    「おかえり」こと、丘えりかは、タレント。
    北海道最北端の礼文島に生まれ育ち、スカウトされてアイドルになったが、あまり売れないまま32歳に。
    感じの良い容姿で、明るい性格、素直なリアクション。
    だが、それ以上のものはなく、プロダクションも弱小だったのだ‥

    唯一のレギュラー番組の「ちょびっ旅」を楽しくやっていたのだが、ミスで降板に。
    もう所属タレントもおかえりしかいないので、プロダクションは存続の危機!
    そこへ、病気で動けない娘の代わりに旅をしてほしいという依頼が舞い込みます。

    家族旅行では見られなかった満開の桜の写真を撮りに、角館まで行ったのだが、なんと急な雨に。
    それでも‥?
    出かけた先の温泉宿の家族も、おかえりの一人旅を心配してくれる番組スタッフも、とてもあたたかい。

    そして、番組復活をかけた依頼が‥?
    プロダクションの萬鉄壁(という名前でそれにふさわしい外見の)社長にも何か関わりが‥

    具体的な旅行案内になっていると同時に、旅というのはこんなふうに楽しいものだと、一緒にわくわく。
    私は旅行しないほうなんですけどね~何だか移動する喜びを追体験できました。

    たまたま、この感想を書くのが遅れて、実は「楽園のカンヴァス」を読み終わったばかり。
    知らなかったら別人の作品と思うぐらい、雰囲気も内容も違います。
    でも知っていると~戸惑いや困難もありつつ、あるときから夢中になっていく熱っぽさや、ふとした出会いで惹かれあう様子に、共通したものを感じますね。
    心通い合うあたたかさが、じんわり心に染みとおります。

  • 原田マハさんは、文章が巧い。風景も心情も、本当に綺麗な文章で描く。原田さんの描く主人公の女子が、みんな、まっすぐだ。すなおで、まっすぐだ。彼女たちには、好きなものがあるからなんだろうな。
     
     旅が大好きな売れないタレント、おかえりこと丘えりか。旅番組打ち切りとなり、その後始めたのが「旅屋」。
     事情があって旅にでられない人に代わって、おかえりが旅をする。依頼人は、おかえりの旅したDVDを成果物として受け取る。報酬は出来高で。

     秋田県角館のしだれ桜。愛媛県内子町の伝統建築物の街並み。いいなあ。いってみたい。
    「出かけてみなくちゃ、何が起こるかわからない」そうだなあ。おかえり、そのとおりだ。
     よろず社長のしたように、何も考えずふらりと旅をしてみたい。おかえりのように、出発前夜のわくわくを楽しみたい。そして、帰ってきたときに、誰かに「おかえり」を言われたい。
     旅の楽しみ方を考えさせられた作品でした。

     旅にでたい!!

    • まろんさん
      ほんとうに!
      「おかえり」と言ってもらうために旅に出たくなり
      旅から帰った誰かに、「おかえり」と言ってあげたくなる本ですよね。
      この本に誘わ...
      ほんとうに!
      「おかえり」と言ってもらうために旅に出たくなり
      旅から帰った誰かに、「おかえり」と言ってあげたくなる本ですよね。
      この本に誘われて旅に出て、無事帰ってきたあやこさんに
      心をこめて「おかえり」と声をかけたくなってしまいました。
      2013/07/05
    • HNGSKさん
      まろんさん>>きゃー、まろんさん、ありがとうございます。私、ぼちぼち海外に、しかも日本と国交のない国に旅行しますので、帰って来たあかつきには...
      まろんさん>>きゃー、まろんさん、ありがとうございます。私、ぼちぼち海外に、しかも日本と国交のない国に旅行しますので、帰って来たあかつきには、「おかえり!!」をお願いします!!
      2013/07/06
  • アート小説ではない原田マハさんの作品。
    ユーモアあり、旅先での情景やご当地名物の描写に旅に出たくなったり、登場人物皆良い人で温かい気持ちになれたりと ほっこり&じわっと感動の1冊だった。
    好きなことを職業に出来るって、良いな~。

  • あなたの代わりに、全国どこでも旅に出ます!
    唯一のレギュラー番組「ちょびっ旅」が打ち切りになった売れないタレント・丘えりか。ひょんなことから、病気などの事情を抱えた人から依頼を受けて、代わりに旅をする「旅屋」を始めることに。

    明るい頑張り屋のおかえりや、見た目は怖いがあたたかい鉄壁社長、元セクシーアイドルのんのさん。いやな人が出てこないのがマハさんらしいというか、安心して読めるなぁ。

著者プロフィール

1962年東京都生まれ。関西学院大学文学部、早稲田大学第二文学部卒業。森美術館設立準備室勤務、MoMAへの派遣を経て独立。フリーのキュレーター、カルチャーライターとして活躍する。2005年『カフーを待ちわびて』で、「日本ラブストーリー大賞」を受賞し、小説家デビュー。12年『楽園のカンヴァス』で、「山本周五郎賞」を受賞。17年『リーチ先生』で、「新田次郎文学賞」を受賞する。その他著書に、『本日は、お日柄もよく』『キネマの神様』『常設展示室』『リボルバー』『黒い絵』等がある。

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