- Amazon.co.jp ・本 (504ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087714531
作品紹介・あらすじ
不況にあえぐユニバーサル広告社。次なるクライアントは閑古鳥が鳴く「さくら通り商店会」だった。最初はポスター制作だけのはずが、いつしかタッグを組んで商店街の活性化を目指すことに……。
感想・レビュー・書評
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禁断の恋あり、火事騒ぎあり、商店街のボスが出て来たりと大変ですが、明るい物語になっています。
ユニバーサル広告社の杉山が、さくら通り商店街の再生に奮闘する物語です。
さくら通り商店街は、戦前こそ地域随一の古刹、行覚寺の門前町として賑わった場所だったが、地域住民が反対したので駅が少し離れた場所になったこと、空襲で行覚寺が本尊もろとも焼失して再建されたものの、規模はかなり縮小してしまったこと……そういった誤算が積み重なって、今では時代から取り残されたような区域となっている。
そんな所に都心からこのうらぶれた商店街に引っ越してきたユニバーサル広告社の杉山が中心になって無報酬で商店街の再生にとりかかります。
荻原浩さんの本を読むのは初めてです。
【読後】
商店街の再生話は、商店街のボス達が邪魔をして難航するなかを。行覚寺の一人息子と商店街の教会の娘が熱烈な恋をしていく様子や、老婆が昔の恋を取り戻そうと動き出す様子……などが、ハラハラどきどきで手に汗を握る展開になっています。読後感が良く、笑いあり、涙ありと変化にとんでいます。
第一作目から読もうと取り寄せましたが字が小さくて読めないのが残念です。
【音読】
2021年11月15日から12月02日まで、大活字本を音読で読みました。この大活字本の底本は、2012年06月集英社発行の「花のさくら通り」です。本の登録は、集英社で行います。大活字文化普及協会発行の大活字本では、第1巻~第4巻まであります。
花のさくら通り ー ユニバーサル広告社シリーズの3作目
2018.08大活字文化普及協会発行。字の大きさは…大活字本。2021.11.15~12.02音読で読了。★★★☆☆
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【バックナンバー】
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不覚にも、終盤、泣かされてしまいました。
商店街街おこし系の人情物語。
うーん。ベタだけどまあ、萩原浩さんだしなあ。
久しぶりに、現代日本舞台のフツーのリアリズム小説、読もうかな。
と、言うくらいのつもりで。
梅田の紀伊國屋書店で衝動買い。
読み始めてしばらくは、
「うーん。サービス精神が強すぎるかなあ。あんまりユーモア小説を頑張られても、読むほうは疲れるんだよねえ」
とかって、ナナメに眺めていたんです。
けれど。
そんなこんなで甘く見ていたら。
そんな心の隙間に、いつの間にかに直球直球でビシビシ入られてしまった感じですね。
脱帽です。
衝動買いが当たると、嬉しいものですね。
何の、ケレンな特性がある訳ではありません。
不条理なことは起こらないし、心象風景が幻想イメージになって浮かぶこともありません。
実験小説な味わいも無ければ、私小説的なブンガク性もありません。
ごくごく普通の、小説です。
確信犯ですね。
萩原浩さんのプライドを感じます。
萩原浩さんは「月の上の観覧車」「家族写真」を読んで、
「短編も上手いんだなあ、というかひょっとして短編の方が上手い?」
と思っていたんですが。
やっぱり長編も凄いですね。
この小説、「ユニバーサル広告社シリーズ」の三作目になります。
三流下流もいいところの、泡沫広告制作会社の「ユニバーサル広告社」。
その個性豊かな面々が、爆笑騒ぎを起こしながら、大まか、勧善懲悪難問解決。と、いうシリーズです。
でもシリーズ、と言っても、
①「オロロ畑でつかまえて」1998
②「なかよし小鳩組」1998
③「花のさくら通り」2012
ですから。まあ、シリーズと言うよりも、14年ぶりに続きを書いた、というくらいですね。
僕も実は、過去2作をもう何年も前に読んでいるんですが、正直、なんにも覚えていませんでした。
「面白かったな」
「笑えて、結構熱く感動もしたなあ」
という、印象の記憶しかありません。
(だから、こういう風に、備忘録をつけておくと、面白いんですけどね)
でも、過去2作を忘れていても、「花のさくら通り」を読む上で、何の支障もありませんでした。
さすがに14年ぶりですから。
作者も、まっさらな読者が愉しめるように書いています。
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「ユニバーサル広告社」という、広告制作会社があります。
社員4人だか5人だかくらいの、小さな広告屋さん。
チラシ一枚から、B級C級のCMの制作などをしています。
経営はいつも火の車。
で、冒頭、そのユニバーサル広告社が、とうとうお金がなくなって、都心のオフィスを捨てます。
東京郊外っぽい、さびれた商店街。「さくら通り商店街」。
和菓子屋さんの2階にオフィスを移転します。
広告会社としては、実に惨めな都落ち。
口先三寸だけで、意気地も胆力も無さそうな中年男・石井。これが社長。
クリエイティブ全般を担当している、元一流広告会社だった、杉山。
これが主人公。
デザイナーで、パンクバンドをやっていて、無愛想で無口な、村崎。
実はお金持ちのお嬢様という、結構魅力あるけどがさつな若い女性、猪熊。
この四名が、「ユニバーサル広告社」。
主人公の杉山さんは、30代の後半くらいか。
かつては一流広告代理店で巨大な仕事をしていた。酒にかなりはまってしまい、色々あって、苦汁をなめて、今はユニバーサル広告社。
その上、離婚までして。元妻は再婚した。
娘がひとりいるけど、親権は元妻。
元妻が再婚したから、「もう娘には会わないでくれ」と言われている。
淋しい独り暮らし。
10歳くらいの娘からは、なにくれとハガキが来る。
すごく会いたい。
でも、元妻は嫌がるだろう。
新しい父親と馴染むべきだ。
返事も書けない。
つらい日々です。
この主人公の杉山さんが、元は一流広告マン。今でも、実力は、ある。
と、いう、ある種の貴種流離譚が、いちおうはエンターテイメントな設定の基本になっています。
なんだけど、杉山さんは、一流会社で摩耗して、今はしがない小企業。
その上、離婚して子供とも会えなくて。
その上、会社の都合で、オフィスの上、さくら通り商店街の和菓子屋の三階に寝泊まりすることになる。
かなり人生、ぱっとしない30代の元エリート。
わびしい独り暮らし。
どこかで、
「俺はこんなものだっけ」
「俺は何かを証明したい」
「俺は、何か熱くなれるものが欲しい」
「娘に会いたい」
「娘に何か、何か素敵なものを渡してあげたい」
というような、淋しさや不安と背中合わせの、暗く奥で燃える思いがあるんですね。
その杉山さんの思いが、うまく、この小説の他の人物たちと重なっていきます。
ユニバーサル広告社が新たにオフィスを構えた、「さくら通り商店街」。
微妙に駅から遠く、さくら通りなのに桜もない。
環境は高齢化して、シャッターが増殖中。
そんな、ありがちな、元気のない商店街。
この小説で描かれる、さくら通り商店街の面々もみんな、不遇や、ストレスや、高齢幹部の抑圧や、己の弱さや、将来の不安や、徒労感や、諦めや…
そういった思いに縛られながら、それでも何とか立ち上がれないか、と。
きっかけは。
ユニバーサル広告社が商店街にやってきて、ひょんなことから、商店街のお祭りのチラシの作成を依頼されたこと。
商店街の実権は、高齢者の商店会長らが、地方の議員や不動産利権と結びついて握っています。
そこには、極端に言えば、商店街が活性化することよりも、自分たちのプライドと利権に都合の良い現状が続けば構わない、という暗く重い悪意による圧政があります。
このあたり、商店街の実態と仕組みという意味でも、「なるほど度」が、かなりあります。
新規な企画を持ち込んだユニバーサルは、商店会にバッサリ否定されます。
ところが、全く別線で、偶然にその時期に起こった、「連続放火魔事件」。
主人公・杉山が、商店街の中年グループと一緒に解決します。
こんなことから、高齢者に実権を握られてはいるけれど、ちゃんと将来を考え、実は各々、
「このままではいけないのでは」
と思っていた中年店主軍団が、杉山さんと仲良くなります。
大まかそこからは、
①ささやかながら、商店街の新しい取り組み。遠方の集合住宅へ出向いて青空市をやったり。お祭りの企画、各々の新商品など。
②商店街の未来に関心なく、プライドと利権だけで実権を握る高齢者たちとの、対決、戦い。
という二つの軸で進んでいきます。
まず、この①も②も、かなりきちんと説得力があって、読ませます。
なんとも笑っちゃうくらいご都合な解決だったり、がっくりするくらい結局精神論の熱意で翻意する、みたいな、お子ちゃま向けのテレビドラマとは違います。
青空市の失敗と、そこからの対策、というくだりは、なかなか「なるほど」と思わせましたし。
高齢者たちとの対決では、当然ながら既得権益者は最後まで、熱意なんかでは翻意しません。
と、ことほど左様に。お話の縦軸は、
●次々に仲間が増えていく。バラバラだった仲間が結束していく。
●自信のない、ココロも弱かった主人公たちが、失敗を重ねながら成長していく。
●帝政を敷く既得権益者の理不尽に、苦しみながら抵抗していく。
と、娯楽展開まっしぐらな流れ。
もちろん、ユーモア小説の色合いを忘れたくない萩原浩さんですから、ところどころに破天荒偶然爆笑な仕掛けはありますけど。
でも、大きな課題や解決については、ディティール豊富。
さすが、元広告マンだった萩原浩さん。
大ブレイクは先を越されましたが、
「池井戸潤さん半沢直樹、
萩原浩さんならユニバーサル広告社シリーズ」。
おふたりとも前職の強みを十分に活かしていらっしゃいます。
という大きな物語の前進力学と並行して。
この商店街、「さくら通り」は、もともとは、小さな禅宗のお寺の門前市だったんですね。
で、今でもそのお寺があります。
そして、その寺には、跡取りの息子がいます。
この息子が、仏教系の大学を卒業したところ。
他の能力と機会に恵まれなかっただけで、お坊さんになるのを嫌がっています。
嫌がっているんだけど、他に選択肢がない。
大学を卒業したから、実家を継ぐためには、3年くらい修業に行かなくてはならない。
パンクロックに青春を燃やしていたのに、なんてこったい俺の青春。
禅宗の修業は、3年寺に籠り切り。外泊禁止、携帯禁止。プライバシー、ゼロ。
そんな地獄に赴くのを、なんだかんだと先延ばしにしているときに。
この青年、カワイイ女の子と出会って恋に落ちちゃう訳です。
で、その女の子が、なんと、「さくら通り」に隣接する、とある教会の牧師のお嬢さん。
つまり、超・べたべたな、
「坊主の息子と牧師の娘が恋におち」
というのが始まる訳です。
2014年の今どき、そんなこと別段に障害とも言えないのですが、
この話は、うまく
「修業に3年、山寺へ行く」
というの利用しています。
周防正行さんの映画「ファンシイダンス」ですね。
付き合い始めて、良い感じになったのに、3年会えないなんて。
メールも電話もラインもできないなんて。
こればっかりは、2014年の今の話だからこそ。
まあ、続かないよね。
絶対、待ってなんかいないよね。
そりゃそうだ。諦めよう。でも切ない。
という、揺れる、男心。
そして。
男がそう思っているだろう。
でもだからって「待つ」って言えるのか。
でも気持ちは今は、そう思う。
と、揺れる、女心。
そうです。
ユニバーサル広告社と中年商店主の奮闘記とパラレルで、
ストレートな若い男女の恋愛物語が進みます。
そして。
娘と会えないけど、会いたい。
でも連絡も出来ない、主人公・杉山。
その杉山のもとに、ぽつぽつとやってくる、娘からのハガキ。
返事も出来ない惨めさと、娘の無邪気な言葉に心をえぐられながら、励みにして前を向く、杉山君。
分量は少ないけど、この、杉山さんと、娘からの手紙という、
どうにもならない痛み、取り戻せない時間とか過去の失敗みたいな哀切さ。
でもだからこそ、まだ今からでも、ささやかにでも現実に抵抗したいという情熱。
このスパイスが、とっても良く効いていますね。
また、前述の
A:商店街建て直し物語
B:若い男女の恋物語
の二つの軸に対して、良いところで入るんですね。
「C:痛い娘からの手紙」
っていうのが。
それが入ることで、ぐっと三つの要素が立体的に立ち上がってくる気がします。スバラシイ。
で、物語の流れとしては、
「途中まで辛くて、やっぱりだめか?…なんだけど、最後に全てが実って、溜飲が下がる」
という、ある種、やくざ映画方式なんですね。
その溜飲が下がるところ、そこで初めて、
A:商店街建て直し物語
B:若い男女の恋物語
の二つの流れが大合流する感じになります。
そこのところは、実にベテランらしい、ベタでもなんでも気持ちの良い盛り上げ方。
ベタと言っても、手段やディテールは、結構意外性にあふれています。
かなりひねくれている読み手でも、ディテール部分で予言することは、この小説、まず不可能ですね。
そのあたりから、ラストに向けて。
どうも最近、年齢のせいか、気が利いている作りの直球の物語に弱くって…
正直、結構、涙浮かべながら読み終わってしまいました。
とはいえ、そのあたり無論、好みも男女差も年代差もありますから。
大上段に名作傑作とも言いませんし、またそう言われたい小説でも無いような気がします。
ユーモア小説的なケレンなところとか、多少は当然存在する、楽観的なるご都合な箇所もあります。
そのあたりの「許せる度合い」って、個人差ですからねえ。
でも、僕は、正直、大好きです。
萩原さんは、これまでのところは、何と言っても「誘拐ラプソディ」「ハードボイルド・エッグ」の二作が、長編ではいちばんだと思っていました。
けれども、「花のさくら通り」。
うーん、ベタな人情噺の小説かと思いきや。
いや、ベタな人情噺の小説なんです。
なんだけど、それでいて、ディテールが豊富で、現実的な課題については、結構ハードボイルド。
事件と課題と対立と融和、停滞と失敗と成長と成功を描写して、テンポが良い。
キャラクターが豊富で、ラストまで人々の思いが有効に繋がって読ませてくれる。
そして、ぶっとんだ設定や、難解な哲学、実験的な示唆がある訳ではなく、水が流れるように、読み易い。
つまり、物凄く素敵なエンターテイメント。
題材やら中身が、地味なのか、話題にあまりならなかったのが惜しいくらい。
かなり傑作、だと思いました。 -
良かった
終盤 何故か涙が出てきた
涙もろくなってきたなあ -
前から気になっていた本。
この本はユニバーサル広告社シリーズ第3弾とのこと。
面白かったなー商店街のコミュニティや個人事業主のむつかしさを感じたり、主人公の「離婚した父」としての娘への思いやりだったり。ラストの場面は思わず笑顔になった。 -
ユニバーサル広告社。杉山、好きなんだよなぁ。面白いだけじゃなくて人の弱さとか人生の難しさとかをうまく自然に、そしてしつこくなく書くんだよな。荻原浩は。
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ユニバーサル広告社シリーズ第3弾。今回も楽しめた。
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「オロロ畑でつかまえて」「なかよし小鳩組」に続くシリーズ第3弾。あんまり間が空いたから、荻原さん、ユニバーサル広告会社の話はもう書かないんだと思ってましたよ。(*^_^*)
たった4人の零細広告会社ユニバーサルは、とうとうにっちもさっちも経営が行き詰まって都落ちです。なんと、地方の裏さびれたさくら通り商店街の中、和菓子屋の二階に間借り、というこれ以上はないのでは?という逆境の中、主人公・杉山(バツイチ、別れた妻との間に幼い娘がいて、その娘からのたどたどしい手紙が物語の優しいアクセントになっていた。)、緩めながらも仕事を獲得し、また、その商店街の再生に大きな力となる、という・・・。(*^_^*)
荻原さんお得意の迷惑キャラは時に鼻について仕方ない時もあるのだけど、今回は、ギリギリオッケー。(ゴメン、偉そうですね、私)
商店街のどうしようもないお偉方やその廻りにわけもわからずくっついている人たち。
客が来ないのは自分たちのせいではなくて、全て時代や環境が悪いから。
シャッター通りになったって、相続税を考えると転売はしないでそのままの方がいい、
なんでも昔からのしきたりが優先で、新参者、よそ者は黙ってろ、という、いわゆる旧弊な考え方が挟み込まれるのだけど、杉山がそれを気に病みすぎることなく、プレゼンで鍛えた「口」を頼りに現状打破に力を発揮するところが痛快だった。(*^_^*)
人はこう言えばこう思う。ちょっと角度を変えた言い方をすれば、通らないものも通る、なんて面白いよね。
商売よりも、何よりも、小さな商店街でボスでいることに価値観を見出す年寄りたち。
加えて、人に威張りたい=人に自分の哲学を語りたい、ということ、という看破には、うんうん、わかるなぁ、と。
ユニバーサル広告会社の個性的な面々も、そんなに突飛すぎない範囲で面白く描かれていたと思うし、(とんがりすぎだったり、能天気すぎるとそれはそれで面白くないんだもの)みんな、好きだなぁと思えたし(ここが一番大事だったりする。(*^_^*))。
さくら通りの“CM”は、そっか、そうくるか、という展開で、また、杉山の娘の話も、うん、そうなるだろうね、というところでの優しい着地点が用意されていた。
ユニバーサルはこの地から抜け出すのか、このままここで骨を埋めるのか。
西部劇のように、颯爽と新しい地に去って行ってほしい気がするけどどうなんだろうね。(*^_^*) -
いつも思うのだが、私の中で荻原浩さんと奥田英朗さんの印象がかぶる。
奥田英朗さんのほうがアクが強くて、荻原浩さんの方はシニカルな毒、という感じなのだが。
そして、どの作品に関しても思うのは「走りだすまでが長い」
物語が疾走し始めたらすごいんだけど、そこへ至るまでがちょっと長いのだ。だからどうしても最初の方でだれてしまうのだが、でもやめられないことは確か。そしていったん物語が疾走し始めたらもう絶対に読むのをやめられない。
そして読み終わって思うのだ。「ああ、ほんとに面白かった」と。
ユニバーサル広告シリーズはずいぶん前に読んだので、正直忘れかけていた。でもそれは全然問題なかった。本作が初めてのユニバーサル広告シリーズでも全然大丈夫。みんなキャラが立ってるから、すぐに馴染みになれる。
シャッター通りの問題は、どこにでもある。私が住んでいるところにもある。どうやって生活してるんだろうと不思議に思うような商店街である。
一発逆転とか、ドラマのような簡単な解決策なんてないのだろうが、それでもこの作品に描かれているように、なんでもやってみなくちゃいけないのだ。
古い世代の反対の仕方にはつい苦笑いしてしまう。そうなんだ、年をとると変化することが怖いし、自分を守ることにしがみついてしまうものなのだ。
あと、杉山さんは別に早苗ちゃんと会ってもいいと思う。どうして「新しいお父さん」に遠慮するのかなあ。そういう大人の思惑は子どもには迷惑だと思う。 -
ここの街の続きが気になる〜
光照と初音の話、読みたいな。
いろんなキャラの人々がたくさん出てきて飽きずに読めました。