白ゆき姫殺人事件

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著者 : 湊かなえ
  • 集英社 (2012年7月26日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087714593

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白ゆき姫殺人事件の感想・レビュー・書評

  • 湊かなえらしい作品。
    OL殺人事件を巡って報道が過熱、疑われた女性の実名がネットに流れてしまう。

    「白ゆき」という化粧石けんがヒットした会社に勤めるOLの遺体が、雑木林で発見された。
    色白美人と評判の高かった三木典子。
    同期で同じ課に二人配属された城野美姫は化粧気もなく、目立たない外見。
    上司には差別扱いされていたが、城野は淡々とした態度だった。
    ところが城野が得意の料理でお弁当を作ってあげていた篠山係長も、美人の三木にあっさり取られてしまったらしい。
    篠山係長は、城野とは恋人ではなかったと証言するのだが?

    城野が欠勤を続けたところから容疑がかかり、噂が広まっていく。
    新聞記者の赤星は、二人を知る人にインタビューを重ね、城野の出身地までも取材に行く。
    学生時代には天然記念物のテンちゃんというあだ名だったという城野。
    村では妙な噂が‥?

    一人称のお喋りでそれぞれ違った見方が語られ、ぐいぐい引き込まれます。
    この作者いつもの調子で、殺されたほうも性格があまり良くないとだんだんわかってくるため、案外軽い読み心地。
    この性格は身近にいてほしくないけど、ちょっと笑えます。
    普通に週刊誌の見出しを読む程度の意地悪さというか。おっと、こちらも影響されて辛口になってしまってるかも?
    この前に読んだ「母性」の濃さと比べてしまうせいかな。

    マンマローというツイッターのようなSNSの書き込みや、週刊誌の記事が、参考資料として最後にまとめてあげられています。
    これが今の時代らしい新機軸。
    それでなるほどとわかる部分もあるんだけど、すごい新事実とかではないので~ちょっと読むのが面倒くさい。
    これをもう少し減らして犯行にいたる事情など別な部分を書き込むか、中盤からばらして少しずつ紹介したほうがよかったように思えますね。

  • 怖い。
    『白ゆき姫殺人事件』というタイトルから小人が推理するメルヘンなミステリーを想像していた。
    表紙がちょっと怖いなと思っていたのに…。そっちが正解だった。

    湊かなえさんの本を読むのは初めて。
    簡単には休憩させてくれない文章だと思った。仕事中続きが気になって気になって…。
    証言と関連資料を交互に読む構成はとても面白かった。
    週刊誌に対して嫌な印象が増してしまったけれど。

    「しぐれ谷OL殺人事件」の犯人像の取材で語られるのは、バラバラな人物像。
    読んでいるだけで気分が悪くなるような悪口も、明らかに浅はかな決めつけも、心からの親愛の気持ちもあった。
    そうしてそれらが週刊誌の記事にまとめられた時にこんなにもねじ曲げられるなんて。
    ただただ怖い。気持ち悪い。

    「殺人事件」、「容疑者」という言葉に乗っかって証言をする人達。
    言葉を歪める記者。
    当事者の言葉をいったい誰が聞いてくれるのか。
    彼女が失ったものを考えると怒りがこみ上げてくる。

  • 素直に面白かったです。関連資料的な試みもされてて、今風で入り込みやすい。
    今の時代は、SNSが頻繁に作用されてるから、いいような悪いような。
    何が本当で、何が嘘なのかわからない世の中。
    関連資料がある分、映像にもしやすいですね。湊さんって凄いな。

  • これは怖い。

    ある殺人事件について関係者にインタビューしていく。

    それぞれの人の感じ方、見方の違い。
    同じ人なのに違う人。

    それに話の切り取り方によってどのようにも変えられる。
    さらにそれを読む人によってさらに変わる。

    自分の関係ないところで展開していく、自分の人物像。
    いろんな意味で怖いと思った。


    ブログや週刊誌記事、新聞記事を巻末に持ってきているところが良かった。


    (図書館)

  • 登場人物全員性格悪い。
    というか、自分が矢面に立たない境遇だとこんなに他者を悪く言えるか。
    特に女性の負の感情描かせるとうまい。
    章の構成がちょっと特殊だけどおもしろかった。

  • 湊さんお得意の手法。
    化粧品会社の美人社員が殺され、それについて週刊誌記者が事件関係者に話を聞く形式。
    すべて一人称で語り口調。

    最後の資料集を読むのが楽しかった…けど、ネットはこえぇ…自分が事件に巻き込まれたら、色々な事がパーッと広がってしまうのかな。みんな無責任すぎるよ、人のこと言う前に自己紹介したら?もちろん本名で。

    形式は面白かったんだけど、殺人事件の真相が物足りなかったので★★★

  • 化粧品会社の美人社員が焼死体で発見される。同時期に同僚の女性が姿を消す。フリー記者の赤星は社内の人間や学生時代の友人などに取材をし、噂レベルや個人の見解を週刊誌の記事やSNSに書き込む。ネット上では、憶測が憶測を呼び犯人探しをするものの・・・
    資料という形で、タイムラインのようなものや週刊誌の記事が載っている。目新しさはあるものの、読むのには正直面倒なことも。
    電子書籍ではこの手法が有効的に使われるのだろうか?

  • とあるOLが殺され、その周辺の人々による噂話がマスコミやSNSによって勝手に容疑者として仕立て上げられていく様子が本編となっています。巻末には週刊誌やSNSなどを模した資料と称するものも付属して目新しさはあります。
    噂話ほどあてにならないものはない。けれど、容疑者とされた同僚はこれでもかとどんどん貶められていく。
    小さな頃の話から小中高大学とそれぞれの同級生の話も追加され、きっと容疑者扱いされた人はこんなふうにされるのだろうと思うと空恐ろしいくらいです。
    ただ、終わりではあっさり真犯人が捕まり、やや尻つぼみな感じ。この作者さんならではの人間関係の恐ろしさだけが後に残ります。
    映画は見ていませんが、正直観る気は起きないです。

  • 申し訳ないけど、おもしろくなかった。。
    これで映画化って、ある意味スゴイ。

  • 殆ど証言と独白だけで構成されています。唐突な所なくスムーズに話を繋げるところは流石だと思います。
    しかし、殆ど伏線らしきものが見当たらないまま犯人が明らかになるのでミステリーの醍醐味はありません。
    また、芹沢ブラザーズのくだりは不要に思えますし、参考資料が各章の中に散りばめず巻末に纏めてあるので、果たしてこの構成で良かったのか疑問に思います。推理小説以前に小説として不出来な印象で残念です。

  • サスペンスものをあまり読む方ではないのですが、湊かなえさんの本はやっぱり面白いです。ネット(マンマローというSMS)に女性誌を連携させ、よりリアルな事件に見えました。

    美しいOL三木典子さんが滅多刺しな上に火を放たれて殺されるこの事件。被害者と容疑者を取り巻く人々が記者に取材されることで物語が進みます。

    真犯人は吐出と興奮といった感じでよく喋る・・・という現実と同じくな結果なのに、全然分からなかったです。

    容疑者に仕立て上げられてしまった城野美姫にも、問題はあるようで、それで冤罪とかになったら怖いな~とか思いました。SMSでは知人たちがあらゆる憶測で盛り上がり、よけいな情報をさらけ出します。取材は勿論生まれ育った町や学生時代の親友たちにも及びますが、自分が美化していた過去と他人から見た自分の過去があまりにもかけ離れていて、心を殺され日常に戻っていきます。

    自分が容疑者になった時、または近しい人が犯罪者となった時・・・。結局救いようのないような結末ではありますが、人間関係について考えさせられました。

  • 本を読んだあとに映画を観たら、映像というメディアに合った変更がされていてどっちもかなり面白かった!
    でも、小説の方が「誰もがただ好き勝手なことを言っているだけで、悪意はない」という微妙なニュアンスが伝わってくる、回りくどさのある言葉遣いで、リアルさを感じた。

  • 人って怖い。自分もきっといろんな人にいろんな違うこと思われてるんだろうな。信じていた子も、結局自分擁護なんだろうな。自分でも自分のこと分からなくなっちゃうもん。何が本当の自分なんだろうって。メディアも怖いけど、それを作る人の集団ってすごく怖い。

  • 最近わたしが怖いなあと思っていることそのものだった。
    いまや情報というのは世の中全員が発信する側に回った。情報を受ける側としては簡単に知りたい内容に手が届くという反面、匿名性が高まることで、意図するしないに限らず、発信する側の責任という感覚がとても軽くなってきているように思う。そして顔が見えないための攻撃性がとても高くなっている。
    クリープハイプの火まつりという曲を思い出した。

    それとあとがきにもあったけど、人に話をするときの「話を盛っちゃうかんじ」がリアルだった。
    ネットでの情報拡散や匿名による攻撃性、当事者を置き去りにして話が変な方向に転がって行く。
    このひとのはなしはその時々の社会を反映させるのがうまいし、さらにおもしろい。

  • こう言うインタビュー形式だったり、独白形式だったり、一方通行の電話だったりな書き方は読みやすいのですけど、社会派とゆーか、ただの読み物になってしまった感じなのです(´Д`;)「告白」と同じで映画で見た方が面白そうヽ(〃Д〃)ノ映画で端折る(であろう)部分の補足として読む感じ

  • 構成が見事。引き込まれて、文句無しに面白い。私たちが生きている現実社会もこうなんだろうと思う。

  • 噂が個人を徐々に殺していく、そんな物語だ。湊かなえの代表作「告白」と同じ一人称の語りで綴られる。異なるのはツイッターのようなミニブログのやりとりと、週刊誌に掲載される記事が「資料」として書かれていること。これにより、当事者とネット社会と一般読者の三つの世間に生じるギャップが描かれる。そしてこの物語の読者も一般読者の一人として噂の個人を殺してしまう体験をするだろう。それが最大の恐怖だ。

  • 読後にもやもやするのは相変わらず(笑)でも、新しいミステリーの形式で個人的には好き。

    人は見たいものしか見ない。そして、それをあたかも真実であるかのように捉えてしまう。考え方は人それぞれであるが、結局自分が真実だと認めたものしか受け入れる事は出来ないということなんだろう。

    更に誰かの為を思って行った事が、結果的に相手には伝わっていない事も多い。自分の考えている事と相手の思う事は必ずしもイコールではないから仕方がないのかもしれない。だからこそ、コミュニケーションが重要なのだろう。

    結果的に今回の事件で幸せになった人は誰もいない気がする。心を通わせる事のできる人がひとりでもいれば、何か変わっていたのかもしれない。

    全体的に少し軽めであり、細かい背景の描写は少ない。それでも、独特の書き方が読者を惹きつける。ただ、最後まで分からない点も少しある。

    【分からない点】
    ①結局江藤のブレーキは誰が外したのか。
    ②マンマローに登場してくるアカウント名が誰に該当しているのか。もちろん分かる人もいるのだが。

  • 良いも悪いも、語られるほど人間は単純じゃないことを再認識。だからメディアは怖い。

  • え、これで終わり?!とおもいきや。。
    最後の最後でやられたー!

    事件そのものよりも事件を通じて
    様々な人間模様が描かれている様子

    物語の構成

    素敵でした

    犯人、まったく予想がつかなかったです

    素晴らしい本でした

  • 登場人物の語り口で話が進み、各章ごとに参考資料もあり(コミュニティサイトでのやりとり)、こんな斬新なスタイルの本を手にしたのは初めて。
    面白かった。

    ”私は私の過去が解らなくなってきました。”
    ”自分の記憶で作られる過去と、他人の記憶で作られる過去。正しいのはどちらなのでしょう。”
    考えたこともなかったけど…、あんまり深く考えると人付き合いとか出来なくなりそう。

  • 人の噂はあくまでも噂。参考にする程度にして、まわりに振り回されないようにしなくちゃと思える本。

  • 湊作品は『夜行観覧車』に続き2作目
    2014年春に映画化ということで
    またまた読んでみた

    話はあいかわらず
    殺害された人の心情は語られず
    とりまく人々の語りで進められる

    人の話とかメディアとか
    いかに信用できないかと
    いうのが分かる(笑)

    そしてこの話には
    ツイッターならぬマンマローというSNSが出てきて
    そこでのやりとりも出てくる

    犯人は意外な人でもなかったけど
    動機とか殺人にいたる心情は
    深く掘り下げられてないから
    そこがいつもなんか物足りない感じ

  • 最近湊さんスタイルに飽き気味でしたが、これは面白い!
    語る人によってかわる、ひとりの女性の印象。
    こちらもまんまとミスリードされました。

    昔から変わらないマスコミ(雑誌の)無責任な記事や取材に対する皮肉とSNSサイトで繰り広げられる未確認な事の拡散を問題提起している。(かな?)

    雑誌記事、新聞記事、SNSサイトを最後にこちらに見せてくれる手法は面白い。

  • 湊かなえさんの本は『告白』に続き二冊目だが告白ほど先が楽しみになることはなく、期待しすぎもあったとは思うが終わり方に拍子抜けした。
    結局被害者がどんな人物なのかが私はわからなかったし(姫野の言ってることも嘘かもしれないと勘ぐってしまう)、計画的な殺人なのかどうかも断定されていなくて後味が悪い…。ただ見落としていることがあると思うのでもう一度読もうと思う。
    Twitterのようなツールを使うなど現代の問題に焦点を当てているのは面白い。

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白ゆき姫殺人事件の作品紹介

「あの事件の犯人、隣の課の城野さんらしいよ…」美女OLが惨殺された不可解な事件を巡り、一人の女に疑惑の目が集まった。噂が噂を増幅する。果たして彼女は残忍な魔女なのか、それとも──。

白ゆき姫殺人事件のKindle版

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