幸福な日々があります

著者 :
  • 集英社
3.03
  • (7)
  • (29)
  • (63)
  • (19)
  • (10)
本棚登録 : 271
感想 : 57
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087714616

作品紹介・あらすじ

森子46歳。祐一49歳。結婚生活10年を迎える。元日の朝、森子の発言が平穏な結婚生活を一変させた。妻が夫に別れを告げるとき-。移ろい行く夫婦の心情を綴る、長篇小説。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • *森子46歳、祐一49歳。結婚生活10年を迎え、幸福な結婚生活を送る森子。だのに別れを決心した。理由は夫として好きじゃなくなっただけ。そんな理由に納得がいかない夫と森子の平行線の日々は続き・・・離婚を望む一人の女性の移りゆく心の軌跡*
    森子に共感できる人ってどのくらいいるんだろう。一見自分勝手過ぎるもんなあ、夫として好きじゃなくなったってだけでは。
    でも、根本はそこじゃない。大好きで、どうしても結婚したくて、価値のある女だと思われたくて、少々無理をしてでも頑張った。大好きだから。でも、その「大好きだから」が無くなったら、無理している自分に疲れて、飽きて、倦んで、のびのびやりたくなって、その結果が離婚で・・・って感じなんだろうな。10年前と現在の森子の状況が交互に語られる構成なので、その対比がよくわかる。はっきりとした結末に至らないところも良かった。

  • 「家をでる」その行動は唐突に見えても、何年も何年もかけて遠いところへきてしまった気持ちがそうさせたのだと言うこと。
    「何があった」という決定的なことがないからこそもう「どうしようもない」ということはきっとあるのです。
    夫婦やってるとこの小説、よぅくわかります。気持ちわかる主婦、多いんじゃないでしょうか。若い人にはこの小説つまらないだろうなぁ(笑)

    「好きじゃなくなった」はまぁ妥協できるけど、「一緒にいたくなくなった」はもうだめですよね。だってそれは生理的なものだもの。
    生理的にだめだったらもう、その関係は終わってますね。

  • 著者がご自身の作品に対して使っていた"白朝倉"、"黒朝倉"という言葉(形容?)を真似れば、灰朝倉、かな(笑)ピュアなのかもしれず、それ故の悪なのかもしれず、でも実際こういうことあるよなぁ、グレーだよなぁ、というような。

  • そうだよね、そうなるよね、とは思うけど夫婦って好き同士というだけじゃない絆のようなものをつくっていくことが大事じゃないかなと思う。
    わかるけど、同意はできないストーリーだった。

  • どちらが悪いとかでは無くて、最初からなんだかかみ合っていない夫婦なので、こうなるのも仕方ない感じ。森子の気持ちは分かるんだけど、もうちょっと前の段階でどうにか出来なかったのかなとも思う。

  • 結婚10年目を迎えた森子、祐一夫妻。
    「夫としては好きじゃないんだよね。たぶん」
    大学教授で経済的にも不自由のない夫に、「離婚したい」と切り出した妻と、「別れたくない」と言い続ける夫。それでも森子は強引に別居する。
    仲の良かった結婚生活の様子と、別居を始めてからの様子が入れ替わりに描かれている。

    夫が心地よくあるために、自分の心地よさをほんの少しずつ消してきた。
    それが積もり積もると「好きじゃない」ということになっていく。
    途中までは、私の心もザワザワと波を立てはじめる。森子の気持ちがなんとなくわかるから。
    けれど、結婚生活が明らかに不幸だったわけでもなく、かといって、別居してからの生活を格段に幸せだとは言い切っていない。
    結局この夫婦が別れるのか、もとのさやに納まるのか、描かれずに終わり、『幸福な日々があります』が、どちらのことを言いたいのか、よくわからない。
    宙ぶらりんでモヤモヤする。

  • あらすじ
    結婚して10年。私は46才、短大卒の元事務員で、あちらは49才、大学教授。嫌いになったわけではないけど自立したい、別れて暮らしたい。だから、離婚を前提に別居になった。

    ラストははっきりしないまま終わる。一章ごとに、現在の別居してからの生活と、10年前の新婚当時の話が交互に書かれている。すっきりしない内容。だけど、新婚当時の二人にしか分からないルール(ごっこ遊び?)とか、妻のうっすらした計算、がんばり過ぎて疲れが積み重なっての別居とかありそう。

  • 離婚を望む一人の女性の移りゆく心の軌跡
    人はなぜ同じではいられないのか。
    幸福な結婚生活を送る森子。
    だのに別れを決心した。
    理由は夫として好きじゃなくなっただけ。
    そんな理由に納得がいかない夫と森子の平行線の日々は続き……。
    (アマゾンより引用)

    私、この旦那嫌い。
    「自分はこんなにもしてやってるのに」感がすごい(-_-)
    私だったらとっくに嫌いになってるけどな…

  • 結婚10年目、夫を夫として好きではなくなった森子は、家を出た。

    10年前と現在を対比させながら話は進みます。
    最後が幸せだった10年前だったので、え?これで終わり?と驚かされますが、余韻が残るようで、悪くはなかったです。

    夫婦がずっと恋人同士のようでいるのは、やっぱり難しいと思う。
    子供がいたら、子育てをして、子供を送り出し、気付いたら年をとっていて、これからは二人だね~なんてなるのかなと思うけれど、森子とモーちゃんは、こどもごっことあったけど、二人でいる時は、大人になりきれていなかったかのようで、なんだか痛々しかった。

    違和感のない夫婦なんていないとは思う。そこを乗り越えてはじめて添い遂げるのだろうけど、森子の様子だと、元には戻れないかなと思う。

  • ダラダラしていて、面白くなかったo( ›_‹ )o

全57件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1960 年生まれ。北海道出身。04 年「肝、焼ける」で第72 回小説現代新人賞、09 年「田村はまだか」で第30 回吉川英治文学新人賞、19 年「平場の月」で第35 回山本周五郎賞受賞。

「2021年 『ぼくは朝日』 で使われていた紹介文から引用しています。」

朝倉かすみの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×