ジヴェルニーの食卓

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  • 集英社
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  • / ISBN・EAN: 9784087715057

感想・レビュー・書評

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  • さてさて : 絵の見方がわからないんですがどうすればいいですか?
    偉い先生 : それはねえ、君。君の好きなように見れば良いんだよ。
    さてさて : orz

    世の中には色んな世界があり、なかなかにその全てに精通している人はいないと思います。自分の知らない世界を知る勇気、そして第一歩を踏み出す瞬間に、『偉い先生』みたいなことを言われるとそこでその貴重な一歩は幻に終わります。私には過去に『絵の見方』でとても素晴らしい第一歩のサポートをしてもらったことがありました。そう、あれは大学で『楽単』で取った美術の授業でした。一度も出席せず、定期試験の説明があるというので初めて訪れた教室。プロジェクターに映し出されていたのは泣く子も黙る『モナ・リザ』でした。このくらい、知ってますよ、いくらなんでも、私だって。という私の耳に聞こえてきたS先生の講義は、そのモナ・リザの背景に描かれている景色についての説明でした。どうしてこんな険しい山々が肖像画の後ろに広がっているのか、肖像画の左右の背景が繋がっていない別の世界に見えるのは何故なのか。えっ?そんなところ気にしたこともなかった。意識して見たことなかったよ…。絵って面白い。こういう瞬間を『目から鱗が落ちる』というんだな、と思いました。そして同時に、あ〜あ、今日最終回だよ、真面目に出席しておけばよかった。『後悔先に立たず』という、ふたつのことわざが相次いで頭に思い浮かんで苦笑いしたのを覚えています。『人それぞれ、絵は好きなように見れば良い』まあ、『偉い先生』からしたらそうなのかもしれませんが、絵画に出会う、絵画の世界に初めて出会うためには何かしらきっかけは必要なんだと思います。そして、それは美術ガイドでも、Webサイトでも、きっかけはなんでもいい。でも、このサイトを訪れ、この感想を読んで下さっているような方には小説が最もふさわしい。そう、あなたが絵に少しでも関心があるな、と思ったら原田さんのこの一冊。Webでそれぞれの絵画を検索表示させながらの読書、ゆっくりと自分のペースで味わっていく。美術館の中で絵画と私たちを仕切るチェーンのあの先にある絵画を身近に感じるための第一歩への入口がここにあります。

    4つの短編から構成されるこの作品。真ん中の二つが少し短くて、かつ〈タンギー爺さん〉は4つの手紙だけで構成されるという変化球。全体としてとても読みやすいという印象を受けました。そして同時に、ドガやモネなど印象派の巨匠が次々に登場して、絵筆をふるう、そして偉大な作品たちが今まさに誕生しようとするまさにその場面に立ち会っているかのような臨場感ある描写の連続に興奮しっぱなしの読書でした。

    4つとも魅力どころが違って甲乙つけがたいですが、次の2つの短編を取り上げたいと思います。まずは最初の短編〈うつくしい墓〉です。アンリ・マティスが登場します。主人公は家政婦を務めるマリアという女性。彼女が初めてマティスの住まいを訪ねるシーンです。『そう、光 ― でした。部屋いっぱいに満ちあふれる光。ニースで生まれ育った私の目は、明るい日射しに慣れっこだったはず。それなのに、その刹那、私は生まれて初めて光にさらされたように感じたのです』という表現。色彩の魔術師とも言われるマティスに欠かせない光、光、光。マティスの部屋を訪れるマリアの前に広がる何か神々しいまでの光を感じさせてくれます。そしてそこに入るマリアの心情を『その中へ入っていくことをためらいました。一瞬、自分を異物のように感じてしまったんです』、さらに『ずっと行きたかった遊園地に、予告もなく連れてこられた少女の気分』とも表現していきます。そして原田さんは、マリアの語りを通してマティスの絵画の世界を次のようにも語ります。『光、色、かたち、配置。どれほど速く、的確に、また心情をこめて写し取るか。一瞬を、逃がしてしまってはだめ。一分後には世界は変わってしまっている』。光を大切にするマティスという画家の画家としての姿勢に対する見事な文字による表現。もう、マティスの絵画がたまらなく愛おしく感じられてしまう素晴らしい表現だと思いました。

    そして、最後の短編〈ジヴェルニーの食卓〉ではクロード・モネが登場します。八十歳を越えたモネ。『きれいな白いひげに頬をすっぽりと覆われた顔』と原田さんは表現します。そんなモネが取り組んでいるのがオランジュリー美術館の癒しの空間『睡蓮の間』の壁面を今も飾る大作『睡蓮』。フランス政府に寄贈する前提で創作されたというこの作品。元首相を務めたクレマンソーが登場し、モネのこの作品がきちんと展示されるよう尽力してくれます。でも、モネは自身のこの作品をどうしても楕円形の部屋に展示することに拘ります。これにクレマンソーは『君の言う通り楕円形の展示室に飾ったのなら、このみずみずしい池と睡蓮の花々に囲まれて、いっそう見る者は圧倒されるに違いない』と尽力を惜しみません。私もオランジュリー美術館でこの楕円形の部屋に展示された大作を目にしましたが、楕円形の部屋ならではの奥行き感と、包まれ感にただただ圧倒されたことをよく覚えています。『モネの描いた睡蓮の絵に囲まれるというのは、そういうことだった。自然を忠実に写し取った作品を鑑賞する、という生易しいものではない。モネという画家の、感性の泉の真ん中に飛びこむことにほかならないのだ』というモネの感性の世界。『早く仕事を始めないと、睡蓮はさっさと花を閉じてしまうからね』と睡蓮のある景色を自分の中に一つの世界として形作り、その魅力を余すことなく巨大なカンヴァスに描き出したこの大作。原田さんのこの作品を読んで、私の中に刻まれた記憶の中の睡蓮に、さらに奥行きが、そして深みが増したように感じました。

    最後の一回だけ出席しただけの美術。『楽単』とは、それでもAをいただけるありがたいものです。でも、私はあの一回の出席でいただいたA以上に、自身の人生を豊かにする、自身の人生に彩りを与えるためのヒントを教えていただいたように思います。『好きなように見れば良い』なんて言われても、前には進めません。何か気になる、もうちょっと見たいと思う絵に出会うにはきっかけが必要です。でもそれは必ずしも絵そのものでなくてもいいのではないでしょうか。その絵が生まれた時代の匂い、その絵に込められた画家の思い、そしてその絵が描かれた時代にその絵に魅かれ、人生を豊かにした人たちがいました。たくさんの人々の人生を彩ってきた絵画たち。自分もそれを見てみたい、その絵の世界を感じてみたい、原田さんのこの作品は、そんな読者の思いを満たしてくれるものだと思います。

    マティス、ピカソ、ドガ、そしてモネという絵画界の巨匠が次から次へとリアルに登場するこの作品。原田さんのアート作品は「楽園のカンヴァス」、「たゆたえども沈まず」、そして「暗幕のゲルニカ」など傑作、大作揃いですが、それらは時空を超えたり、ミステリー要素が含まれたりと画家を中心にしたフルコースの料理を味わうような豪華さを感じさせます。それに対して、この作品は短編4つのアラカルトをいただくといった趣きでしょうか。しかし、そのアラカルトで取る品々は、画家その人の生き様がギュッと凝縮されたような味わい深い逸品揃いです。人によって感じ方は異なるかもしれませんが、私は前出の三作品よりもこの一作により強い魅力を感じました。余計なものを一切削ぎ捨てた素材そのものを、しかも飛びっきりの素材をそのまま贅沢に味わう、まさにその感覚。文字を読んでいるのに頭の中は絵画でいっぱいになるという不思議な感覚。光の眩さに心洗われ、色彩の鮮やかさに心ときめき、そしてその絵に込められた画家の思いに心揺さぶられるこの作品。頭の中が色鮮やかな絵画でいっぱいになった圧巻の一作。素晴らしい読書の時間を過ごさせていただきました。

  • この評価はずいぶん偏っているかもしれない。
    なぜなら登場する画家が個人的に好きだから。
    「楽園のカンヴァス」のルソーに関しては実物の絵画を見た事があるにもかかわらず記憶にすら残っていないありさま。
    でも物語としては文句なしの一級品だった。
    そう考えると、この本に登場する印象派の画家たちに全く興味がないとしたら評価はどうなっていただろう。
    まあ、多少の偏りには目をつぶろう。
    だって掛け値なしに素敵な物語だったから。

    マティス、ドガ、セザンヌ、そしてモネ。
    それぞれにまつわる短編集。
    もう名前を聞くだけでうっとり。
    特に好きなのはマティス。
    マハさん、選んでくれてありがとう!
    マティスは最初のお話「うつくしい墓」に登場する。
    ピカソとの友情を描いたお話もさることながら、いや~、マハさん困ります。
    これを読んじゃうともうどうしたってヴァンスのロザリオ礼拝堂に行きたくまってしまう。
    持ち運びできる絵画や彫刻だったらいつかは日本にやってくるかもしれない。
    しかしロザリオ礼拝堂は現地に行くしか方法がない。
    前々からバーンズコレクションの壁画「ダンス」を見たいと思っていた。
    この本を読んでさらにマティスを見に行きたい場所が増えてしまった。困った・・・。

    そして、圧巻は最後のお話「ジヴェルニーの食卓」。
    モネの世界観に圧倒されてしまった。
    モネの愛した庭や風景が眼前に迫ってくるようで。
    彼は数多くの「睡蓮」を残した事で有名だが、やはりオランジュリーの睡蓮をなくしては語れないだろう。
    この睡蓮が完成するまでのいきさつが描かれていて、なるほどあの空間はモネの思いが詰まっているんだと思うと尚更だ。
    睡蓮の間に入るともうそこはジヴェルニーの世界。
    真ん中に置かれたソファにゆったりと座り四方を見渡す。
    あー、贅沢だな。もう一度行きたいな。
    それとジヴェルニーのモネの邸宅にも是非行きたい。

    この本を読むと今すぐにでもフランスに行きたくなる。
    うーん、次の印象派展まで待つか。
    現実にはそれしかないけど・・・。
    マハさんには美術シリーズ(?)是非続けてほしい。
    興味のない作品もきっと好きになれるはず。

    • まろんさん
      vilureefさん、こんにちは!

      いいなぁ、もうこの本、読めたんですね!
      図書館に入るやいなや予約したんですが、既にもうものすごい予約数...
      vilureefさん、こんにちは!

      いいなぁ、もうこの本、読めたんですね!
      図書館に入るやいなや予約したんですが、既にもうものすごい予約数で(>_<)
      キュレーターとしての経験がきらきらと反映されているようなマハさんの美術もの、
      私も『楽園のカンヴァス』以来、楽しみでたまりません♪
      他ならぬvilureefさんが「掛け値なしに素敵な物語」と仰るからには
      気が遠くなるくらい素敵なんだろうなぁ♪ 
      前の人たち、早く読んで~!と祈ります(笑)
      2013/06/12
    • vilureefさん
      ユウさん、はじめまして!
      花丸&コメントありがとうございます♪

      パリではルーブル、オルセー、オランジュリーと駆け足で回りましたが、オランジ...
      ユウさん、はじめまして!
      花丸&コメントありがとうございます♪

      パリではルーブル、オルセー、オランジュリーと駆け足で回りましたが、オランジュリーが一番良かったです。
      いい意味で美術館の概念を吹き飛ばすというか・・・。
      是非訪れてみてくださいね(^_-)

      今後ともよろしくおねがいします!
      2013/06/12
    • vilureefさん
      まろんさん、こんばんは。

      そうなんです、もう読んじゃいました(^^;)
      新刊の発売に気づいたのは最近で、ポチッと予約したらあっという間に手...
      まろんさん、こんばんは。

      そうなんです、もう読んじゃいました(^^;)
      新刊の発売に気づいたのは最近で、ポチッと予約したらあっという間に手元に・・・。
      ブクログ仲間さんの間ではマハさんすごい人気なので申し訳ないですす。
      まだ手元にあるので今すぐにでもまろんさんの元へ駆けつけて、読んで読んで!って言いたくなります(笑)

      印象派の画家たちを集めているのに、ルノワールが落選(?)しているあたり、マハさんのこだわりでしょうかね?

      まろんさん、早く読めるといいですね!
      レビュー楽しみにしています(^_-)
      2013/06/12
  • やはりマハさんのアート小説は、好きです。文章もステキでうっとりしちゃいます。どのお話しもステキでした。
    マティス、ドガ、セザンヌ、モネ...印象派と呼ばれる人たちのお話し。今回も絵や建物、検索しながら読みました。美術館に行きたくなりました。

  • 印象派の画家のことを身近な女性の視点から描いた短編集。
    画家への尊敬と芸術への愛情が感じられて、とてもさわやか。

    「うつくしい墓」「エトワール」「タンギー爺さん」「ジヴェルニーの食卓」の4編で、マティス、ピカソ、ドガ、セザンヌ、ゴッホ、モネなどが語られます。

    「うつくしい墓」は、アンリ・マティス。
    短期間、家政婦を務めた若い女性が、マティスのもとへマグノリア(日本でいうタイサンボク)の花を届けるエピソードから。
    うつくしい墓とは、マティスが絵を描いたヴァンスの礼拝堂のことですね。
    芸術の生まれる一目惚れの瞬間を常に待ち続けていたマティス。
    烈しい性格だったピカソが、マティスとの友情を大事にしていたことも印象に残りました。

    「エトワール」とは、バレエ・ダンサーのトップのこと。
    バレリーナを柔らかいタッチで描き続けたドガ。
    一体だけ、リアルな少女の像を作り、物議をかもしたことがありました。ライバルだった女流画家メアリー・カサットの視点で。

    「タンギー爺さん」とは、ゴッホの有名な絵。
    画材屋だっただけでなく、印象派の画家達を熱烈に見守り応援し続けた男だったのですね。
    当時としては革命的で、まだ世に容れられていなかった画家たちのことを‥
    「ポール・セザンヌが彼自身になるまで」と。

    「ジヴェルニーの食卓」は、モネ。
    モネが暮らし、庭造りに没頭し、睡蓮を描いた家ですね。
    若い頃のモネは暮らしにも困るほどで、自然豊かな環境のパトロンの家に同居して作品を描いたのですが、その後に家の主人が財産を失って国を出て、家に戻らなくなるという事情があったのですね。
    それでも、家に残された人々には互いに思いやる、こまやかな暮らしが続いていたこと‥
    モネを見守った義理の娘の視点から描いていきます。

    人の胸を打つ美しい作品が作られるにいたる環境もまた、切なく、魅力的です。
    画家が鍛錬し、時には絶望と闘い、周りの人々の心が寄り添い、作品に命が吹き込まれたその瞬間を見る思い。
    絵画の雰囲気に寄り添うような丁寧な文章がいいですね。
    長年蓄えた専門家の知識を掘り起こして、優しい心づかいで結晶させた小説でした。
    猛烈に、題材になっている作品をまた見たくなりますね。

  • 『楽園のカンヴァス』で原田マハさんの描き出すルソーの虜になってしまいました。
    本書も、時代の流れに逆らうように新しい芸術を生み出した4人の芸術家の物語ということで、読むのをずっと楽しみにしていました。
    期待に違わぬ作品で、ゆるゆると満足感にみたされる読後です。

    マティス、ドガ、ルノワール、モネの4人の芸術家を、彼らの周りで時を共に過ごした人物の視点から描いた4つの物語。
    そのうちでも、特にマティスの物語が印象的でした。
    マティスの目に秘められた、芸術への情熱に射抜かれるような感覚にどきどきしてしまいます。
    読んでいると、まるでマティスの絵のように鮮やかな色がぱぁっと広がっていく物語でした。
    マグノリアの花の白と、その花をいけた翡翠色の花瓶。
    マティスの部屋の床に散らばる、色とりどりの色紙。

    また、モネの物語でも太陽の光がさんさんと降り注ぐ彼のアトリエの様子にうっとりとしてしまいました。

    マハさんの作品を読んだあとにその芸術家の絵を見ると、以前よりも親しみ深いものに思えてくるのが不思議です。
    芸術家の素顔を垣間見たような、そんな気持ちにさせられるからなのでしょうか?

    • vilureefさん
      こんにちは。

      「まるでマティスの絵のように鮮やかな色がぱぁっと広がっていく」
      おっしゃる通り!!
      物語を読みながら南仏の光が満ち溢...
      こんにちは。

      「まるでマティスの絵のように鮮やかな色がぱぁっと広がっていく」
      おっしゃる通り!!
      物語を読みながら南仏の光が満ち溢れてくるような気分になりました。

      素敵な本ですよね。
      マハさんの絵画シリーズが続く事を祈っています(^_-)-☆
      2014/01/23
    • すずめさん
      viureefさん、こんにちは!

      そうなんです!目の前にマティスの部屋が広がっているようでした~。

      私もマハさんの絵画もの、もっ...
      viureefさん、こんにちは!

      そうなんです!目の前にマティスの部屋が広がっているようでした~。

      私もマハさんの絵画もの、もっと読みたいです!
      マハさんの絵画もの以外の本を読んだことがないので、そちらもチャレンジしたいです☆
      2014/01/23
  • モネの絵を前にしている私は今、
    一体、どこにいるんだろう?

    それがわからなかった。

    でも、
    わからなくていいと思った。

    初めて3D映画を観た時よりも、
    ずっとずっと、心がちりぢりになるよな感覚。

    透明な水の流れに
    とろりと溶けて、自分が何者でも無かった事を思い知らされる様な、

    ただ、光のなかに息づくだけの、いっこの命に過ぎない事を、
    やっと認めて、安心出来たかの様な。

    私は、
    言葉をひとつも思い出せずに、それでも、ただ、じっ、と眺めていても許される、
    モネの絵が、とても、とても好きだった。

    だから、この本を手にした時は少し、複雑な気持になった。

    この中にモネがいる?

    その絵の秘密を誰かが暴露している?

    知りたいような、
    知りたくないよな。

    でも。

    そんな私のささやかな不安なぞ、
    まるで置いてけぼりの世界が広がっていた。

    キャンバスと、
    画家との間にある光。

    人は時間の中に滅びても、
    決して消えないその光を、ぽうっと浮かび上がらせてくれる物語。

    「うつくしい墓」 アンリ・マティス

    「エトワール」  ドガ

    「タンギーじいさん」  セザンヌ

    「シヴエルニーの食卓」 モネ

    どの短編も素晴しく、
    読後、物語に登場した絵はすべてNETで検索、

    2度、感動を味わえる、素晴しい作品だった。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「2度、感動を味わえる」
      電子版だと、絵も収録されているらしい、、、
      画家を見守る女性の視点が優しくて良かったです。
      「楽園のカンヴァス」と...
      「2度、感動を味わえる」
      電子版だと、絵も収録されているらしい、、、
      画家を見守る女性の視点が優しくて良かったです。
      「楽園のカンヴァス」とも、原田マハの本領発揮って感じでした。
      次作?の「貴婦人と一角獣」にも期待が高まってます。。。
      2013/06/13
    • MOTOさん
      nyancomaruさんへ

      なるほど。
      紙の本支持者ではありますが、電子本にも、その様な利点があるのですね♪
      (お互い、イイ所を認め合って...
      nyancomaruさんへ

      なるほど。
      紙の本支持者ではありますが、電子本にも、その様な利点があるのですね♪
      (お互い、イイ所を認め合っての歩み寄り、は必要かも知れませんね。^^;)

      素晴しい作家さんに出会えた!
      …と、早速『楽園のカンヴァス』求めに図書館へ行きましたが、貸し出し中。

      こんな時、無限に蔵書がありそうな電子図書館なら貸し出し中なんて不幸は無いかも知れませんね。^^♪
      2013/06/14
  • お〜もしろかった!!
    『資料などからはわからない小説の領域』
    わたしはやっぱり印象派がすき

    あとでもっと詳しく感想かきたいです。

  • ジヴェルニーに移り住み、青空の下で庭の風景を描き続けたクロード・モネ。その傍には義理の娘、ブランシュがいた。身を持ち崩したパトロン一家を引き取り、制作を続けた彼の目には何が映っていたのか。(「ジヴェルニーの食卓」)新しい美を求め、時代を切り拓いた芸術家の人生が色鮮やかに蘇る。マティス、ピカソ、ドガ、セザンヌら印象派たちの、葛藤と作品への真摯な姿を描いた四つの物語。
    「Amazon掲載「Bookデータベース」」より

    画家の気持ちが少し分かる作品.普段美術館で画を見ているだけでは、分からない人の背景が丁寧に書かれている.画家たちの純粋な(だけではないだろうけど)気持ちに少しふれることができる.美術館に行きたくなる.

  • 海外好き、しかも印象派が好きならば読んで間違いないと思う。

  • 原田マハさんによる『読む美術館』。

    楽園のカンヴァスの雰囲気が好きだったので、
    読む前から好きな一冊になる予感があったが、やはり良かった。
    睡蓮の装丁も素敵な仕上がり。

    前作のミステリ的な話とはまた違い、
    有名画家とその傍で関わった女性の視点で描かれる、
    4つの物語。

    印象派が産まれたその時に、画家が注いだ情熱や、
    苦労を感じ、その魅力に自分も惹かれる。

    しかもちょうど彼らの作品がプーシキン美術館展として、
    来日しているものだから、更に感慨深い。
    この内容を分かっていたら、本を読んだ後に観に行ったのに・・・。
    先に絵画を観たことが少し悔やまれた。

    この本を読んだ前と後で、画家に対するイメージや、
    作品そのもののイメージまで変えてしまう。

    フランス絵画の移り変わりの雰囲気を感じられ、
    作中に登場する絵画そのものではないけれど、
    彼らの作品を観ることができるプーシキン展と、
    併せて楽しむのがお勧めです。

    4人の画家だけでなく、そこに関わるピカソや他の画家、
    かの有名な「タンギー爺さん」の人となりも知ることができ、
    また一つ絵を観る楽しみを増やしてくれた。

    マティスのロザリオ礼拝堂やオランジュリー美術館の睡蓮。
    遠い地フランスに想いをよせて読了。

著者プロフィール

1962年東京都生まれ。関西学院大学文学部、早稲田大学第二文学部卒業。森美術館設立準備室勤務、MoMAへの派遣を経て独立。フリーのキュレーター、カルチャーライターとして活躍する。2005年『カフーを待ちわびて』で、「日本ラブストーリー大賞」を受賞し、小説家デビュー。12年『楽園のカンヴァス』で、「山本周五郎賞」を受賞。17年『リーチ先生』で、「新田次郎文学賞」を受賞する。その他著書に、『本日は、お日柄もよく』『キネマの神様』『常設展示室』『リボルバー』『黒い絵』等がある。

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