おれたちの約束 (おれのおばさん)

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 204
感想 : 40
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  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087715163

感想・レビュー・書評

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  • 紀伊國屋web

  •  一気読みだった。同年代の恵子のパワフルさに元気が出た。歳をとると若い人から元気をもらおうとするけど、オイラも若い人に元気さで負けたくない。もとろん、カラダはついてこないんだけど、それを理由に負けるのは嫌だな。陽介が魴鮄舎で感じた「恵子おばさんや卓也のように、自分自身が納得するかどうかを第一の基準として、どこまでも生きていくこと」っていうことが響いた。
     乱暴だけど、カラダの衰えを理由に若さに勝てないと諦めるくらいならカラダを鍛えてやろうと思う。カラダが衰えると考え方に根性がなくなったり見た目のだらしなさに気が回らなくなったりする気がする。気持ちを輝かせているには健康であるべきだし、そのためにはカラダを動かしているべきだと本気で信じている。放っておけばできないことが増えるばかりだから。最後まで完全燃焼するであろう恵子だから、応援も多いのだろう。

  • 彼は高校生に。

  • 「おれのおばさん」三部作の第三巻

    銀行員だった父親が愛人に貢ぐためにお金を使い込み逮捕。
    逃れるように北海道で伯母の経営する施設に入った中学生の陽介は、頼もしく成長し仙台の全寮制の高校に入学する。

    選抜クラスで勉強に励む陽介だが、辛い境遇に負けずに生きる中本や美大を目指す菅野、中国人留学生の秀才である周などの友人や素晴らしい先生との出会いが彼をまた成長させる。

    311を思わせる大地震を経て、父とも和解に向けて歩き出す。

    登場人物の今後がとても気になる爽やかな青春小説。

  • 読後感爽やかな作品です

    父の逮捕、実刑判決を受け服役中、一家離散
    そんな中でも勉強を続け、しっかりと将来を見据えている高見陽介くんの高校生活のお話です

    「おれのおばさん」「おれたちの青空」シリーズの三作目

  • 三部作の三巻目らしい。高見陽介は父親の実刑判決により家族と別れ北海道で伯母が一人で切り盛りする児童養護施設から中学に通い、今は仙台の有名進学校で高校生活を始めた。寮の仲間の中本、菅野と中国留学生の周君、担任の村瀬先生等との様々な出来事のなかで高校生活は過ぎ学園祭の当日、地震が起きる。緊急事態の中で、仲間の絆は深まって行く。

    軽く読めて爽やかな読後感のある作品。

  • シリーズ3作を読み終えて、人はやはり支えあって生きていくものなのだということを強く感じた。また、人に支えてもらい、逆に支えていくには小手先の優しさや知識は諸刃の剣だ。どんな苦境にあっても前向きな思いや目標をもって日々に臨んでいればそれが真の力となり、自分を含めて全体を良い方向に導いてくれるということも感動とともに改めて教わった気がする。修羅場が人を大きくするってこういうことなんだな。
    活き活きと生きることのエッセンスが詰まったシリーズである。
    時に立ち止まっても良い。でも、絶対に後ろを見てはならない。おれも負けない!

  • 『おれのおばさん』を初めて読んだときのような感激はないけれど、またまた登場人物はさらに磨きをかけたようないいヤツ揃い。おばさんのような人が子どもを成長させていいヤツにするのか、いいヤツが集まってきておばさんをさらにパワーアップさせるのか。まあ、その両方が作用してかのような人は作られるんでしょうね。
    地震の扱いは難しかったと思うが、きれいにまとめて、しっかり再会のきっかけとなっていた。

  • シリーズ3作目。平易な文章、等身大の人物たち、ということで中学生や高校生たちにお勧めの作品。

    あくがないので文科省も推薦してくれるでしょう。

著者プロフィール

1965年、東京生まれ・茅ヶ崎育ち。北海道大学法学部出身。在学中は恵迪寮で生活し、現在は埼玉県志木市で暮らす。2000年「生活の設計」で第32回新潮新人賞。2002年『縮んだ愛』で第24回野間文芸新人賞受賞。2011年『おれのおばさん』で第26回坪田譲治文学賞受賞。

「2021年 『満天の花』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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