博物館のファントム 箕作博士のミステリ標本室

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著者 : 伊与原新
  • 集英社 (2014年1月24日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087715453

博物館のファントム 箕作博士のミステリ標本室の感想・レビュー・書評

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  • 博物館が舞台の連作短編6篇。
    鉱物・植物・剥製・化石・昆虫・人類とどれも興味を引くものばかり。

    旧標本収蔵室に住みつき、ファントムと呼ばれる箕作(みつくり)。人のことは変な呼び名で呼び、自らは死語になりつつある「博物学者」を名乗る。
    「どんなものも絶対に捨ててはならない」を博物館の第一原則と公言し、博物館の収蔵物と私物の様々なものに囲まれて過ごしている。
    かたや、新人の博物館員・環は片づけ魔。専門はコンピュータで、ひそかに生き物よりコンピュータのほうがかわいいと思っている。博物館に務めているものの、収蔵物に関する知識も興味もほぼない。
    この正反対のコンビが博物館で起こる日常系(?)ミステリを解決していく。

    宮沢賢治が集めた鉱物標本、ねじれた花弁のナスと誰も傷つかない復讐、「送りオオカミ」の語源となったオオカミの習性、デニソワ人の少女と現生人類の少年のロマンス(想像)……。創作も含め、どのモチーフも興味深く楽しい。
    最終6話では箕作さんが行方不明になって、どきどきひやり。そして研究者として嘱望されていた彼が「ファントム」「博物学者」になった理由も垣間見れる。
    登場人物の名前が各章のテーマにうっすら係っている(た、たぶん)ところも楽しく、なにより箕作さんがすんごく好みなので、激しくシリーズ化希望!

  • ううう…博物館に行きたいっっっ!
    …と、博物館欲をかきたてられる1冊です。

    語り手は池之端環。
    新米の博物館員で、遺伝子情報を使って生物種を分類するためのソフトウェア開発を専門にしており、散らかっているのに堪えられない片付け魔。
    そんな彼女の前に現れたのは、博物館員たちから標本収蔵室のファントムと呼ばれる男・箕作類。
    博物学者を自称するのもうなずける博識で、雑多な標本や古書に囲まれながら、標本収蔵室で暮らしている変わり者。
    博物館で起きた6つの事件を、この正反対のペアが解決していきます。

    動植物の横文字の学名がいっぱい出てきたり、標本作製室など博物館の裏側をのぞけたり…と、だんだん楽しくなってきて、気付けば鼻息があらくなっているのでした。
    舞台になっている国立自然史博物館のモデルは上野の国立科学博物館。
    あの知識の宝庫が醸し出す空気がページからも立ち上ってくるようでした。

  • 専門用語というか正式名称がつらつらと。頭に入ってこないので飛ばし読み。キャラは面白そうなんだけど・・・。

  • 博物館の変わり者研究員・自称博物学者の箕作類と新人研究者の池之端のコンビが、博物館で起こる事件を解決していく連作短編集。変わりものというわりに結構人懐っこい感じがする箕作でしたが、読んでいて面白かったです。博物館で扱う専門分野が広く、読んでいて難しいものも多いですが、雰囲気が良くて面白く、会話がテンポよくて気にならずに楽しく読めました。シリーズ化してほしい。

  • 博物館を舞台にしたミステリー、連作短編6編。
    各章ごとの扉の絵がいかにも博物誌的で素敵だ。物語も身近なようで深遠なバックボーンがあって、知識も深まる。主人公たちも個性豊かで、嫌みがなくていい感じ。

  • どんなものも捨てないで貯めこむ箕作と、まったく生物に興味がない片付け魔のバーコードレディ。このまったく正反対のコンビが醸し出す雰囲気がとても楽しい。
    博物館という、学識の宝庫だけど縁遠い場所が、ちょっと身近に感じられる。
    あんまりなんでも貯めこむのも問題だけど、どんどん捨てればいいってもんでもないよなあ、と思った。
    第6話で、おお?という展開になったので、ぜひシリーズ化してほしい。
    読んでるだけでも勉強になって、それもまた楽しい。

  • 博物館という、知的な場所だけどなんとなく怪しげでミステリアスな場所を舞台に謎を解き明かしていく、サイエンスミステリ。
    自称「博物学者」、あだ名「ファントム」…博覧強記の箕作と女性新人学者の環が、博物館の内外で起こる謎を解き明かす。
    キャラがしっかり立った各ジャンルのスペシャリスト達、巧みなストーリティングで一気に読ませる。 張り巡らされた伏線も見事に効いている。
    連作短編6編、それぞれイイ。
    これは面白い。シリーズ化して欲しい。

  • 変わり者の名探偵は数多くいる。

    そして、その傍らには、常にボケ役、あるいはサポート役の相棒がいる。

    自然史博物館に勤め始めた新人研究者、池之端環は、博物館に住みこむ変人「博物学者」、箕作類に出会う。

    鉱物の盗難、展示物への落書きなど、風変わりな6つの事件を通して、環はその変人の推理力を認めるようになっていく。

    これまで、あまり触れることのなかった世界の扉を開く。一つの事件が解決するたび、その世界に魅かれていく自分に気づく。

  • 理系女子が主人公のライトミステリ。
    よくある設定だが、舞台が博物館ということで独特の雰囲気がある。
    生物好きな自分としては、なかなか楽しめた。

  • 博物館が好きな人はぜひ読んでいただきたい一冊。 舞台のモデルが国立科学博物館なだけあって、科博に行ったことのある人は最初の数行で出てきた化石の名前に胸が高鳴るのではないだろうか。 学芸員、博物館所属の研究者の姿に触れられるのも実に面白い。そういうものに進む人は小さい時からの英才教育があったのだなとしみじみ思った。 読み進めるほどに自分もこの赤煉瓦に住み着きたい、今すぐ博物館の浪漫溢れる空間に浸りたいという衝動を抑えることが難しくなっていった。 今すぐにでもあの空気、匂いに浸りたい。

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