ミチルさん、今日も上機嫌

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著者 : 原田ひ香
  • 集英社 (2014年5月26日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087715613

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ミチルさん、今日も上機嫌の感想・レビュー・書評

  • バブル期を経験したアラフォー女子ミチルさん。
    新しく始めた仕事はチラシを配るポスティングスタッフ。
    そこで知り合ったお年寄り達を助けるうちに、家賃交渉代行の会社に務めることになった。

    軽い読み物、面白かったです。
    私もバブル経験者。分かるーということが沢山ありました。
    過去の栄光?にしがみついていたミチルさんが、新しい出会いを繰り返すうちに、先を見据え、ひとりで歩き始める最後が気持ちよかったです。

    先日読んだ『東京ロンダリング』の相場社長がチラリ。
    こういうつながり、大好きです。

    ただ、この本、表紙がちょっと残念。
    もっと違う装丁だったら良かったのに、と思います。

  • 冒頭───
    今、何時だろう。
     顔の横あたりを探って、スマートフォンを引き寄せる。やっと見つけたそれは画面が真っ黒だ。電源が入っていないことに気が付いて、あーあ、と投げ出した。
     昨夜、寝る前に電源を切ったのだった。自ら。
    電源が入っていれば電話やメールを期待してしまう。来るはずもないのに。眠っていてもどこかで意識して、神経はさえざえと目覚めて熟睡できない。それで電源を切ったのだ。
    一度投げ出したのを手に取って、息を詰めるようにして電源を入れた。
    そんな決心までして生き返らせたのに、画面には昨夜となんの変化もなかった。

    どうも最近、軽い本ばかり読んでいる。
    女性作家の軽い語り口調の本だったり、図書館の分類としては児童文学とされている森絵都の作品だったり。
    あまりに軽い本ばかり読んでいると、頭が馬鹿になるのじゃないかと思うことがある。
    自分の思考力や想像力が衰えていくのじゃないかと。
    とは言っても、すらすらと読みやすく、読後感も悪くないから、ついつい手を伸ばして、あっという間───それこそ半日で読んでしまうので、やめられなくなってしまっている。
    これも、そんな作品だった。

    バブルの時代───何故に日本にはあれほど金が有り余っていたのだろう?
    もちろん経済的な側面からは何とでも説明することができる。
    でも、実際問題、企業は人材不足で、誰もが羨む大企業でも学生を拝み倒して入社してもらったり、その社会人一年生の小坊主に100万円に届こうかというような分不相応なボーナスを与えたりと、まさに狂乱の時代だった。

    その数年前に社会人になっていた僕などでも、半年ごとのボーナスは毎度毎度傾斜の急な坂を登るように増え続け、夜な夜な新宿に操り出し、日付が変わるまで酒を飲み、深夜の靖国通りでのタクシー争奪合戦をゲーム感覚で楽しんだりしていた。

    土地も、金利も、給与も、ボーナスも、このまま永遠に上がり続けるという雰囲気に酔いしれ、それがいつかは砕け散る幻想だと気付く人間は少なかった。
    日本中が浮かれすぎていた。
    だが、そのバブル幻想は、90年代に入ると急坂を転げ落ちるように
    一気に崩壊する。
    よく考えれば、誰でも分かったはずなのに------。

    そのバブル時代を奔放に堪能し駆け抜けてきた主人公ミチル。
    結婚、離婚を経ても、自分の思いのままに生きてきた。
    でも、もはや40代半ば。
    ようやくあの頃を振り返る時がやってきた。
    あの時代は自分にとって何だったのかと。

    今、ミチルは多くのものを失い、自分を見つめながら、チラシ配りという新しい仕事や、そこで出会った人たち、或いは過去に付き合った男たちとの再会などを通して、初めて真剣に自分の人生に向き合うようになっていく。

  • バブル世代のミチルさん。私も同い年。
    バブルの時に社会人になると、おじさま方にご馳走してもらえる機会が確かに多かった。少し高級で美味しいものを頂けるのはもちろんだけど、食事しながら聞かせてもらう話が自分を社会人にしていったなと今はつくづく感じます。
    ミチルさんも社会人としてしっかり働き、いろいろな経験を自分のものにしていたからこそ、40歳を過ぎて一人ぼっちになってもたくましく生きていけるのだろうと思いました。私はどうかな?とゾクっとしてしまった。

  • 面白かったんだけど、ごめんなさい評価は低めです。

    45歳のバツイチ独身ひとり暮らしのミチル。青春時代にバブルを経験した事から今だにその感覚が抜け切れていない痛い女。

    読み始めは何かこんな女は嫌だな〜と思っていたけど、だんだんと素のキャラクターが出てきて途中から彼女を少しずつ好きになっていきました。

    だけど、なんていうか話がどんどん飛んでいく感がして、ひとつの作品として軸がないというかバラバラとまとまりがない印象。
    キャラの設定もいまいち定まってない感じで、どうも同一人物と思えない感じで読んでいました。

    最後はミチルが自分の殻を破って、自然と前向きになれたというような締めくくりでしたが、で、結局何だったの?という読後感。
    かなり辛口コメントになってしまいましたが、けっこう楽しく読んでたので、なんだか残念です。

  • バブルの華やかな時代に生きていた自分と、現実に生きる今の自分を行ったり来たりする。
    あの頃はよかったと。
    いつのまにか自分は主役ではない、それが見えてくるのはいつ頃なんだろう。
    不動産交渉人という職業があり、それにはまっていくミチルさんが素敵に見えた。

  • なんだか最近、バブル期が取り入れられたご本に縁があるなぁ
    新聞広告の、書店員さんの推薦文にひかれて手に取りました。最初はちょっと乗り気ではなかったかも。
    でもスーパーを断られて、どん底のチラシ配りを始めるところから、人との出会いがあって、さらに仕事までステップアップして何このわらしべ長者!?
    と思ったあたりからやめられなくなった。彼女を彩る様々なタイプの元カレらもそれぞれユニークで面白かった。
    読後、何かが上がった気がします。ありがとうございました。

  • バブルの亡霊にとりつかれたような毎日を送っていた主人公のミチルさん(^^;)しかしポスティングのバイトで知り合った人達が良かったせいか、どんどん浮上(^-^)まだまだこれからだけど、ミチルさんが上機嫌で過ごせますように!

  • まさにドンピシャ世代。ミチルさんの気持ちもよく分かる。共感する部分が多い分、さくさく読める。

  • 初めて読んだ原田ひ香。おもしろい。

  • 昭和の終わりの頃は「ただのモノ」が沢山あったようです。タクシー券、接待費、スポンサーのサービスなど。そんな景気のいい右肩上がりの時代を謳歌してきた山崎ミチルは、会社を辞めたバツイチ、45歳、3か月前に男にふられた美人さん。楽に就職できた昔と違って、今はスーパーのレジも難しい状況・・・。でも、ポスティング・スタッフとして採用され、今までは知らなかったいろんなことを体験し、自分の特技にも目覚め、活き活きとした暮らしを開始しました。ラスト約50頁が蛇足な感じでしたが、総じて面白かったです!

  • 時代は変わる。
    それに合わせて自分も変わっていくべきなんだなぁ。
    ミチルさんは成長して生きていける人。
    まわりの人生の先輩達も素敵な生き方してる。
    楽しいことは歳を重ねても沢山あると思うとミチルさんのように前向きにやっていきたいと思えます。

  •  アラフォー。もう少しするとアラフィフにならんとするミチルさんがヒロインの小説。
     バブルで美味しい目を見て、恋に生きるミチルさんは嫌味が無くてすっきりしていて美しい。

     この作家さんの描く物語は面白く、たのしいのだが、どこか現代というよりは~と思っていたら、時代劇の人情モノの構成なのだね、と気づいた。
     ミチルさんにはいつも上機嫌で居て欲しいものです。

  • バツイチ彼氏なし45歳、バブル時代に青春を過ごし、その頃の栄光を引きずるちょっとイタイ主人公・ミチル。昔関係のあった男たちと再会したり、新しいバイトで出会った人たちと関わるうちに自分を客観視できるようになる。過去を振り返り、これからの自分の生き方を再考する。
    「これからどうするの?」と読み手にも語りかけられているような気がする。

  • 45歳、バブル期青春の女の物語。おもしろい。
    「結婚したり派遣の仕事や、秘書的な業務が多くて、ずっとこの気持ちを忘れていた。頑張って成果を上げたという実感、仲間がいる喜び。」199頁
    「消費税って言うと、どうしても、値段が高くなるって印象だけど、導入と同時にそれまでかかっていた物品税がなくなったから、高級品は安くなったのよね。」214頁
    「今、初めて、自分が見られるんじゃなくて、あなたたちを見ていたいと思ったわ」250頁

  • バブル時代の青春が人生のすべてだったミチルの生き様。

    45歳、決して若いとも言えない年齢になり
    離婚、子どもなしの独身でついでに職も失い
    うまくいかなかった恋愛を引きずっているなか

    新しく巡りあった仕事はチラシ配達だった。

    チラシ配りで知り合った人たちを通して
    バブル時代の知り合いに再会して

    なにもかもが夢のようだった当時と現代を比較して
    ため息をもらしながらも幸福だったし後悔もあり

    バブルを経験したから、今の自分が成り立っているのだという前向きな気持ちになれたのは
    今いる仕事仲間たちがいるからだと実感する。

    最初の方、話が詳細に行き着くこともなく漠然と進むから結婚離婚、鈴木とのいつから関係が?だった。
    でも著者の話って最初だいたいそうなんだよね。

    バブルってその時代を生きた人にしかわからない世界だよ~。
    世代は時代とともに、彼らの人生にも染みこんでくるんだね。)^o^(

  • バブル期を過ごした離婚暦のあるミチルさんが新しいアルバイトを始めたことによっておきていくハートウォーミングなストーリー。

  • バブル世代を満喫して過ごしてズルズル平成の今まで生きて来たアラフィフのミチル。勤め先も辞め少ない貯金暮らしに危機感を覚えてバイトを始めることに。その地味なバイトを始めたことをきっかけに、いろんな人の出会いと、自分自身の新たな一歩を踏み出すことになっていく…
    だらしない生活を送る一方で飄々としつつ面倒見もいいミチルのキャラクタが嫌味がなくて好印象なのがこの小説の一番のステキなポイントでしょう。益体もなくいってしまえば「男性遍歴をたどりつつ己の来し方を振り返る」ストーリーラインも、彼女の視点だからこそ生々しくなくさばけた感覚で読めます。
    バブルの時代を、あの頃は良かっただとか異常だったとかそういうくくり方をして振り返るのではなく、確かにその只中を生きてきた実感を感じさせる描き方がされていて、エピソードは多少突飛だったりもするものの、納得のできる感傷だと感じられました。
    現在にかかわってくるキャラクタもみな程よく(?)個性があり、ミチルとともに小説の爽やかさやポジティブさを後押ししてくれます。
    だからきっと大丈夫、という言葉には重みこそなくとも、肩を気軽にポンとたたいてくれるようなやさしさが確かにあって素敵だなと感じました。
    ほのぼのと暖かくなるとても良いお話でした!

  • バブル世代ではないけど、バブル期を若き頃と置き換えて考えれば…わかる!ミチルさんの気持ちが!
    自分は変わりたくなくても、時代や周りは変わっていく。自分自身だって年を取る。
    いやだ!
    まだまだ過去にしがみついていたい…。

  • 主人公ミチルさんは、バブル期に学生・OL生活を謳歌し、離婚を経て子どもなしの独り者の45歳になっても、どこか浮ついた生活を送っていたが、恋人に裏切られたのを機に、地に足のついた生活を送り、自分を客観視できるようになるというお話。主人公が著者とほぼ同年代ということで、バブル期と今の時代背景や人々の考え方の違いを含めてよく書けていると思う。
    原田ひ香というと、個人的には「東京ロンダリング」を思い浮かべるが、どちらも不動産業が舞台に登場していて、著者がこの世界に詳しいことをうかがわせる。エッジの効いた東京ロンダリングと比べると地味ではあるが、軽い展開、読みやすい語り口の割に、人の生き方についての示唆に富んだ小説のように思う。

  • なんか、いいよね・・・ミチルさん。
    最初はイタイ女かと思ったけど、読むうちに好感度アップ!応援したくなる。
    ちょっとでもバブルの時代が分かる年代が読んだ方が、楽しめるかも。

  • +++
    恋を謳歌し、気ままなシングルライフを満喫する山崎ミチル・45歳。ところが生まれて初めて男に裏切られ、おまけに仕事まで失った。残されたものは元夫が譲ってくれたマンションと僅かな貯金だけ。やむなく始めた地味なアルバイト。そこで出会ったのは、個性豊かな愛すべき老若男女たち。彼らとの交流で、どん底バブリー女が手に入れた希望の切符とは―。
    +++

    「上機嫌」という割には、主人公のミチルさんは鬱屈を抱えているように見える。バブル期に青春を謳歌し、その後さまざまなものを失ってまだ、もっと満たされるという思いがどこかにあり、地に足をつけた生き方ができずにいるのである。ある意味バブルの被害者とも言えるのかもしれない。スーパーの面接に落とされ、チラシ配りを始めることになった彼女は、いままで知合わなかった人たちと知り合い、ある意味未知の世界を知る。抱えていた鬱屈がいつの間にかひとつふたつと減っていき、次第にいまを生きられるようになっていく彼女を見守るように読み進んだ。バブルもあってその後もあって、そして現在がある。そのときどきをその人らしさで生き抜いてこその幸福であると思わせてくれる一冊である。

  • 45歳のミチルさんはバブル時代を謳歌してきたなごりを今も引きずっている女性。
    仕事もなくし、男とも別れ、ビラ配りのバイトを始めるが…これが結構楽しくなってきて…不動産交渉屋へ転職することになる。

    パワフルでマイペースなミチルさん、でも自分勝手ではないので読んでると楽しくなってきました。

  • 楽しく読んだ。お節介焼きは交渉上手。

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ミチルさん、今日も上機嫌の作品紹介

美魔女と呼ばれるミチルはバツイチの45歳。諦めきれない厄介な世代。人生初、恋人に裏切られ、仕事まで失った自己中女が、地味なバイト仕事を通じて様々な人達と接し、今後の人生の活路を見出していく。


ミチルさん、今日も上機嫌のKindle版

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