教団X

著者 :
  • 集英社
3.12
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感想 : 541
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  • Amazon.co.jp ・本 (576ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087715903

感想・レビュー・書評

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  • もはや松尾さんの説法以外何も面白くないw
    著者が前面に出すぎているので2chかチラシの裏にでも書いてくれって思う
    話を大きくしていった割には小さくつまらなくまとめて終わり
    途中であれもこれもいれたいって思いながらかいたんだろうなぁって作品で読んでてしんどい思いのする本(小説とは呼ばない)だった

  • 同一の章なのに視点があっちこっちして、とても読みにくかった。読みにくさからか、内容も好みではなかった。

  • 読み終わったときは、それほどのめり込めなかったなあ、としか思っていませんでした。教祖の話もとばし読みしてしまいました。でも1ヶ月ほどたってみて、ふと「たんなる原子からできた人間がどうして意志をもつのか」という感じの言葉が妙に頭に残っていることに気づきました。何かのちからなんでしょうね。

  • うーん。
    この本が結構なベストセラーだったなんてとっても不思議。

    「教祖の奇妙な話」が学生のレポートのように調べたままがダラダラと続き、ただ長いだけなので飽きました。
    それと対比させて敢えての稚拙な性描写なのでしょうが、何度も単調でしつこく、なんとなくそれもしっくりこなくてつまらなく感じた。
    連載ものだったそうなので、退屈な長文の口なおし=読者(おじさん)へのサービス=性描写なのかなと思いました。

    モヤモヤっとある大きなテーマや全体像はとても面白いし興味深いのですが、詳細が私には響かなかった。
    ページ数の割に響かなかった。

  • 暫く振りに書く。
    芥川賞を受賞した作家が「面白かった」と本作を評価しなければ、ここまでの評価が果たしてあったのだろうかと疑問に思った。というのが感想なのだが。
    作者が哲学的要素や思想学的要素或いは素粒子物理学的要素を取り込みたかった気持ちはよく分かるのだが、すべてにおいて付け焼き刃的。薄っぺらと言っては失礼かもしれないが、その先が問題なんだけどねという感想を持った。
    SEX主体のオカルト教団もいいが、これももっと掘り下げる必要があったのではないかと思う。
    ただ、本作者には官能小説を書かせたら一流かもしれない。素直に性描写には興奮した。

  • それぞれの登場人物…名前も無いような端役も含めて…の過去や内面・嫉妬・暴走・忠誠・信頼が、一つの教団を軸に様々に展開していく。
    表現は全く違うけど、松尾と沢渡の根底には同じ志があるような気がした。
    性的な描写が多いので、苦手な人はご注意を。

  • 読書というより、自傷。
    読み進めるうちにそんな気分にさせられたが、途中でやめられなかった。
    松尾さん夫婦には救われた。

    帯は芸人さんより
    村上龍氏とかが良かったのでは。

  • アメトークの読書芸人で紹介されてからずっと読みたかった作品。
    ひょんなことから安く仕入れることが出来やっと読むことが出来ました。
    とにかく壮大なストーリーに惹き込まれ一気に読んでしまいました。
    印象としては村上春樹の「1Q84」に近い感じを受けました。

    とにかく松尾さんの話が本当に興味深いです。
    古い宗教も形式的になってしまっているし、新興宗教も胡散臭いし
    という中でこの松尾さんの話は宗教的でない点も多々ありますが
    あるべき新興宗教の姿というかそんなものが描かれているように思います。
    哲学的でありながら現代科学も織り交ぜながら宗教的でもある
    表現するならばそんな感じでしょうか。
    特に私という存在を考えた時、「私」を司る脳の部位は無く、
    脳の大局的な動きによって「私」という意識が生み出されており
    意識である「私」が考えたと思っていることは実はその前に脳が
    既に反応しているという事実(この本に書いてあるだけで確かめてないですが)
    は非常に興味深いと思いました。

    第一部で松尾さんが死んでから第二部では本来の教団Xの話になって行き
    教祖の沢渡よりもむしろテロを実行しようとする高原が主人公のように
    なって行きますがアフリカの某国の話が出てきたあたりから
    何か話が大きくなり過ぎて発散気味となってしまったなと思います。
    面白いんですけどね。ちょっと広げ過ぎでしょうと思いました。

  • 話題になった際に購入していたのを思い出してようやく読了。
    己が理想とは乖離した現実にものがき苦しみ、生きる意味を見失い、救いを求めて新興宗教団体に身を委ねた人間達の物語。

    絶望的なエネルギーが詰まった物語で終始圧倒されっぱなしだった。特に松尾老人の話が面白かったし、イエスを多重人格と言い放ってしまう作者がすごい。教祖一人の経験から世界全体の善悪の曖昧さを論じるのは些か飛躍しすぎではないかと思ったけれど、すごいことに変わりはない。
    どの頁を開いてもビリビリと胸を突き刺されて、こういうのを単なるエンタメ小説ではなく文学というんだろうなあと思った。

    登場人物の気持ちがわかると言ってしまうと大袈裟だけど、大なり小なり私の中にも同じ気持ちが巣くってる。人には打ち明けられない後ろ暗い気持ち、たいした展望も見込めぬ人生を、作者が余すところなく代弁してくれた気がして安心した。
    救いを求めて何かに縋ったとしても、結局のところ最後は自分自身で決断しなきゃ道は変わらない。でも今の自分自身を変えたいとか漠然とした欲求のために頑張るのって難しいと思う。どうすればいいのかわからないし、誰か認めてくれる人がすぐそばにいないなら、やる気が続かなくても何かと理由を付けて自分を甘やかして妥協してしまえるから。誰かに尽くすために、他人を理由にして努力する方がよっぽど簡単だと思う。

    人は他者との関係性の中で傷付けられるんだから、最初から独りでいた方が自衛になる。でもそれじゃほんとは辛くてさ、もっと普通の人達みたいに生きたい、と思ってもがき苦しんじゃう。
    新しい出会いにはこれまでの自分を否定してくる価値観も潜んでいて、傷付けられることもあるけれど、それでも嘗て負わされた傷を癒すには、他者との心のふれ合いを通してリハビリしてゆくしかないんだろう。

    今の自分にそれなりに満足してる人達、挫折したことない人達、ポジティブでリア充な人達、簡単に友達ができて人付き合いがそつなく出来てしまう人達とかには、この小説、この登場人物達は理解出来ないんじゃないのかな、と思った。

  • いや、お腹いっぱい。
    未来亭のカツカレー大盛りを食べたくらいの満腹感で、お腹がはち切れそうです。
    って言っても分かりませんね。
    最近ハマっている中村文則さんの大長編小説。
    ハードカバーの単行本で567ページの大部ですから、勤勉な会社員の私には、1日2日ではとても読めません。
    中身も重厚そのもの。
    タイトル通り、公安から「教団X」と呼ばれるカルト教集団を描いた物語ですが、宇宙や生命、宗教、善と悪といった、壮大で普遍的なテーマを扱っています。
    こういうテーマに臆することなく真正面から向かっていく作家が日本にいることを、私は言葉の正確な意味で誇らしく思います。
    物語はスリルと緊迫感があって面白く、しかも純文学の濃密さを備えています。
    中村さんが近年、求めてきた方向性の、ひとつの達成と言えましょう。
    それにしても、よく、ここまでいろいろと調べたものです。
    特に宇宙や生命、宗教といった分野では、先端的な知見を貪欲に吸収し、惜しげもなく本書の中で披露しています。
    読む人によっては少し飽きるかもしれませんが、私は括目して読みました。
    描写もさすがに中村さんだけあって冴えています。
    教団Xはフリーセックスを信奉していますが、めまいを覚えるほどのセックスの描写は読みどころのひとつでしょう。
    それから沢渡が過去を述懐するシーン。
    悪がこれほど鮮烈に描かれている小説は、ちょっとほかに思い当たりません。
    難を言うと、終盤に「さすがにこれは…」と思うようなリアリティ-に欠けるシーンがあって、それが気になりました。
    特に、自衛隊機を巡るあのシーンで、政府の対策本部であんなやり取りが交わされるとは、とても思えません。
    思想というか観念を優先した結果なのだと想像します。
    もっとも、それだけ思想・観念とリアリティーを両立させるのは困難だということも言えます。
    ないものねだりは止めましょう。
    世界に誇れる文学作品の誕生を言祝ぎたいと思います。
    次はどの中村作品にしよう。

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著者プロフィール

一九七七年愛知県生まれ。福島大学卒。二〇〇二年『銃』で新潮新人賞を受賞しデビュー。〇四年『遮光』で野間文芸新人賞、〇五年『土の中の子供』で芥川賞、一〇年『掏ス摸リ』で大江健三郎賞受賞など。作品は各国で翻訳され、一四年に米文学賞デイビッド・グディス賞を受賞。他の著書に『去年の冬、きみと別れ』『教団X』などがある。

「2022年 『逃亡者』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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