教団X

著者 :
  • 集英社
3.12
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  • (110)
本棚登録 : 5088
感想 : 541
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  • Amazon.co.jp ・本 (576ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087715903

作品紹介・あらすじ

絶対的な闇、圧倒的な光。
「運命」に翻弄される4人の男女、物語は、いま極限まで加速する。
米紙WSJ(ウォール・ストリート・ジャーナル)年間ベスト10小説、アメリカ・デイヴィッド・グーディス賞を日本人で初受賞、いま世界で注目を集める作家の、待望の最新作!

謎のカルト教団と革命の予感。
4人の男女の「運命」が重なり合い、この国を根底から揺さぶり始める。
神とは何か。運命とは何か。
著者最長にして圧倒的最高傑作。ついに刊行。

感想・レビュー・書評

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  • 作者の主張が渋滞を起こし、物語の印象を散漫でボヤけたものにしている。
    各人物の行動原理が俗的なもので いくら神秘さや崇高さを纏わせようとしても なかなか引き込まれない。
    脳に関する考察は楽しめたのだが。。

  • 読んでいたのを忘れていた。
    読みながらなぜか、東野圭吾さんと京極夏彦さんを足して何かで割ったようだと感じていた。
    でも、妙なおもしろさはあった。

  • 2020.06.28 読了。

    アメトークで紹介されて前からすごく気になっていた作品。やっと読めた。

    期待していたからなのか、面白さが全然理解できず。
    公安からの電話が日本語だったからとか、全然それ伏線にならんよ。

    確かにボリュームすごいし、著者の集大成的な作品なのかもしれないけど、だらだらしているだけな気がする。
    タイトルもこの『教団X』でええのか?

    しかも狙いは探偵の小林とか、小林要素いらなかったのでは?連載小説だからフックに使われただけの人物?

  • カルト宗教ものが読みたくて手を出したのにあんまカルト宗教要素はなかったな。でもカルト宗教には不特定多数とのセックスが必須だよね!みたいなノリはよかった。それはそう。
    松尾とよっちゃん、沢渡とナイラのエピソードは面白かったので思想主張をもうちょっとうまく出してほしかったな…

    というか最悪タイミングで読んでしまったの惜しい〜!
    反戦論とか「敗戦したら敵国に女は犯され子供は殺されるなんて軍部のついた嘘」とか、戦争に負けたらまた地道に働いて金を稼げばいいとか、ウクライナどころかイスラエルがどえらいことになった日に読み始めてしまったので白けながら読む羽目になってしまった。世界が平和なうちに読んでおくべきだったね…めちゃめちゃ女犯されて子供殺されとるやんけ!になってしまったので…

    松尾や高原、沢渡なんかが何ページにもわたってダラダラ話し続けるのは宗教家としてのテクなんだろうと思えるけど公安のオッサンがダラダラ話してるのは何やねん…
    てか公安って二人一組で行動しなくない?刑事じゃないんだから…

  • いつ面白くなるのか、もう少し読めば面白くなるのか、あれ?!何この陳腐な性描写やら中学生が考えそうな右翼化テロ計画に貧困(人間)の為に生きる樽崎のラスト。
    どこかの文献を参考に強制的に脚色感が情けなく感じた。自身の修行と思いページ捲りましたが完全に裏切られた。厚いページ数の割には薄すぎる内容。本当に忍耐のまま読了。それを目的にしていれば、ある意味凄い。これが純文学とカテゴライズされる自体が可笑しく思えました。
    筆者が人間を戯画的に敢えて難しく描き下ろしたい気持ちは『私』は解らない。

  • かなり面白かった。

    ただ、アフリカの田舎で1人読んでいたために、途中アフリカの民族宗教の武装集団の話が出てきたときにとても怖くなって朝まで眠れなかったので、アフリカで読むのにはオススメしません。

  • 読了後、この物語はなんだったんだ。何が言いたかったんだ、と首をかしげざるをえなかった。某テレビ番組で絶賛されていたので、すごく期待して読んだのだが•••。あと、官能表現はあそこまで必要なのか。
    (オーディオブックで読了)

  • 松尾正太郎の講話「教祖の奇妙な話」だけで十分に読みごたえあり。仏教入門は、あの中村元さんの原始仏教論まで交えて分かりやすく説く。宇宙科学では素粒子物理学、さらに今話題の暗黒物質についても触れる。余剰次元、ここで言う異次元との往来パターンの解説も、人間の脳がつくり出す意識という未知の領域の考察に巧みに結びつける。最後には反戦論、第二次世界大戦において世界でも特殊な経験をした日本が歩むべき、特殊な道を探る。他の国と同化せず、ひたすら平和追求国家でありたいという願いに帰結する。エログロあって、国際的テロも陳腐に感じるけれど、著者が懸命に学び伝え、正当に主張する上での照れ隠しってことで…

  • つまらなかった…
    書きたいことが分散してるし残らない

  • 教団に飲み込まれていく人達を、主人公の若干客観的な視点から見ることができ、終始不気味さと不穏な空気を感じました。
    性描写にしろ犯罪描写にしろ、なかなか刺激が強く、教団の異質さを際立たせていました。

  • 著者の作品を読むのは久しぶりで『掏摸』『去年の冬、きみと別れ』に続いて三作目だけれど、毎日新聞連載の「つぶやき」を読んでいるのでそのつもりで読み始めたら(当たり前だけど)全然テイストが違う。信仰の禍々しさ、嫌悪感で眩暈がしそうな描写に辟易しながらもページをめくる手が止まらない。
    本書が「すばる」に連載されていた時期(第一部2012年5月〜2013年6月、第二部2013年8月〜2014年9月)を考えると、今年7月に亡くなった安倍氏が自民党総裁として返り咲く直前から政権奪還して最高にイケイケの時にカルトと政治の関係をこの視点で描いていたことにも驚く。
    読み終えてもため息しか出ないが、2014年にノワール小説の分野に貢献した作家に贈られる米文学賞「デイビッド・グーディス賞」を受賞したのも納得。

  • うーーーん、わたしには合わなかった。
    我ながら、よく途中で投げ出さなかったな…。

    登場人物の台詞が長い、文章そのものもだらっと冗長な感じで、何が言いたいのかあまり伝わらない。
    性的な描写に至っては、エロティック通り越して下品な印象でした。
    それが狙いなら良かったのかもしれないけど。

    読みにくい構成だと思います、読了するまでに疲れた…。

  • 重厚な長編物語。個人的には好き。

  • 読み終えたとは言えない流し読み。
    参考にした文献がかなり多数。その中のものを引用しているのではないかという「教祖の奇妙なはなしシリーズ」はほとんど飛ばした。
    文字に「大事ですよ!」という合図の強調の点々が序盤から出てくることにもうんざりしたし、太文字多用も好きじゃなかった。
    なにより567ページの大作なのに、余計な箇所が多すぎサスペンス要素の盛り上がりはイマイチで残念だった。

  • あとがきより
    「世界と人間を全体から捉えようとしながら、
    個々の人間の心理の奥の奥まで書こうとする小説」
    と作者はあとがきにて言っている。

    世界を考えるとき
    決して平等ではない
    個々を考えるとき
    矛盾に溢れている

    オセロの白と黒のように
    ある時には白になり少しのきっかけで一気に黒くなる

    ー常識を正しく疑うこと

    意識とは何か
    何が人を突き動かすのか
    人間が存在するということ

    2014年 集英社
    装幀:鈴木成一デザイン室
    カバー:桑島秀樹「vertical007」

  •  4月になって、読書量が急激に落ちた。自分の読書生活に少し疑問が生じたようだ。手当たり次第に本をネット注文するのだが、少し捲っては挫折することの繰り返しであった。久しぶりに大量の積読書ができている。
     この間、子供の影響もあって、3DSの妖怪ウォッチに熱中した。攻略本片手に、今も家庭そっちのけで夜な夜な没頭している。また自室のパソコンも買い換えた。最新のパソコンで何か新しいことをやってみたいと、衝動買いした。今のところ快適である。

     そんなわけで、この本は残り四分の一を残して本棚に放置していたのだが、新調したパソコンいじりと、3DS遊びがひと段落して、また読みたくなり、一気読みした。
     作中の松尾氏の講義という形をとった、筆者の主張が膝を打った。さすが今を時めく作家であると思う。話の展開自体は、途中で中断していたせいもあるのか、よくわからなかったし、正直どうでもよかった。

     これからは、あまりブクログにアップすることや自分自身の読書記録を残すことにこだわり過ぎずに、軽い気持ちで読書と向かい合っていくべきかなと、思い始めている。

  • 思っていたのとは違っていました。
    エロ描写がヒドい…

  • サスペンス?ミステリー?宗教小説??
    狂気の連鎖の辿り着く先。
    悪と性と生が全面に出ているけれど、その背後にある真の闇こそが圧倒的に禍々しい。
    ドロリと圧巻のボリューム576P。この厚さに負けない闇の深さを持つこの大作。
    ずぶずぶに溺れた。

  • 至高

  • ・「数年前にやたら流行った小説」という知識のみ。著者の他作品は未読
    ・装丁と「圧倒される」という評判で、なぜかSF寄りを想像していたが、かなり現実の話だった。何と混同していたのか?2022に読んだから「現実」と感じているのかもしれない。2014年はまだ、戦争も、凶弾も、流行病と洗脳も、身近ではなかったはずなので。
    ・もっと理解不能で圧倒されるかと思っていたが、理路整然というか説得の姿勢を感じた。残念ながら8年後も世界は良くならないし、貧富の差も広がってしまいました。
    ・男と女と(美しい)レズビアンしか出てこない。これも2022年に読むから強く感じるのか?
    ・あとがきにあった「全体と個々を両方書こうとした」は、読みながら感じたので十分成功であった。自分も生活の中でそのカメラの切り替えをやるので、馴染みがあり読みやすかった

  • う〜ん、よくわからない内容だった。ただただセックスの描写が多くて、何を伝えたかったのかよくわからない感じ。

  • 好きか好きでないかを言うなら好きではないのだが、これを書くのは勇気がいるというのはわかる。確実にある一定数には嫌われそうだし。名字だけの誰かの代表のような登場人物たち、宗教、国、金、原子、セックス、人間が集団になったときに起こること。現実的な題材なのにファンタジーのように浮世離れして見えるのは不思議だなと思う。好きではないのは、私がもっと個人的な話が好きだからだと思う。

  •  過激な性描写はさすがに凄かったけど、そこがすごすぎて内容があんまり頭に入ってこなかった。教団の人たちがそれぞれ結局なにがしたかったのかよくわからないまま、テロの結末もあんまり見えないまま、ぬるっと終わった。

  • チープでつまらない

  • 読み終わって、結局何だったんだろう感が半端ない。なんで読みたいと思ったのか忘れてしまった

  • 結局、なんだったのか?

  • 正直小説なのかどうか微妙な内容に感じた。一応、謎の宗教団体Xと、教祖っぽい人のもとに、ぬるく集う平和な集団が出てきて、対立した感じになって、なんだかんだ事件も起こるストーリーだが、それよりも登場人物が語る内容に重きが置かれている印象。戦争が無くならない理由とか、宗教がどのように始まったかなど、普段うすうすわかっていても「それ言っちゃおしまいでしょ」的にうやむやになってることがズバッと書かれていて、ドキッとする。生命について、死について、他にもいろいろなことが、著者の持論の披露なのか、ストーリーと無関係なところでとうとつに語られるので、それを楽しめない人にはかなり苦痛な小説。何かモヤモヤとしたものを抱えた人にはヒントになるネタがあるかも・・・。
    個人的には、中途半端に頭がいい人たちが、こういう小難しいっぽい話をする教祖的な人に共感することで、例の事件起こしちゃったんだなあと思った。

  • 著名な方が推薦しているので読んで見たけれど、中村さんだったらわたしは『掏摸』の方が好きかなぁ。先が読めない感じはどちらも同じで面白かったけど、本作品は直接的な性描写や哲学書をなぞったような説法場面が多くてちょっと苦手だった。途切れ途切れに読んだのもいけなかったかな。

  • 読み始めた時、後悔しました。頭がおかしくなってしまいそうでした。それなのに、1ページ1ページを惜しむように読む自分がいました。なんて恐ろしい本なのでしょう。

  • 読み終わった後に心に残るものがない。

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著者プロフィール

一九七七年愛知県生まれ。福島大学卒。二〇〇二年『銃』で新潮新人賞を受賞しデビュー。〇四年『遮光』で野間文芸新人賞、〇五年『土の中の子供』で芥川賞、一〇年『掏ス摸リ』で大江健三郎賞受賞など。作品は各国で翻訳され、一四年に米文学賞デイビッド・グディス賞を受賞。他の著書に『去年の冬、きみと別れ』『教団X』などがある。

「2022年 『逃亡者』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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