芸人と俳人

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  • 集英社 (2015年5月26日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087716122

芸人と俳人の感想・レビュー・書評

  • 俳句は点だと思っていました。五七五の少ない音の中に季語を含めるなど規制も多いので、一点のみを切り取って表わすものだと思っていました。しかし一点は一点でも水に落とす一点の墨滴のように、放たれた瞬間に広がり世界となるものだと知らされました。
    芸人又吉直樹が俳人堀本裕樹に俳句について教わる形で進められます。そもそも俳句とは何なのか? 五七五の定型とは? 季語や切字の扱い方など基本から入り、先人の句集を読み、選句、句会、吟行へと繋がっていく。又吉氏が発する疑問が読者の疑問となるので、堀本氏が伝える答がすんなりと受け止められます。そして俳句が少しずつ自分の中に入っていくのを感じることができます。
    見た世界や感じた世界を五七五でスパリと切り取りながら、その切り取った周辺の世界をまるごと包括する。それが俳句なのか。制限が多いと感じられたものが、その制限のひとつひとつに世界を広げるための種があったのかと知る度に、頭と心に心地好い刺激がありました。知らない世界を知る面白さがあります。そして知ったからこそ見える世界があることに気付きます。

  • タイトルからもっと軽い本かと思ったけど良い俳句入門書だった!俳句に興味が出てきた。

  • 有季定型俳句を怖がっていた又吉が、2年に渡って堀本氏の講義を受け、
    句会や吟行が出来るまでになる、会話形式の俳句教本。
    やはり又吉は言葉のセンスがピカイチだと改めて思った。
    句の鑑賞のしかたも一風変わっていておもしろい。
    彼の細やかな感性が感じられ、とても興味深かった。
    講義以外でも日常的に勉強していたことが、行間に滲み出ている。

  • 自由律俳句は読んだことがあるものの俳句については素人(であるらしい)又吉さんに、俳人の堀本さんが解りやすい言葉で俳句のいろはをレクチャーしていく対談本。
    又吉さんが(俳句に関して素人の)わたしたちの代表として尋ねてくださるので、とてもわかりやすいし、俳句の入門書として、若い世代に向けても最高の書だと思う。

    芸能人たちが俳句の才能を云々というテレビ番組が好きで良く観ているからか、今ひときわ俳句というものに興味があるのだけれど(といいつつまだ一つも詠めていない)わたしも、手帳にひっかかる言葉を書き溜めていけたら。
    そういうふうにして、そのうち俳句が詠めそうな気がする。


    とりあえず、歳時記ほしい。

  • さーっと読んでしまったけど、時間のある時もっとじっくり読みたい。
    俳句が作りたくなるかも。
    歳時記も以外に面白そう。

  • 短歌には興味があったけど俳句は難しそうだし……とまさに又吉さんのように俳句に対して恐れを抱いていたのですが、この本を読んで早く私も俳句作ってみたい!とまで思えるようになりました。
    本当に最初の最初から教えてもらって感動です。特に「っ」「ー」「ゃ」などは文字数に数えるのか数えないのかとぼんやり疑問に思っていたのですが、そこから教えてもらったのも嬉しかったです。堀本さんの教え方も又吉さんの解釈も本当に素敵でした。
    又吉さんの他の本はもう読んでいるので堀本さんの本を次探してみようと思います。

  • 2015年7月6日 夫からのプレゼント。

  • 良かった、楽しかった、面白かった! 以前に数度、俳句の魅力に引き込まれ、俳句の本を読み、作ったりもしたが、いつの間にか切れてしまっていた。今回再度、いや、今回がラストチャンスだと思う、俳句の世界に入っていき、そしてそこで息をしていくぞ、喜びを持って。

    〈本から〉
    自由律句
     咳をしても一人
     とても短く、口語的だが、これも俳句。定型句に対し、五七五に縛られず、季語にもとらわれず、感情のおもむくまま自由なスタイルで表現する俳句を「自由律句」といういう。種田山頭火の「分け入っても分け入っても青い山」なども、よく知られている。

    初心者のお悩み、「ボート」何音? 3音
    カーテンは4音
    客は2音
    驟雨は3音 要するに小さい「ゃ」「ゅ」「ょ」は、
    単独では一音に数えない。
    立冬は4音 小さい「っ」は1音
    落花生は5音

    「二物衝撃」

    「季語はどれかな?」が鑑賞の第一歩

    傍題は、季語のバリエーション

    季語の「本意・本情」

    『合本現代俳句歳時記』(角川春樹事務所)

    「一句に一季語」が俳句の基本

    「虎落笛」

    三大切字「や」「かな」「けり」
    感動したら「や」「かな」「けり」

    「句柄」

    俳句の世界では、本当は、一句の中で因果関係を作ってはいけないという不文律があるんです。

    雅号(俳号)とは、俳句をたしなむときに使う、本名以外の名前のこと。経験を問わず、自分でつけていい。雅号があるだけで、俳句に対する意気込みが違ってくる。ちなみに、芥川龍之介は「我鬼」。

    『現代の俳句』(講談社学術文庫)

    『芥川龍之介句集』(岩波文庫)
    『漱石俳句集』(岩波文庫)
    『荷風俳句集』(岩波文庫)

    俳人の上田五千石
     「まねぶ」
    「俳句の勉強は真似から始まる(ある意味では一生真似ともいえる。)型の芸、言葉の術である定形短詩は、先人の真似なくしてモノになる筈がない。但し、いつでも「いま」「ここに」在る「われ」を捨ててはならない。そうでなければ、うまい作者にはなれても、ついに独自の俳句作家にはなれない」『決定版 俳句に大事な五つのこと』(角川学芸出版)

  • 又吉氏の本はいくつか読んでいるが、中でも面白かった。
    常々良さがわからなかった尾崎放哉の味わい方の例をみて、ははん、そういう視点はなかったなと素直に感心させられた。
    (しかしやはり自由律俳句より5.7.5のほうが好きだな)

  • 又吉が俳人から俳句を学ぶという2人の対談は、又吉という人の文章や美に対する感度の良さを改めて知るだけでなく、俳句の入門書としてはこれ以上の内容はないのではないかと思ったほど。歳時記を買って、私もぜひ俳句にチャレンジしたいと思った。17音、季語、切れ字とこれほど分かりやすい解説はない!句会、吟行とそこまで一緒に経験させてくれる最高の入門書である。中江有里、穂村弘、藤野可織などと5人で行う句会の場面も臨場感があり、実に愉しい。俳句の面白さ、奥の深さ、幽玄さを堪能!

  • 俳人堀本裕樹氏に又吉が俳句の何なぜを対話形式で解き明かしていく。季語、切字、定型・非定型に始まり、俳味、句会へと知らぬ間にレベルが上がっていく。素人目線の又吉の問いかけがひじょうにイイ。又吉一流の毒気と純粋で素朴な疑問の一つひとつに新鮮な感動があった。俳句の世界がぐんぐん広がりと深みを増していく。少しずつ少しずつ距離が縮まってくる感覚もすこぶる心地よかった。人間、又吉という人そのものとの距離もぐんと近くなった。

  • 中江有里氏、穂村弘氏らを交えての句会や、堀本、又吉両氏による鎌倉吟行ツアー・・・etc読んでいて、そこに参加しているような臨場感溢れる内容。

     対談でちょこっと触れられていた宮本輝さんの小説も興味惹かれた。
     
     
     

  • 芥川賞を受賞したピース又吉直樹が同世代の俳人堀本裕樹から俳句の基礎を学んだ2年間。俳句とお笑いについての共通点などの話を交えつつ、俳句の基本テクニックがわかる入門的な一冊。読者も一緒に学んでいるかのようにおもしろく読める。季語の扱い、句会のやり方、吟行のおすすめなど、俳句を始める際に気になる事を解決してくれる。二人の書き下ろしエッセイや俳句作品も収録。あらためて又吉さんの感性とセンスの鋭さに感心します。

  • 俳句初心者の又吉さん目線が書かれていることが、初心者への咀嚼された俳句入門書として最適だと感じました。

  • 俳人堀本さんから芸人又吉さんへの講義。

    俳句に特に興味があったワケではないのに
    読後は俳句が好きになり、自分でも作ってみたくなった。

    又吉さんの感性の鋭さ、おもしろさや
    堀本さんの人柄がにじみ出る対話がおもしろかった。

    取りあえず歳時記が欲しい。

  • 神様はまるでお母さんの様に、
    この世に生まれた人達全てに
    「楽しく生きて下さいね。」
    と、たくさんのおもちゃを用意して下さった。

    あぁ、ぜんぶ面白そうっ!
    ボール、釣竿、お洋服、絵の具、楽器、乗り物、歌、
    他の生き物、他の惑星、自分以外の人達、想像力…

    なかでも
    <言葉>を選択した人ならば
    必ずや関心を示したであろう『俳句』。
    ほんの僅かな
    17文字にて
    映像とストーリーを同時に表現してしまう稀有な世界。

    だが、このたった17文字が以外と難しいっ!
    最初は
    「俳句を詠むのは怖い…。」
    と、まで言っていた又吉さんだったが、
    元来の言葉好きが功を奏して
    ぐんぐんと実力を発揮してゆく様が清々しい。

    >銀杏をポッケに入れた報い

    >石鹸(しゃぼん)玉飲んだから多分死ぬ

    相変わらず、
    一笑い入れつつも、郷愁感漂わせられる技術は
    すごいなぁ~
    もっと読みたいなぁ~

    と、又吉オモシロ成長記録でも読んでいるうちに、
    俳句の基礎が無意識に身について行くかの様に感じた。

    更に
    いよいよラストの『句会』には
    なんと短歌の穂村弘さんも参加っ♪

    又吉さん含む5名の俳人が6句の句を提出。
    あとは
    皆でいいと思った句を選び抜く。
    読みあげられた者は名乗る、
    そんなルールで始まった句会。

    ああ、
    参加もしてないのに何故かドキドキッ♪

  • 又吉の本ということで、図書館で借りてみた。
    俳句に興味がなく、なんとなく惰性で読み進めたが、
    俳句初心者(とは言っても、すでに句集は出しているけど)の又吉が俳人の堀本裕樹のレクチャーを通して、定型俳句を学ぶという対談形式から、俳句の面白さ、俳句のルールに触れることができ、俳句そのものに興味を持てたのは収穫だった。

    とっつきにくいというイメージのある俳句だけれど、
    ふとしたことで、移ろう季節を感じる折に、
    季節の一瞬を切り取り、形に残る俳句というのは、
    案外身近なもののように思えた。

  • 芸人又吉さんが俳句を味わい詠むようになるまでの俳人堀本さんとのやり取り。
    又吉さんならではの俳句の感じ方が面白い。
    俳句を始めて3年半の私には良いテキストだった。
    そうそうと思う事、そうなんだ~と感心する事、分からん!と思う事。
    まだまだ奥は深い。

  • 普段俳句に馴染みがない人でも楽しく俳句に親しめる本です。お二人のやり取りが軽快でさくさく読めます。いずれは俳句に挑戦してみたいな~と思いました。

  • 新聞か何かでチラリと目にして
    「おもしろそうだな」
    と思っていたら、図書館で発見! すかさず借りました(笑)。
    特に、前半部分がおもしろかった。よくわからない俳句をうまく解説してくれていると思う。
    こちらも「お、ふむふむ」と読んだもん。
    後半の選句や句会の部分は難しく感じてしまう。自分には無理だと思うからだろうな。
    俳句を作ることは難しくても、楽しくよめるようになったらいいなと思えた1冊。

  • これはおもしろかった! 俳人の堀本さんから又吉さんが定型俳句を学ぶという、「すばる」での連載をまとめたもの。俳句はなんとなく敬遠してきたのだが、又吉さんという「生徒役」が実にどんぴしゃで、一緒に一から教わったような気になった。これから俳句を見る目が変わりそう。作ってみようかなとも思ったりして。

    とにかく、又吉さんの姿勢が謙虚で一生懸命で、文芸への敬意や言葉を大切にする思いがあふれている。問われれば決して知ったかぶりをせず、でも自らの言葉で語ろうとしている。そこが一番素晴らしいと思う。俳句(や短歌、詩など)をよむということは、たった一つの言葉、短い表現の中に深く分け入っていくことで、自分と他者双方に迫っていくことなのだなあとしみじみ感じた。

    しかしまあ、又吉さんという人、やはり優れた言葉の感覚やセンスの持ち主なのだなあと、そこにもいたく感心する。たとえば、「滝落ちて群青世界とどろけり」(水原秋桜子)という句。「音って説得力があると思うんです」「(飛行機が飛ぶとか)信じられへんようなことも、音がこれは現実だと教えてくれるんです。だから、この美しく現実味のない絶景も、その音で確かにここにあると認識させてくれるんですかね」。なるほど~。

    また、「風船をつれコスモスのなか帰る」(石原八束)という句。家で待ってる子どもに風船を持って帰るのかな?と言う堀本さんに対して、子どもが全然喜んでくれないという悲惨な状況を考えちゃうのが又吉さん。さらに、「ほんとだったら子どもを連れてるはずなのに、みたいな感じ」「子どもはいないとか?」というところまで考えて「悲しくなってきました」と。そうか、そうも読めるのか。

    俳句などに向かう気持ちをうまくとらえた言葉もある。「僕は、普段、ある程度時間がないと悩めないようなところがあります。鳥をちゃんと見ることができるとか、自然の風景に注意を向けられるのは、その時間の始まりみたいなところがあるんじゃないかな。俳句でも、日常の生活の中から一回流れが切れたようなところで『つばくろ』に目がいくというのは、考える余裕があるからでしょうね」

    「愚直なまでに屈折している」。これは又吉さんが以前作った自由律俳句だそうだが、堀本さんが言うとおり「これぞまさに又吉さんという人を表す象徴的な一句」だ。韜晦したり、「なんちゃって」とごまかしたりせず、曲がりくねった過剰な自意識を全開にしていくスタイルは、確かに「愚直」としか言いようがない。「僕、軽やかに何かをすることができないんですね」という言葉にはちょっと笑ってしまったが、笑った後であれこれ考えた。そういう人って実はたくさんいて(自分自身若い頃はそうだった)、そういう自分をもてあましたり、「軽やかな」周りに合わせていくことに疲れたりしていることもあるだろう。その自分のまま、それを芸人としての持ち味にしている又吉さんの存在に、ひそかに励まされている人もいるのではないかなあ。

    「季語エッセイ」として四篇が収録されているが、秋篇の「灯火親しむ」がとてもいい。孤独感が切なく迫ってきて、短編小説の味わいがある。へその曲がった天の邪鬼なので、ベストセラーはまず読まないのだけど、「火花」読もうかな。

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