裸の華

著者 :
  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087716658

感想・レビュー・書評

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  • 桜木作品2作目。ラブレスの方が好きかな。

  • やっぱり桜木紫乃さん好きだなぁ。

    NORIKAに集まった四人の人生が束の間交わって、また別々の方向に動き出す。
    『ここは交差点の街だった』という表現がすごく深いなぁと思いました。

    ノリカがとても魅力的でかっこよくて、彼女の踊りを見てみたいと思ったよ。

    読後感が最高の一冊でした。

  •  4人がそれぞれ風に吹かれ、行きたい所へ吹かれていく、こんな人生がしてみたい。
     足をおった事はきっと3人の旅たちのために、風に乗ったからだろう。
     それぞれが、それぞれの道に進む道しるべをしたノリカ~

    【本文より】
     「こんなときは風に吹かれることにしているんです。」

  • 吉田修一の「国宝」を読んだ後のせいか一芸に打ち込む人たちの群像劇と言うように読んでしまった。全然違う内容だけれど。
    一つのことを昇華していくさまと言うのは潔く美しく。見ている側はただそれを見て何かを感じていると思う。劇でも舞踏でも。
    見せている側のその裏側のある物語を知ることはない。ただ、見ることで共有するのかなと思っている。
    ストリッパーだった主人公が怪我で引退し故郷に戻ってからダンスシアターを作るという冒頭からダンサー志望の若い女性、過去が謎のバーテンダーが店に集まって少しずつうまく軌道に乗せていく様子は読んでいてわくわくした。
    そこからまたどんどんと登場人物たちが新しい道を切り拓き自分たちの夢を描いて行く。
    前を向いて歩く人たちの話だった。

  • 読後感が良い本。桜木さんの世界観、素敵。ケガの為、ストリッパーを引退し、若いダンサーを雇いダンスメインのパブをオープンさせた主人公。女の子2人のダンサーやバーテンダーとの関係が淡々と書かれているけど、特別な言葉は交わさなくても信頼関係が生まれてくる様子が心にじんとくる。主人公はストリッパーだった自分の仕事に誇りを持っている。周りもリスペクトしている。そういえば悪人が一人もでてこなかった。人間っていいなと思えた本。 主人公の名前は「フジワラノリカ」だけど、私のイメージは天海祐希。

  • 「道なりに真っ直ぐ歩いて来た。曲がり角の次に現れた景色にも道はあって、自分は風にのってその道をしっかりと歩いて行けばよい。」 なにかを諦めたり挫折したりしたときに、とても励まされる文章だと思う。「赤毛のアン」の最後から2番目の文章、「そして、道には、つねに、まがりかどがあるのだ。」を思い出した。

  • 読む前に想像していたのは、ストリッパーがこれまでどう生きてきて、何故その仕事をしているのか?といった話なのかと。
    しかしそこはあまり語られることなく、怪我からの挫折と店を持ち踊り子を育てるという一年間あまりの話、そしてきっと彼女いや全ての登場人物の新たな出発の物語だった。
    ノリカってストイックなアスリートだな、って読み進むほどに感じていたけど、最後の方でボルト抜く整形外科医が「アスリートですよ」とまさにズバリ!
    ノリカもJINも職業を突き詰める姿が素敵だった。
    紫乃さんの描く女性は強くて力をくれる。
    熱海の師匠のひとり舞台は、哀れさとわびしさを感じてしまい、そこまでしなければいけないのか悲しくなった。

    余談ですが、たらこバターとチーズわかめおにぎり、すごく食べたい。あったかい豚汁つきで。

  • ストリップ、バーレスク、裸を魅せる仕事に対し偏見があった。恥ずかしいけれど、糊口を凌ぐためにせざるを得ないとしている仕事だと。しかし、それぞれに喜びを持ち、進んでしている人も多いのだと聞いたこともあり、裸の花を手に取る。
    自分は踏み込む事は無いだろうが、仕事人それぞれに矜持があり、毎日を懸命に生きているのを感じる本だった。

  • 桜木紫乃には、こういう話が似合う。挫折、新しい道、そしてまた旅立ち。じっくり言葉をかみしめてよみたい。

  • 『ホテルローヤル』を読んで、好きだなと思った。
    この作品も、好きだ。
    細かい心理描写が心地よい。
    ノリカと、みのりと瑞穂のつかず離れずの関係もいいし。
    ノリカとJINの関係もいい。
    またみんなと集まれたらいいね。

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著者プロフィール

一九六五年釧路市生まれ。
裁判所職員を経て、二〇〇二年『雪虫』で第82回オール読物新人賞受賞。
著書に『風葬』(文藝春秋)、『氷平原』(文藝春秋)、『凍原』(小学館)、『恋肌』(角川書店)がある。

「2010年 『北の作家 書下ろしアンソロジーvol.2 utage・宴』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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