巨食症の明けない夜明け

著者 :
  • 集英社
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感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (157ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087726305

作品紹介・あらすじ

母親との関係に悩み、恋人ともうまくゆかず、過食に溺れる私。痩せさえすれば…。新しい感性が織り上げた孤独と不安の世界。第11回すばる文学賞受賞作。

感想・レビュー・書評

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  • 摂食障害に悩み、抑えられない食欲と無気力に振り回されている時子。

    失恋から過食症あらため、巨食に走るようになり
    食べれば食べるほど、得られる満足感はほんの一瞬で、罪悪感に苛まれながらもやるることのできない悪循環。

    幼い頃、自分を置いて家を出ていった母に会いたいという気持ち。
    母に愛されたいという気持ちを、男性にすり替えていたこと。
    埋められない思いは食べ物に執着することで解消しようとしていること。

    という小説を書く、時子。
    母は同じ家に住んでいながらも、心のどこかで母を求めている。

    最初の入浴しているのを胎児だった頃に重ねるシーンで泣きそうになった。
    私は、生まれたくなかったのです。

    優しく繊細な文章で、著者の写真はなんとも美人さん。

  • なるほど、そういうオチか…。

  • 拒食症の話だと思ってた。この人もきっと頭がいいんだろう。見栄はって難しい話したり知識をひけらかしてるわけじゃなくて、言いたいこと言おうとすると、ついかたい言葉やエピソードが出てきちゃうタイプなんだろうなぁと思った。ふくよかに自己完結したおまんじゅはよかったね。'91

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著者プロフィール

島根県出雲市生まれ、筑波大学卒。『巨食症の明けない夜明け』(集英社)ですばる文学賞、評伝小説『恋の蛍 山崎富栄と太宰治』(光文社文庫)で新田次郎文学賞。著作はイタリア、中国、韓国で翻訳出版される。『赤毛のアン』シリーズ(文春文庫)の日本初の全文訳を手がけ、作中の英米詩、シェイクスピア劇、聖書など数百項目を訳註で解説。金子みすゞの弟で脚本家の上山雅輔の日記と回想録を読解して小説『みすゞと雅輔』(新潮文庫)を発表。著書に幕末小説『島燃ゆ 隠岐騒動』(光文社文庫)、『英語で楽しむ赤毛のアン』(ジャパンタイムズ)など。趣味は編み物、洋裁、「すてきにハンドメイド」鑑賞。

「2021年 『金子みすゞ詩集 2022年1月』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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