もものかんづめ

  • 集英社
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感想 : 194
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087727838

作品紹介・あらすじ

漫画とは違う"ももこ"の面白さ。あなたの味方ばなしやズッコケ、失敗等々、漫画とは違う味の白面さ満載。

感想・レビュー・書評

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  • 数年振りに再読しましたが、さくらももこ
    先生のエッセイの面白さは不変です。
    読書中に声を出して笑う姿を時折家族から不審がられてしまいました。

    水虫になったのに、病院に通わずに独自の治療法で完治を目指そうとする無鉄砲さ。
    親族から止められても怪しさ満点の睡眠学習枕に手を出す好奇心。
    祖父の死をユーモアに変えるセンス。

    さくらももこ先生の魅力がこれでもかと詰め込まれた作品になっていると思います。
    表現は多少誇張して書かれていますが、誇張し過ぎず、情景が目に浮かぶ様な丁度いい線を突いてくる所が、好きです。

    辛い事があっても、「おし、頑張ろう」という前向きな気持ちにもさせてくれる本です。

  • 今作もさくら節全開で、けらけら笑いながら読みました。
    さくらさんのエッセイは、真顔で話している感があるなぁ、と思います。
    真顔で淡々と、聞いている人のお腹がよじれるようなおもしろくてしょうもない話をしてきている感じ。

    祖父の葬式について書いた「メルヘン翁」のインパクトがすごかったです。
    人の葬式の話で爆笑したのは人生で初めてかもしれません。
    人から聞いたバカバカしくてウソか本当かわからないような話を集めた「意図のない話」は、それだけをもっとたくさん集めて1冊の本にしてほしいくらい好みでした。
    誰かの夢の話を聴いているような、でも妙にリアリティがある感じ…たまりません。
    両家への挨拶から結婚式までのエピソードを綴った「結婚することになった」で描かれた父ヒロシの姿にも笑いを堪えきれなかったのですが、ヒロシが一瞬見せた娘を嫁に出す父の顔に不覚にもうるっとさせられました。

    笑いと切なさの塩梅がなんとも心地よい読後感でした。

  • 朝井リョウ氏やAマッソ加納氏がさくらももこ好きと聞き、お正月にさくらももこのオールナイトニッポンを聞いてもう読んでみたくなった。
    自分は朝井氏のエッセイが元々大好きで、「さくらももこエッセイがバイブル」みたいなことを常々聞いていたので期待値爆上がりだったけど、それでも期待を超えてきた。
    売れるだけある。

    やや毒な親を持っている私としては「メルヘン翁」は違和感無かったが批判する人もいるんだなあという感想。

    青山のカフェにいた他人の会話で恋人と別れずに済んで結婚まで行ったのはとってもいい話。


    どの話も面白いんだけど、自分が特に気に入った言い回しは以下。スズムシの話のとこ。
    「わざわざ宇宙から侵略しようと企んでやってきた昆虫(エイリアン)の一部なのであるから、せめて“日清ヤキソバ『UFO』”のカラ容器に入れて空輸するくらいの配慮は必要ではないかと、私は地球人として思った。」

  • 頭からっぽにして笑えるエッセイと聞かれれば迷わずさくらももこさんの本を選びます。当たり前の日常を鋭い観察眼でユニークに、時に毒っ気たっぷりに切り取り、面白おかしく正直に表現できる方を挙げれば、さくらももこさんの右に出る者はそうそう居ないのではないでしょうか。
    幼い頃に初めて本を手に取り、大人になった今でも必ず笑える場面があります。ただ笑えるだけでも幸せなのですが、時折ご本人の鋭い視点や人生観が挟み込まれ「楽しかった」の一言では済まない引っ掛かりやフレーズを読後に噛みしめることができます。
    訃報は悲しいけれど、こんなに素敵な作品たちを世に残してくれてありがとうと改めてお伝えしたい。以下、印象的な作品を簡単に。

    『奇跡の水虫治療』
    16歳の水虫根絶奮闘記。万が一にも自分が患ったら絶対この治療法を思い出すし、思わず試す気もする。

    『メルヘン翁』
    祖父の葬式。人の死は憂い悲しむもの、そんな世論を吹き飛ばしてくれる。

    『意図のない話―「青山のカフェ」』
    突然耳に飛び込んでくる他者のしょうもない発言が、人の感情を動かし、人生のキーポイントになる場合もある(本っ当にしょうもない発言)。

    『結婚することになった』
    娘だけがそっと気付く父の心の内。つい自分と重ね、久しぶりに父と連絡を取ろうと思った。

  • 中学生あたりの時期に読んだ記憶があるけど、さくらももこさんのエッセイの原点をまた読みたくなり。
    奥付を見ると自分が生まれた直後くらいに刊行された本で、そんな前から現在まで読み続けられているのか!と驚いた。

    これを読むと、さくらさんが大分お若い時から既に活躍されていたんだなぁと驚いた。
    「睡眠学習枕」とか「飲尿療法」とか、初めて知ってびっくりな言葉も沢山。この辺は時代を感じる。

    身近な事柄の面白味を敏感にすくいとって、素直な心で言葉にするのが本当に上手いなと思った。

  • 10代の私に衝撃の1冊。
    さくらももこってこんなにおもしろいんだということと、本を読んでこんなに笑うことってあるんだということ。
    おもしろくて、おもしろくて。

  • ちびまる子ちゃん好きなら抑えておきたい一冊。疲れているときにおすすめです。活字なのに、ゲラゲラ笑わせてくれます。1話ずつは短いから細切れで読めるのに面白すぎてどんどん読めてしまいます。もともとは1991年に発売された本で時代を感じる表現もありますが、それも味です。文庫版を読んだのですが、巻末のインタビューあれなんだろう・・。

    ●睡眠学習枕
    家族の反対をふりきって買ったこの枕・・。先に勉強してから寝るというところが書いてあるのがまだ良心的と思いました。実はわたしも学生時代に睡眠学習のために英語のCDを流しっぱなしにして寝たことがありました。やり方は異なっても同じことをしているという点で笑えました。なお、効果は「あった」と信じ込んでいます笑

    ●しょうもない話のレベルが高い
    本当にそんな快便があるのか?!と笑ってしまうほど本書のように面白おかしく演出されたしょうもない話を聞くのは好きなんです。が、実際、しょうもない話が始まると即離脱してしまう人間です。本だと「刻々と時は過ぎ」ですむのでぜひ楽しんでみてください。

    ●友蔵の話
    他の方もふれていますが、まず、ちびまる子ちゃんの友蔵は理想のおじいちゃんであって実際は全く違う性格だったそう。その友蔵の死について書いてあるのですが、それについて後日意見をもらったとのこと。「”血がつながっているから”ということだけで愛情まで自動的に成立するだろうか」という問いは様々な家族問題で苦しむ人の光となるかもしれない問いだなと思いました。

  • 面白いとうわさには聞いていたが本当に面白かった。
    さくらももこが亡くなって数年経ちますが、本の紹介番組なんかを見ると未だにこの本か、他のさくらももこのエッセイが上がる事とがあります。
    確かにこれは本を読むことが苦手な人にもうってつけの本ですね、さすがあのシュールな漫画を描いた人ですね。
    恐らくみんな一番衝撃を受けるのはメルヘンじじいという話だと思うんですが、肉親だから無条件に好きとか無いですよね。これに憤慨する人は真っすぐに生きておられるんだろうなあと。

  • さくらももこさんの幼少期から大人までのエッセイ。
    しょうもない!とクスッと笑える話あり、すこーし感動する話もあり。
    さくっと読めた。

  • 日常の何気ない話が多いですが、独特な語り口がおもしろいです。『ちびまる子ちゃん』の元になった作者の生い立ちなども垣間見えるので、ファンにはたまらないエッセイですね。

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著者プロフィール

1986年からマンガ雑誌『りぼん』(集英社)で連載がスタートした「ちびまる子ちゃん」の作者。1990年からはフジTVでアニメ化され、超人気番組となる。『まるむし帳』(集英社)は唯一の詩集。

「2019年 『さくらももこの詩による無伴奏混声合唱曲集 ぜんぶ ここに2』 で使われていた紹介文から引用しています。」

さくらももこの作品

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