赤い楯(上) ロスチャイルドの謎

著者 :
  • 集英社
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感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (512ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087728163

作品紹介・あらすじ

ユダヤ人の金融力を結束、世界最大の財閥をつくりあげたロンドンの金融上ネイサン・ロスチャイルドとパリの鉄道王ジェームズ・ロスチャイルドの戦略は世界をどう変えたか。スリルあふれる執拗な追跡によって解き明かされる、100年におよぶ歴史の真相を初めて明らかにするノンフィクション巨篇。

感想・レビュー・書評

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  • 面白いけど人物が次から次へと出てきて誰が誰やら全くわからんなってきたから積ん読。

  • 林千勝「ザ・ロスチャイルド」の参考文献で見かけたのを機に図書館で借りてみた。
    もう30年前の本になっていることに驚き。

    さすがに文章は面白いが、いかんせん系図の登場人物が多すぎて頭に入ってこない。真剣に読むなら本を買って、ルーペ片手に系図の人物を一人一人Wikiで調べ(日本語の記事がなかったら翻訳して)、さらにそれを「記憶する」という難行が必要だろう。

    そもそも天皇家や征夷大将軍、各国の王朝や大統領の系譜は「第×代」を順に覚えればよいが、ロスチャイルド家の系図は一人の当主を追えばよいわけでもない上に、直系だけでなく、閨閥や愛人関係、企業の提携先まで出てくるのでとても頭脳が追い付かない。広瀬隆自身も書いているがよくこんな作業ができたものだと感心する。

    さて、ロスチャイルド家は確かにユダヤ人の家系だが、ロスチャイルドの一族がユダヤ「民族」による世界支配を企んでいる、などという観点はまったくの見当違いである。
    国家=領域を持てないユダヤ民族は第一次産業に就くことができず、キリスト教が禁止していた金融業か、零細な商業に従事するしかなかった。
    商業はその性質上、リスクを取って大きなリターンを得るにせよ、コツコツ倹約して小銭を貯めるにせよ、いずれは大きなマネーを蓄積することになる。そして、マネーは常に価値の暴落、一方的な債務の帳消し、暴力による財産没収のリスクが付きまとう。

    国家による庇護が期待できない環境で、実体のない命綱である「金」を守るには、あらゆるシステムを金に結び付け、金がなくては誰も生きられない世界を創るしかない。
    貨幣そのものではなく貨幣に価値を持たせる通貨発行や為替のシステムを抑え、軍事力そのものではなく軍事力を維持するための兵器供給を抑え、始めは商売上の競合相手を出し抜くため、そして見せかけの民主制をコントロールするために情報(メディア)を抑え、食糧を抑え、資源を抑え、科学技術は多大な研究開発費を抑え、
    「結果的に」金そのものが自らを維持拡大しつづけるためのシステムが「できあがって」しまい、もはやユダヤ民族やロスチャイルド家というくくりではなくなったのではないだろうか。

    かつてのローマ帝国は「人間」が生きていくための共同体として機能していたが、キリスト教の独善に汚染され、制度設計の自己修復能力を失って滅亡した。
    ロスチャイルドの帝国も、「ロスチャイルド家」を守るためのシステムが、人間の欲望を動力とする資本主義に乗っ取られたとは言えないだろうか。

  • 【文章】
     読み辛い
    【気付き】
     ★★★・・
    【ハマり】
     ★★・・・
    【共感度】
     ★★★・・

    ロスチャイルド家の始まりから、イスラエルの建国まで。

    ロスチャイルド家、迫害を受けた人々、イスラエル移住した人々を、同じユダヤ人として一括りにしてよいのだろうか?

  • ロスチャイルドの謎

    18世紀末、ドイツフランクフルトに誕生したロスチャイルド財閥

    ベニスの商人、ユダヤ人のイメージの一人歩き、

    何あの人種差別、黒人を軽蔑差別したのではない、金、銀、ダイヤ、ウランなど豊富な鉱物資源、

    死の商人、ザハロフ、ボーア戦争
    軍需産業、労働者が生き続けるためには必ず次の戦争を引き起こす必要が出てくる、

    南アは非難されてきたが、アメリカ合衆国は抵抗するインデアンをほとんどを抹殺したため非難さえも受けなかっただけである。

    イスラエル建国の歴史、知識を出版物から得ようとすると、ジャーナリズムを支配する何者かの手によって、帰って事実を見誤ることがある。

    イスラエルの建国は、全世界のユダヤ人がここに戻ってきた、と言う美しいドラマではなく、既に住み着いていたパレスチナ人を追放した侵略者、まぎれもなくユダヤ人であった。

  • ロスチャイルド家の歴史を通じて世界のいろいろな事象を見ると驚くことが多い。

    子供染みた考えかもしれないけど、こういうのを読んじゃうと経済学なんてホントに勉強して意味があるのかと思ってしまう。

    インフレもデフレも中央銀行の匙加減一つだし。好況・不況も中央銀行の演出に過ぎないし。そして各国の中央銀行を支配しているのが政府ではなく金融財閥なわけで。

    時代が進み、技術が進歩してもごく限られた人間に富が集中し、貧しい人はその数を増すばかり。その不自然な富の偏りに作為的なものを感じない方がおかしいわけで。

  • ロスチャイルドってなんぞや?
    かなり壮大なお話、事実です。家計図なんてもう…複雑で複雑で。
    私はは読むに苦労しました。世界史の知識が乏しいと大変です。
    けれど面白い。
    なにが面白いって、そのデキすぎた仕組みが。
    私の脳みそでは想像もつきません。

    これが事実だっていうんだから、
    世の中は小説以上に面白いものですね。

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著者プロフィール

京都府生まれ。1986年、京都府立大学文学部卒業。
1991年、大阪市立大学大学院臨床心理学分野後期博士課程(単位取得退学)。2006年、ISAP (International School of Analytical Psychology), Zurich修了、ユング派分析家。
現在、帝塚山学院大学人間科学部心理学科教授、北大阪こころのスペース代表、臨床心理士、公認心理師。

共著書に『キーワードコレクション カウンセリング心理学』、『現代社会と臨床心理学』、『心理療法ハンドブック』、『心理臨床大事典』ほか。共訳書に『ユングの世界』。

「2021年 『セラピーと心の変化』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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