ある夜、クラブで

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制作 : 野崎 歓 
  • 集英社 (2004年10月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (191ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087734225

ある夜、クラブでの感想・レビュー・書評

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  • シモン・ナルディスは、工場の温度調節を管理するエンジニア。三連休を使って、妻シュザンヌの母親の家に出かけることになっていたが、サーモスタットが正常に作動せず、列車に乗り遅れてしまう。

    もう一人のエンジニアと一緒に仕事を続け、なんとか解決。仕事に残ってくれたお礼にと、エンジニアが食事後にシモンを町のジャズクラブ「ドルフィン」に連れて行った。

    そこで演奏を聴くうちに、忘れていた気持ちが少しずつふくれ上がり、いてもたってもいられずついに舞台に上がりピアノを弾き始めるシモン。そう、シモンは昔ジャズ・ピアニストだったのだ。このことはまた、店のオーナーであり、昔ジャズを歌っていたことがあったデビー・パーカーとの出会いでもあった。

    語り手はシモンの友人。自分の記憶やシモンが語ってくれた話から、この本を書いているという設定だ。彼はシュザンヌの友人でもあるため、複雑な胸中を告白しているのもおもしろい。

    シモンは、遅れている仕事をなるべく早く終わらせ、一刻も早く妻シュザンヌに電話し列車に乗らなければならないのに、ジャズピアノ熱の再燃とデビーとの恋を止められず、ついずるずると、いけないと思いつつ、ひとときの解放感に身を任せてしまう。

    不思議なのは、読んでいるこっちの方が時間が気になり、禁断の恋にハラハラしっぱなしなのだが、シモンが妻子から離れた場所で味わう解放感と恋のときめきに、いつの間にか共感しちゃってることである。書評家の豊?由美さんがシモンのことを<初老のくせして子供っぽいというか、天然というか、裏表がなさすぎる>と書いているように、その純粋さゆえに、シモンの行動に「おいおい」と思いながらも共感し、気づけば応援しちゃってるんである。

    一方、シモンがそんなことをしている間に起こってしまう悲劇……。ここで読者はどうするか。普通ならシモンを責める気持ちが湧き上がってくるだろうと思われる。が、シモンのそれまでの気持ちと、その後の行動と思いを知る読者なら、彼はどうにも憎めないキャラになっているはず。なぜって、シモンはそれだけ人間くさい男だから。結局人間ってこういうものだから、奥深いところで共感せざるをえないのだ。

    本作は、昨年11月に読んだ『さいごの恋』の前に書かれた作品。シモンとデビーは『さいごの恋』にも登場し、瀕死の作曲家ポール・セドラを得意の音楽で元気づけたりする。どちらも単独で読めるが、両方読めばより楽しめるし、片方だけ読んだだけでは味わえない感慨もおまけでついてくる。どちらも、著者の音楽(とくにジャズ)への深い愛情が感じられる作品であることは間違いない。

    読了日:2007年5月16日(水)

  • そうねぇ。
    美しいといったら美しいのかもしれない。
    大人の恋愛小説と言ったらそうなのかもしれない。

    が、あまりにも純粋で、そして残酷。

  • ボリス・ヴィアンと同じようなそうでないような
    はじめからどうも頭に入ってこないな

  • 気をつけるべきは語り手の視点の位置だ。誰が語って、どこからそれを見ているのか、ジャズを絡めた単なる大人の恋物語じゃない。でも、そう読んでも楽しいんだけどね。

  • 2010.07.28読了
    商品の詳細説明(楽天)
    我を忘れるひと時の甘美さと、その代償の重さとを深く味わえばいい。伝説の名ジャズピアニスト・シモンは、断念したはずの音楽に再びめぐり逢い、その上運命の女に出会う。人生を取り戻したい人のための恋愛小説。

  • キーワードは、大人の恋愛・再チャレンジ・そして猫。

  • ジャズ小説。

  • ピアノを捨てたジャズピアニストは、エンジニアをしている。
    仕事で行った海辺の街でジャズクラブに誘われたエンジニアは、ピアノに触れたい衝動に勝つことができなかった。
    そして現れた女。抗えない時間。夫をよく知る妻はデンジャラス・ゾーンに入りゆく夫を自ら迎えに行くがその途中・・・
    テンポのよい小説である。邦訳はこの本が最初らしいが、ジャズ好きでなくても十分楽しめるストーリーだと思います。

  • 粋なフレーズがスウィングにのってテンポよく走り出す。
    一気に読めてしまった。
    言葉の並べ方が素敵だなと思いました。

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