あなたがほしい je te veux

著者 :
  • 集英社
3.21
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本棚登録 : 43
感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (184ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087743807

感想・レビュー・書評

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  • 留美を愛してしまった。

    カナは女で、想いを彼女に伝えるのはためらわれた。

    大手不動産で営業として働くカナは
    家を売るという仕事をしながらも温かで清潔な家族を疎んじていた。

    建築家の小田は仕事仲間であり、友人であり身体を重ねる相手でもあったが
    本当に彼女が欲していたものは、留美だった。

    同性愛を好きな相手に伝えられない想い、悩む恋心
    異性の気の知れる友人、開けた未来

    他にこんなのないよね。
    官能的で、繊細な表現。けれどもどういうわけかのめり込めない。

    異性の友人との性行為、同性愛、キャリアウーマンと共感できるものが
    ないからかもしれない)^o^(

  • 主人公と自分をダブらせて心が揺れ動く気持ちがした。女性に恋をするのに男の親友と寝る。自分の気持ちは自覚しても相手の気持ちが分からないからぐちぐち悩んで前に進む事が出来ない。

    普通の異性カップルでも難しいんだから同性だったらなおさらですよね。酷い形で振られるくらいならいっそ今まで通り友達のままでいた方がいいかもしれないと思う気持ちはとても理解できました。

    文章もとても美しい。いつもなら本はさっさと読んでしまう方ですが、この文章は心に沁み入ってくるような不思議な魔力を持った言葉たちなので、読み終えるのを惜しいと思う気持ちで読んでいました。

    ラストには感動しました。
    どうか皆に幸多かれ。

  • カナと小田みたいな関係もアリだなって思う

  • 2005.08.28. なんとなく、官能小説が読んでみたくて手に取る。この人のは、短編「柘榴」を読んだ記憶アリ。スルーッと流し読み。女に想いを寄せる女と、家族を持ちたくない男の、なんだか不毛な交わり。の底には、友情が垣間見えたりして。

  • これは、男は共感できないだろうなあ。

    他に好きな女のいる女と、寝て、
    その女の恋を応援する男、なんて。

  • 当時とても好きだったポール・デルボーの絵に惹かれて、思わず買ってしまった1冊。
    すばる文学賞受賞作。

  • この人の作品は
    白い画用紙に鉛筆で絵を描いて、それが、めくられて
    たまに急に色がつく、そんな感じだ。
    俺内容について触れてない……

  • 不幸な結婚生活を送った両親の弊害で、男性とセックスはできても愛することはできず、本当は身も心も女性を愛する複雑なジェンダーを持つカナは、一人の女性に焦がれながらも想いを打ち明けられずにいる。
    家や家族を否定しながらも住宅営業をしているという彼女の矛盾や業と解放を詩的に官能的に綴った一冊。
    設定や、散文詩のような体言止めを多用した文体など、ちょっと出来過ぎているけれど、山形の雪深く物悲しい情景とあいまって美しい印象を残す。
    象徴として何度も登場する「家」の存在が哀しい。

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