- Amazon.co.jp ・本 (184ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087743807
感想・レビュー・書評
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主人公と自分をダブらせて心が揺れ動く気持ちがした。女性に恋をするのに男の親友と寝る。自分の気持ちは自覚しても相手の気持ちが分からないからぐちぐち悩んで前に進む事が出来ない。
普通の異性カップルでも難しいんだから同性だったらなおさらですよね。酷い形で振られるくらいならいっそ今まで通り友達のままでいた方がいいかもしれないと思う気持ちはとても理解できました。
文章もとても美しい。いつもなら本はさっさと読んでしまう方ですが、この文章は心に沁み入ってくるような不思議な魔力を持った言葉たちなので、読み終えるのを惜しいと思う気持ちで読んでいました。
ラストには感動しました。
どうか皆に幸多かれ。 -
カナと小田みたいな関係もアリだなって思う
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2005.08.28. なんとなく、官能小説が読んでみたくて手に取る。この人のは、短編「柘榴」を読んだ記憶アリ。スルーッと流し読み。女に想いを寄せる女と、家族を持ちたくない男の、なんだか不毛な交わり。の底には、友情が垣間見えたりして。
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これは、男は共感できないだろうなあ。
他に好きな女のいる女と、寝て、
その女の恋を応援する男、なんて。 -
当時とても好きだったポール・デルボーの絵に惹かれて、思わず買ってしまった1冊。
すばる文学賞受賞作。 -
この人の作品は
白い画用紙に鉛筆で絵を描いて、それが、めくられて
たまに急に色がつく、そんな感じだ。
俺内容について触れてない…… -
不幸な結婚生活を送った両親の弊害で、男性とセックスはできても愛することはできず、本当は身も心も女性を愛する複雑なジェンダーを持つカナは、一人の女性に焦がれながらも想いを打ち明けられずにいる。
家や家族を否定しながらも住宅営業をしているという彼女の矛盾や業と解放を詩的に官能的に綴った一冊。
設定や、散文詩のような体言止めを多用した文体など、ちょっと出来過ぎているけれど、山形の雪深く物悲しい情景とあいまって美しい印象を残す。
象徴として何度も登場する「家」の存在が哀しい。