ネバーランド

著者 :
  • 集英社
3.55
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本棚登録 : 1294
感想 : 215
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087744637

感想・レビュー・書評

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  • 昔、ドラマになった時に初めて買った恩田作品です。たまにふと読み返したくなる一冊。

  • まず、この絵が読む気を削がれます、フィーフィーかよと思いましたがどうも本書に登場する高校生を表現しているようでびっくりしました。
    ただし、この表紙は宇野亜喜良の書下ろしらしいです。そりゃあダメ出しなんてできないですよね。恩田さんのラブコールのようなので猶更でしょう。

    さて、内容的には青春群像劇年末バージョンという趣きで、年末実家に帰らず寮に残った3人+1人の男子高校生の4日間です。事件らしい事件は起こりませんが、不穏な空気がずっと立ち込めていて、幻想的な雰囲気も感じられます。
    美少年好きの女性らしく、端々にBL的な要素も垣間見えるのですが、ほんとこの表紙がイメージの邪魔をします。本を閉じる度にこの絵が目に入るので、是非カバーをして読んで頂きたいです。

  • ちょっと昔の高校生のお話。冬休みに寮に残って、友達とお酒を飲んだりタバコを吸ったり、、今もこんなことあるのかな?

    4人の高校生の個性を把握するのに、なかなか時間がかかった。個性的な家庭環境。寮の冬休み、残った友達と過ごすうちにどんどん親密になっていく。そういえば高校時代って、親や家族以上に大切な関係を築いていく時期なんだっけなぁ。

    自分の息子にもきっとこんな風に、親と過ごすことよりも大事な時期が来るのだなぁ、息子にもこうやって何でも本音で話し合える友達が出来たらいいなぁ、と、ちょっと違う視点で読んだ。

  • 読んで良かった。読書にはまって2年目は恩田陸さんをたくさん読むぞーと思っているのですが、これは何度でも読みたくなるかもしれません。高校生の男4人の友情物語。皆がそれぞれ問題を抱えていて、しかもそれがとんでもなくヘビーで、胸が痛くなったし、一緒に泣きたくなりました。言葉を尽くす訳でもない、喧嘩もしつつ悪ふざけもしつつ、確実にお互いを救い、友情を深めていく様子は涙なくしては読めませんでした。きっとずっと続く友情が育まれたのでしょう。この冬休みの間に。おぞましい記述もあるのに清々しい読後でした。

  • そのタイトルにひかれて手に取ったものの表紙が気に入らなくて(失礼な)…。
    けれど、1回読みはじめたらすごく面白かったです。
    とある男子進学校で冬休みに寮に居残った男の子たち4人のお話。
    みんながみんなそれぞれ複雑な事情を抱えていて(だから里帰りしないわけで)、
    毎日一緒に暮らす中でお互いに自分のことを告白し、友情をふかめていく、てな感じ。
    あたしは幸せな環境で育ってきたから彼らの気持ちを上手に理解できないけれど
    お話の中で彼らが友情を深めていくのを読んでいると「友達っていいなあ」と思いました。

  • 青春はきれいで輝かしいものとは限らない。

    深泥のような感情の澱が音もなく積もっていく。

    彼らの青春は、秘密の告白であるからこそ明かされ

    それが暗鬱で思い返すに耐えなくても

    彼らが今あるのは、それゆえ。

  • 九州の進学校で寮生活する3人+1人の高校2年生たちが3学期までの2週間の冬休みを寮で過ごすことに。

    お互いの事を分かってるようでいて、お互いが時折見せる一面にドキッとして実は親しいと思っていた友人にも自分の知らない一面が隠れていて何故だか少し不安になったり。

    4人とも全員が不幸なわけではないけど、両親が離婚間近だったり死別していたり過去のトラウマから女性恐怖症を患っていたりと、賢く飄々と生きてるのかと思いきや、彼らを取り巻く事情はなかなか重たい。それも読み進めるとまだまだ出てくる。

    もはや序盤の彼女とうまくいかず云々…がジャブのような扱いで、それも最後にはも一度連絡してみるか、みたいに好転してるし、その他の彼らも前向きに変化してて読後感はかなり良かった。

    寮生活の可能性も当時の自分に無くはなかっただけに、あぁ友達とのこういう距離感の付き合いも良かったかもなーと思った。多分もしもう一度同じチャンスがあったとしても、やっぱり選ばない気もするけど(笑)

    余談。
    「大人はいつも勝手だ!」って本作にもあったセリフで、ティーンエイジャー特有の感情を抱いた事が無い。それは物分かりのいい大人に囲まれていたわけではなく、深くあまり考えてなかったんだろうなと思う。
    というか、自己肯定強めに育ててもらえたのかもしれない。だから、「周りの大人は〜」って件は浮かばないのかも。無いものねだりでしかないけど、一回くらい言ってみたかったかも。

  • 3.0

  • 人世代昔の青春ストーリー。
    高校生の男子校の寮って想像できて面白い!
    偏差値高い学校の設定だからか、男子4人とも話も面白いし議論していたのが可愛かった。
    その割にはお酒飲み過ぎでは?

  • ★3.5

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著者プロフィール

1964年宮城県生まれ。92年『六番目の小夜子』で、「日本ファンタジーノベル大賞」の最終候補作となり、デビュー。2005年『夜のピクニック』で「吉川英治文学新人賞」および「本屋大賞」、06年『ユージニア』で「日本推理作家協会賞」、07年『中庭の出来事』で「山本周五郎賞」、17年『蜜蜂と遠雷』で「直木賞」「本屋大賞」を受賞する。その他著書に、『ブラック・ベルベット』『なんとかしなくちゃ。青雲編』『鈍色幻視行』等がある。

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